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2016年1月26日 (火)

プレイバック武田信玄・(05)湖水伝説

男の神が女の神に会いに行く時に
出来ると言われる裂け目『御神渡り(おみわたり)』。

現在、縁結びの神様として知られる諏訪の神様。
古くは農耕狩猟の神として、
そして戦国の世にあっては荒々しい戦の神、
軍神として崇められていた。

現在の諏訪市を中心とする八ヶ岳山麓では、守護や豪族
そして農民に至るまで諏訪神社への厚い信仰心を持っていた。
そうした諏訪信仰を中心とする社会の
頂点に立つ男が、この諏訪頼重である。

当時 頼重は、近隣の有力豪族である小笠原長時・村上義清らと
三国同盟を結び、隣国甲斐を脅かす一大戦力となっていた。

父の信虎追放後、一年。
晴信にとって最大の敵は、諏訪頼重であった。
諏訪を治めることは、取りも直さず
この広大な社会を治めることである。

その野望のシンボルが、諏訪頼重の娘・湖衣姫であった。
晴信がぜひとも手に入れたい女性だったのである。


武田晴信としては、甲斐国主として
国の運営について何もかも
早急に決めねばならない立場であります。

人質となっていた湖衣姫。
幼い日、淡い恋心を抱いたおここと
瓜二つの湖衣姫が消えた日から
政治に没頭する晴信です。

とはいえ、湖衣姫のことを諦めたわけではありません。
湖衣姫は諏訪頼重の娘なので、
館を脱出したとすれば諏訪に戻るのは必定であります。

石和甚三郎に諏訪近辺を探らせますが
諏訪に戻ったような形跡がなく、居所が全く掴めていません。

一方、その晴信に没頭? の里美は
何か晴信の世話をしたいと、
晴信の後ろをずっとついて歩き回っていますが、
多忙な晴信は少し煙たがっている様子です。


原 虎胤が、3人の少年を晴信に会わせます。
源助、平三、そして平三の弟の平五です。

源助は弓の名手で、前の諏訪との戦いでは
小兵ながら、その手作りの弓で
敵兵を5人も倒したという戦績を残しています。
平三は石をポイポイと投げて、的確に的に当てます。
(ただし、最初の1投目は手元が狂うのが……(汗))

晴信は、何か役に立ちそうだ、と
彼らの身柄を虎胤に預けます。


諏訪家では、頼重が
湖衣姫脱出の報を千野伊豆守から聞きながら
未だに戻ってきていないことを心配しています。
恐らく、甲斐との国境が強固すぎて
越境できないものと思われます。

甲斐国主の座が武田信虎から晴信に移った今
国内はかなり乱れているはずです。
ただ、それが安定した時、
晴信はまず諏訪を攻め込むでしょう。

頼重としては、晴信に攻め込まれる前に
甲斐国内が乱れている今こそ、攻撃の好機と捉えているのです。
だからこそその前に、甲斐国内に潜んでいるであろう湖衣姫を
諏訪領内に連れ戻す必要があるのです。

頼重は湖衣姫を無事に連れ戻すため
千野に国境付近まで派遣します。


原 昌俊が晴信の呼び出しを受けます。

昌俊は陣馬奉行でありますが
信虎側の家臣として行動していまして、
晴信クーデターの際にも
信虎に味方する立場で行動し、発言していました。

晴信は、それはそれで全うなことだとして
それを咎めるつもりはありません。

処分については仰せの通りに、と平伏する昌俊に
我が甲斐に留まれ、と微笑みます。
「陣馬奉行としてのそちの働き、この甲斐には必要じゃ」


晴信は飯富虎昌とともに川の見学に向かいます。

山梨から静岡に向かって流れる釜無川と
御勅使川(みだいがわ)が合流する周辺は
川が増水すると盆地一帯に洪水を起こしていて
その水害に民衆は悩まされてきました。

水の神をコントロールするのは至難の業ではありますが、
晴信は、何とかして洪水をなくさなければと考えています。


三条夫人が男子を出産しました。
晴信にとっては2人目の男の子です。

晴信は、自分の後継者育成をと
兄になったばかりの5歳の太郎を馬に乗せ、
甲斐国内をくまなく見せて回ります。

晴信自身は、父・信虎にとても厳しく育てられました。
傅役の板垣信方も、これまた厳しく晴信に接してきました。

だからこそ、今があると晴信は感じてはいますが、
実父をクーデターで追放したことは、いいことをしたとは思っていません。
それだけに、太郎には自分とは違う育て方をしたいと強く思っています。
晴信は、つき従って来た飯富に太郎の傅役を命じます。


夜明け前、母の大井の方は
躑躅ヶ崎の館を出て寺に移ることにします。

御仏にお仕えする、ということで
自分の尼寺はまだ建てている途中ではありますが、
「(国主の居住エリアである)裏方に住まわせてほしい」という
三条夫人からのたっての願いで、裏方を明け渡すことにしたのです。

晴信は、館の門まで見送りに出ます。
この暗さでは物騒だと、寺まで送ろうとするのを
大井の方は笑って断ります。

次第に小さくなっていく母の背中を見て、
晴信の頬を涙が流れます。
「母上ーッ! 父上を奪いしこと、お許しくださりませーッ!」

母もまた、涙を流しながら
息子の叫び声を聞いていました。
でも、振り返りません。


母が寺に入り、仏門にお仕えして1年、
晴信の号令で、諏訪攻めをすることにします。

まずは豪族たちに我らの心意気を見せる、と
直参で軍を編成して出陣すると、
各地の豪族たちが、我先にと本陣に駆けつけてきます。

この諏訪への出陣は、晴信にとっては2つの意味合いがありました。
ひとつは豪族たちを掌握し、甲斐をひとつにすること、
そしてもうひとつは、湖衣姫に会いたいがためです。


天文11(1542)年6月、
武田晴信は高遠頼継とともに諏訪領へ侵攻する。

慶長20(1615)年5月7日、
大坂夏の陣にて真田信繁が討ち死にするまで


あと72年11ヶ月──。


脚本:田向 正健
原作:新田 次郎「武田信玄」
音楽:山本 直純
タイトル題字:渡辺 裕英
語り(大井夫人):若尾 文子
──────────
[出演]
中井 貴一 (武田晴信)
紺野 美沙子 (三条の方)
大地 真央 (里美)
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村上 弘明 (源助)
宍戸 錠 (原 虎胤)
児玉 清 (飯富虎昌)
小林 克也 (原 昌俊)
本郷 功次郎 (甘利虎泰)
──────────
坂東 八十助 (諏訪頼重)
美木 良介 (馬場信春)
鈴木 瑞穂 (千野伊豆守)
──────────
平 幹二朗 (武田信虎)
菅原 文太 (板垣信方)
小川 真由美 (八重)
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制作:村上 慧
演出:布施 実

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