大河ドラマ花燃ゆ・(46)未来への絆 〜打つ手なし! 二人に挽回の道は?〜
群馬の生糸を守るためにも
生糸組合を作り、共同揚返場を作らなければならない。
この楫取素彦の主張は、生糸仲売人が不要となる案で
それだけに仲買人も県職員も猛反発。
仲買人たちを回って説得に当たる素彦ですが、
崖崩れによって町への道が塞がれ、
素彦はやむを得ず、その村の宿屋で
美和と同室で夜を明かすしかありません。
そんな時に発生した、建設中の生糸共同揚返場への放火事件。
緊急を擁する事態なので素彦に連絡しようとしますが、
自宅には誰もおらず、連絡がつきません。
放火犯は生糸仲買人ですが、
素彦のやり方に不満があると
警察の取り調べで供述しているとか。
とはいえ、阿久沢権蔵の目的はそこではなく。
共同揚返場建設については素彦が全責任を負う事業ですが、
このような事態になった時、素彦は誰とどこにいたのかを追及。
どうしても県令の座を追いたいようなのです。
素彦は美和と一緒だったことをあっさりと認めますが、
権蔵も、素彦が美和とそういう仲でないことは分かっています。
分かっていますが、こういう話は短期間で噂が広まっていきます。
しかも、あることないこと尾ひれがついた状態で、です。
即座に反応したのは生糸の女工たちでして、
いつものように美和がやってきても、
冷たい視線を送るだけで何も話しかけようともしません。
人の噂も七十五日、収まるんを待つしかないだろうね、と
阿久沢せいは美和に、ひたすら耐えるように諭します。
「けれど、県令様が困ったお立場になることは間違いないだろうね」
養蚕農家の組合設置、共同揚返場の建設について
素彦の知らないところですべてが白紙に戻されてしまいました。
だからといって諦める素彦ではありません。
群馬の各地に学校を設置するために、
各所を回って説得を続けます。
そんな折、山口の二条窪時代に世話になった中原が
素彦を訪ねてきました。
中原は、素彦が奇兵隊ら諸隊を解散させたことで
初めこそ恨みの対象でしか思っていませんでしたが、
素彦がやってきた開墾が上手く進み
今では素彦についてきてよかったと思えるようになっていました。
楫取家に招待された中原は、将来への備えのため
さらに田畑を広げるための水をどう確保すればいいのか、
そして自分たちでもできることはないか、と素彦に相談してみます。
水の確保については、素彦から山口県令に伝えるとして、
自分たちに出来ることは、と言われて美和が思いついたのは
「そんなら、ぜひご紹介したい人が──農業の、発明王です」
さっそく翌朝、船津伝次平に会いに行った美和と中原。
中原は、その場所近くにある山の手入れをしろ、とアドバイス。
つまり木を植えることで、木が根を張り
雨や雪解け水を山が貯めるようになったため、
山が水がめ代わりとなり、
以前よりも水が流れるようになった、というのです。
善は急げ、と素彦が県庁から帰宅するのを待たずに
中原は山口に戻ることにします。
ただ、県庁を訪ねた時に職員たちが素彦に
群馬から出て行ってもらいたいと話していることについて
心配していることを美和に伝えます。
中原はその後、二条窪に戻って船津のアドバイスを村の者に伝え
再び群馬に戻ってきて県職員の採用試験を受験します。
どうしても、素彦の下で働きたいのです。
東京で療養を続ける寿に、
美和は近況を知らせる手紙を送ります。
前々から、素彦と美和には他人には分からない絆のような
何か通じるものがあると感じていた寿。
「私はもう、いらんのかもしれませんね」
寂しそうに笑います。
西南戦争が終わり、その後の処理について
木戸孝允や西郷隆盛らの後を継いだ
伊藤博文や山県有朋たちが苦慮しています。
西南戦争で国事犯になった者たちが多すぎて
多数の監獄が必要になるのですが、
現在の明治政府には、それを建設できるだけの予算がありません。
というわけで、多くの国事犯たちは全国各地に送られ
更正させられることになったのですが、
群馬も例に漏れず、多数の国事犯たちが送られることになりました。
熊本・鹿児島の国事犯、87名──。
東京の毛利安子は、群馬の美和に手紙を送り
素彦はますます大変になるだろうが、
美和はくれぐれも余計なことには関わらないように、と
忠告しておきます。
他府県では、国事犯たちに開墾などを手伝わせているそうで、
無賃の労働力が手に入れば万々歳と
同じように開墾させようと権蔵は主張しますが、
群馬から日本を変える、という希望を持つ素彦は
国事犯たちに生糸関連の技術を学んでもらい
牢から出た時に、その技術で生きられるようにしたいと意見します。
いずれはそのやり方が日本全国に広まるはずです。
素彦は、生糸仲買人への説得、学校設置の説得に加え
今度は国事犯更正の協力先を探すことになりました。
一方、美和ですが、せっかくの安子の忠告も聞かザルで
せいにしばらくのお休みをもらい、一軒一軒説得に当たります。
一軒一軒頭を下げて回っている美和の姿を見ていたせいは
美和の志を知り、自分も協力させてもらうと名乗り出て
せいも一軒一軒回って頭を下げてくれます。
養蚕農家でも数軒が引き受けに応じ、船津も引き受けを快諾。
星野長太郎の工場でも、従業員がやっとで納得してくれました。
「またやったな……美和の仕業だろ」
いよいよ、国事犯たちが群馬に入るときが来ました。
集まった罪人に、素彦は
それぞれに未来を描いていいんだ、と諭します。
群馬の技術を身に付けてもらい、
刑期を終えた後もサポートするという素彦に
「騙されちゃいかんぞ! 所詮政府の回し者じゃ!」
と、初めは反抗していた国事犯たちですが、
素彦の言葉に胸打たれ、涙するものたちが続出。
それは、国事犯たちを迎える立場の群馬の人々も同様でして
本気で群馬から日本を変えようとしているのか、と権蔵はつぶやき
中原は、この人だったら群馬は変えるかもしれない、と確信します。
楫取久米次郎から美和宛に手紙が届きました。
「母の気持ちが分かるなら、今すぐその家を出て行ってほしい」
手紙に目を通した美和の顔から、笑顔が消えました。
作:小松 江里子
音楽:川井 憲次
題字:國重 友美
語り:池田 秀一
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[出演]
井上 真央 (久坂美和)
大沢 たかお (楫取素彦)
優 香 (楫取 寿)
田中 麗奈 (毛利安子)
三浦 貴大 (毛利元徳)
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劇団 ひとり (伊藤博文)
大東 駿介 (星野長太郎)
相島 一之 (鈴木栄太郎)
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石原 良純 (船津伝次平)
江守 徹 (阿久沢権蔵)
三田 佳子 (阿久沢せい)
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制作統括:土屋 勝裕
:小松 昌代
プロデューサー:堀之内 礼二郎
演出:渡邊 良雄
◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆
NHK大河ドラマ『花燃ゆ』
第47回「姉妹の約束」
デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜
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