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2015年11月 3日 (火)

プレイバック翔ぶが如く・(34)欧米視察団出発

明治4(1871)年9月。
横浜〜川崎間に鉄道が敷け、試し乗りが行われます。
世の人々は、汽車のことを「陸蒸気」と呼びます。

横浜に行っていた西郷従道・清、西郷小兵衛が
甘い西洋菓子を土産に、西郷隆盛邸を訪れます。

その味に感激した隆盛は、
いくらでも、という清の言葉に甘えて
父さま母さまの分、そして爺さま婆さまの分と
一切れずつもらうことにします。

……食い過ぎ(笑)。


新政府メンバーの飲み会で
大隈重信が、岩倉具視から洋行の許可を得ようと躍起です。
三条実美の内諾は得ているから早くしてほしいと催促するのですが、
大久保利通にとっては、そもそもそんな話は初耳であります。

洋行するなら自分たちで。
そう考えている利通は、岩倉に
自分たちの知らないところで
広い顔をしないように釘を刺しておきます。


自分も洋行できるかもしれない、と浮かれる矢崎八郎太は
芦名千絵を見かけると、半ば興奮気味にそれを報告します。
ただ、千絵にとってはそこまで大事ではなかったようで
承っておきましょう、とスタスタ歩き出して行ってしまいます。

とその時、千絵の表情が一変。
走り出そうにも足元がもつれ、転んでしまいます。
「姉上!? ……お願い! あの人力車を追って! お願い!」

矢崎が追いかけて行きましたが──。

自分が外国に洋行に行ってしまうと、
千絵の力になる人間が東京にはいなくなってしまう。
矢崎は、意地を張るのもいい加減にしたまえ、と
千絵の姉について強引に聞き出します。

2年前、姉が姿を消した後
病床に伏していた父に医師が訪ねてきました。
家には医師を呼べるだけの財力もなかったので
姉はきっと、身売りしたに違いありません。

「洋行はなさいませ。しかしお国作りの陰には
 多くの不幸を嘆く者がいることをお忘れなきように」
姉の名を聞いた矢崎に、ついに千絵は答えませんでした。


千絵が西郷邸に戻ると、山城屋和助が来ていました。

もともとは横浜に店を構える山城屋ですが、
今度東京にも出店するとかでその挨拶に来た模様。
しかし隆盛は不在ですので、お口汚しですが、と
山城屋は千絵に菓子折りを預けます。

しばらく経って、桐野利秋が隆盛を訪ねてきますが
まだ隆盛は帰ってきていません。

書見台に置いた菓子折りを見て、こっそりと
つまみ食いしようと手を出す桐野ですが、
中を空けると、大量の金が──。

「薩摩ン大西郷を不浄の金にまみれさせたら、お前を斬る」
桐野は、国家のために働く上で不正があってはならないと
隆盛が言っていたことを桐野は充分に理解していて、
山城屋とともに酒を呑んでいた山県有朋にも、釘を刺します。


洋行計画について、おおまかに形が出来始めました。

全権大使に岩倉具視、副使に木戸孝允、
ほか大久保利通や伊藤博文、書記官、通訳などを含め
50名弱で編成される予定です。

江藤新平は、そこに大隈重信の名がないことで噛みつき
大隈は、自分は留守役で構わないのですが
政府の主だった人間がほぼ全員洋行に行くことで
国家不安定になることを危惧します。

三条は、今更ながら利通には残ってほしい旨の発言をします。
それに木戸も同調して、政府内は紛糾。

利通自らが洋行に行かなくとも、
彼の下の大隈が代わりに行けばいいのではないか?
そう考える人たちが予想以上に多いのです。

「行ってきやんせ」
隆盛は、留守政府は任せろと言わんばかりに
利通を送り出すことにします。


岩倉は、留守中は計画に従って政府を動かしてもらい
大きな問題は何も決定しないように、という条件を出し
使節団一行は、アメリカに向かって船出しました。
洋行は10ヶ月を予定しています。

しかし、留守を預かる大隈や江藤ら
肥前出身者の動きが少し気になるところで
もしかしたら隆盛が引き受けた留守政府は
苦難のものになるかもしれません。


原作:司馬 遼太郎「翔ぶが如く」より
脚本:小山内 美江子
音楽:一柳 慧
題字:司馬 遼太郎
語り:田中 裕子
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[出演]
西田 敏行 (西郷隆盛)
鹿賀 丈史 (大久保利通)

田中 裕子 (西郷いと)
賀来 千香子 (大久保満寿)
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緒形 直人 (西郷従道)
国生 さゆり (西郷 清)
杉本 哲太 (桐野利秋)
堤 真一 (矢崎八郎太)
有森 也実 (芦名千絵)
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益岡 徹 (村田新八)
南條 玲子 (芦名千草)
小倉 久寛 (伊藤博文)
角野 卓造 (三条実美)
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田中 健 (木戸孝允)
隆 大介 (江藤新平)
小林 稔侍 (岩倉具視)
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制作:吉村 文孝
演出:小松 隆一

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