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2015年11月 6日 (金)

プレイバック翔ぶが如く・(35)留守政府分裂

明治4(1871)年11月12日、
明治政府の最初の大事業である遣欧使節団が
欧米に向けて横浜港を出発。

そのメンバーは、全権大使として右大臣・岩倉具視、
副使として参議・木戸孝允、参議・大久保利通、
工部大輔・伊藤博文、外務少輔・山口尚芳など
およそ50名の大使節団であり、
他にも女子を含む留学生たちも乗り込みます。

使節団の目的は、条約改正の本交渉の条件作りのため
欧米諸国の制度・文物を調査し、その条件が整うまで
交渉を延期する旨を伝えることにありました。

幕末に各国と結ばれた条約は
「治外法権」と「関税自主権」の欠如を含む
極めて不平等な条約で、
その改定期日が翌年5月26日に迫っていたわけです。

12月6日、使節団はサンフランシスコに上陸。
15発の祝砲に迎えられた一行は行く先々で大歓迎を受け
初めて触れる西洋文化に驚きの連続でありました。

翌 明治5(1872)年1月22日に
首都ワシントンに到着、大統領の歓迎を受けます。
しかし、盛んな歓迎とは裏腹に、使節団の本来の使命は
未だ何も果たされていなかったのです。


山城屋和助の別宅に山県有朋がやって来ました。

山城屋の目論んでいた事業が相場の関係で失敗し
このままでは山県が以前公金で用立てた
50万がパアになってしまいます。

そこで山城屋は、もう少しだけ元金を増やしてもらい
損をした分を別の事業で取り返すつもりです。

山県は、オレの金ではないと元金増額を断りますが
借用書を明るいところに出したくない、と
山城屋は脅してきます。

……という話を、西郷隆盛や西郷従道はつかんでおります。
政府要人が不正を働いたことが公に出れば
政府内も大混乱、民衆も大混乱に陥ります。
隆盛にとっては、非常に頭の痛い話です。

そこに、欧米視察中の利通が
急きょ帰国するという話が舞い込んで来ました。
いったい何があったのだ……と
隆盛や従道は眉間にシワを寄せ心配します。


3月末、利通が帰国しました。

不平等条約の改正について、全権委任状がないために
交渉に入れないという事態が発覚しました。

逆に言えば、全権委任状があれば交渉が出来るわけで
隆盛を通じて三条実美に改めて全権委任状を発行してもらい
アメリカに持ち帰った利通がそれを持って交渉に当たる。
そのために急いで帰国した模様。


江藤新平の書生・矢崎八郎太は
山県有朋周辺の金銭関係のズルを見つけるべく
山城屋和助の別宅の向かいに越して見張っています。

その矢崎が西郷邸の前を通りかかったとき
屋敷内から美しい琴の響きが。
弾いているのは芦名千恵です。

かつては、矢崎を見ると少し避ける傾向にありましたが
現在は少し変わって、
ふつうの女の子らしい表情を向けることがあります。
それだけ、矢崎を恩人として受け入れつつあるようです。

「ほんに、千草さまのお好きな曲でございました」
西郷邸にお邪魔していた十蔵がそう言うと、
矢崎は、千草とは千絵の姉のことだとピーンときます。


全権委任状について閣議に諮ってみますと……。

そもそも今回の洋行では不平等条約改正の
仮決定であるからこそ全権委任状を持たせなかったわけで、
岩倉や木戸らが不在の中、閣議で決定して
全権委任状を出せるわけがないと江藤が噛みつきます。

全員が帰国して協議し直すか、それができなければ
条約改正の件は一旦白紙に戻してもらいたい。
利通はそのどちらも是とできないわけです。

そこで紛糾しかけるのですが、
ドーンと登場の隆盛が、その場を抑えます。
「思うたようにやらせた方が成果はよかとではごわはんどかい?」

その気迫に、三条はじめ
大隈重信や江藤も黙り込んでしまいます。

利通が帰国して50日余り、
岩倉使節団に対して全権委任状がようやく発行され
それを持って利通がアメリカに戻っていきます。

隆盛は、利通らしいいつもの冷静さがなくなり
アメリカで少し焦っているように見えます。
事は急いてはいかん、と言って送り出します。

しかし、利通の焦りから来た洋行計画のズレは
後に、隆盛との間に抜き差しならぬ亀裂を
生むことになります。

そして、利通と伊藤がアメリカの
使節団が滞在しているホテルに戻った時には
岩倉が交渉打ち切りを決定した後で、
間にあいませんでした。


「珍しいな……女郎上がりが琴とはな」
山城屋の別宅を相変わらず監視中の矢崎は
先輩の指摘で屋敷内を覗いてみますと
縁側で山城屋の女が琴を弾いています。

その音色にピーンときた矢崎。
身体がもう動き始めていました。

「君は芦名千草さん……千絵という妹がいるはずだ」
屋敷内に飛び込んだ矢崎は女を問いつめますが
いきなりのことで、何のことやら、と女はとぼけ
婆やに矢崎たちを追い出してもらいます。


司法卿となった江藤は、
山県と山城屋の悪しきつながりに目をつけ
パリに豪遊していた山城屋に召還命令を発し
彼が帰国し次第、山県を逮捕する予定です。

ままま待て、と板垣退助は慌てますが
江藤は断行するつもりです。
「不肖江藤は、法を見逃すことは絶対に出来ません」

留守政府が今、混乱することはしてはならないと
隆盛は感じているのですが、
事情はともかく、あえて波風を立てようとする江藤に
隆盛は言葉が見つかりません。

天はこの吉之助に、この後何をせよとお命じか……。
隆盛は、政府における自分自身の存在意義を
考えずにはいられませんでした。


原作:司馬 遼太郎「翔ぶが如く」より
脚本:小山内 美江子
音楽:一柳 慧
題字:司馬 遼太郎
語り:田中 裕子
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[出演]
西田 敏行 (西郷隆盛)
鹿賀 丈史 (大久保利通)

田中 裕子 (西郷いと)
賀来 千香子 (大久保満寿)
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緒形 直人 (西郷従道)
国生 さゆり (西郷 清)
堤 真一 (矢崎八郎太)
有森 也実 (芦名千絵)
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隆 大介 (江藤新平)
南條 玲子 (芦名千草)
斎藤 洋介 (板垣退助)
小倉 久寛 (伊藤博文)
角野 卓造 (三条実美)
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小林 稔侍 (岩倉具視)
田中 健 (木戸孝允)
竜 雷太 (川口雪篷)
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制作:吉村 文孝
演出:望月 良雄

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