大河ドラマ真田丸・(07)奪回 〜戦国の女 人質の覚悟〜
昌幸は大勝負に出る。
滝川一益が北条討伐に向かう隙に、沼田城、岩櫃城の奪還を狙う。
だが、一益のもとには、人質としておとりがいた──。
6月18日、滝川一益は上野で北条氏直と激突します。
滝川勢は当初、優勢でしたが
神流川の戦いにおいて北条の大軍の前に総崩れ。
北条家臣・板部岡 江雪斎の報告を
居城、相模小田原城で聞いたご隠居・北条氏政は
一日も早く上野を押さえよ、と氏直に伝言します。
「今夜はもう起こすな」
滝川劣勢の話を聞き、この時を待っていたのじゃ! と昌幸。
このチャンスに、沼田城と岩櫃城を取り戻すつもりでいるわけです。
沼田城には、昌幸の母、信幸・信繁の祖母にあたる
おとりが人質となって入城していまして、
昌幸は沼田へ兵を向け、一気に城を奪い返します。
しかし、肝心のおとりは発見できず。
どうやら一益が奪還を予測しておとりも連れ出した模様。
昌幸は、叔父の矢沢頼綱に沼田城をお任せし、
信幸には岩櫃城を押さえるように命じます。
そして自らは、恐らくおとりがいると思われる箕輪へ。
信繁も父に同行します。
箕輪城に到着した昌幸は、一益と対面します。
もう戦に決着はついた、と感じている一益は
とりあえず翌朝、伊勢に戻ることにします。
そしておとりは、滝川軍が信濃を抜けるまでは
このまま預かるということらしいです。
沼田城奪還のことは、バレるのは時間の問題です。
その前に、おとりを見つけ出さねばなりません。
人質として部屋に軟禁されているおとりは
世話役としてついてきたきりに、喉が渇いたと水を所望します。
人質だからガマンしてくださいッ! と言うきりですが、
おとりにギッと睨まれると、水を調達せざるをえません。
部屋を出て、見張っている兵士に水を依頼し
廊下で待っていると、違う方から顔を出す男子が。
昌幸に命じられておとりをくまなく探す信繁です。
「助けに来てくれたのね!」
と信繁に抱きつきますが、信繁はいたって冷静にきりを離します。
とりあえず、必ず助け出すことを約して、信繁はその場を去ります。
酒の用意をさせた一益は、預かっている沼田と岩櫃の城を
伊勢に帰るにあたって昌幸に返すと言い出し、慌てさせます。
そりゃそうですよね、昌幸は一益の知らないところで
勝手に奪還しているのですからw
まぁ、そうでなくとも信長亡き今
織田家を立て直すことが急務でありまして、
国衆から預かったものは一旦返却をして、ということらしいです。
そして、これから誰を頼っていくのかは、国衆で決めよ、と。
「まことに実り豊かな、よき国であった」
織田を建て直し、必ずこの地に戻って来ると約束する一益。
従順に平伏する昌幸ですが、
舌をベェーッ(^┰^)と出している感じがうっすら感じ取れますww
ともかく、明日は一益が箕輪城から信濃を経て伊勢に戻ります。
その途中にある、彼の配下に守らせている小諸城で
明日の夜を明かすでしょう。
おとりときりは、そこで奪い返すように信繁に命じます。
「それは……まことか?」
翌朝、気分よく「返そう」と言った沼田城と岩櫃城が
すでに真田の手に落ち、彼らの支配下にあることを知った一益は
うそばかりつきおって! くそ! と地団駄踏みますが、後の祭りです。
そして、昌幸の予想通り、夜に小諸城に入った滝川軍。
コソコソすると目立つし逆に怪しまれる、と言って信繁は
滝川軍と小諸城の男たちが入り乱れているのを逆手に取って
堂々と軍勢に入っていきます。
一益に命じられて人質の検分をすることになりました、と
小諸城の兵士に挨拶して、
ちゃっかり人質の居場所を聞き出す信繁。
一益の軍勢は、今まで全滅寸前で戦っていたので
足を洗うゆとりもなくここまでたどり着いています。
一方、小諸城の兵はそういうのがないので
足が汚れていないわけです。
そしておとりたちが軟禁されている部屋の前にたどり着くと
そこでは滝川の兵が警備しています。
信繁は、今度は小諸城の兵である演技をして
見張りを厠へ行かせ、その隙におとりときりを何とか救出。
ただ、困ったことに
信繁を“小諸城の兵”と勘違いしている、
見張りの男が戻ってきたところに
信繁を“滝川の兵”と勘違いしている、人質の居場所を教えてくれた
小諸城の兵士が人質の居場所は違う場所だった! と
訂正しにわざわざ信繁のところまで戻ってきたわけです。
もう、会話はちぐはぐ。
そしてそこに、「お主、真田のせがれではなかったか」と
一益がやってきたことで、完全に見破られてしまいます。
おかげで、おとりときりに、信繁と矢沢三十郎頼幸の二人が
追加されただけです。
滝川軍が小諸城から伊勢へ移動するかと思いきや
朝になっても出て行く気配がありません。
どうやら、その先にいる木曽義昌が立ちはだかっていて
通る通らないという交渉が上手くいっていないようです。
木曽義昌は、信濃西部を支配する国衆で
武田信玄の娘婿であったにもかかわらず
真っ先に武田家を裏切り、
信長による信濃攻略のきっかけを作った人物であります。
その義昌が、織田家は武田家を滅ぼした仇! などと言い出し
木曽の領内には一歩たりとも入れさせない! と
領内の通行を断固拒否したわけです。
真っ先に裏切ったではないかw と一益がツッコむのも道理です。
しかし呑気に待っているヒマはありません。
織田家の家臣が集まり、信長の後継者を決める清洲会議が
目前に迫っています。
滝川軍は、木曽福島城に入って
義昌と直接話し合いの場を設けます。
どうしても伊勢に戻って清洲会議に参加したい一益は
ここまで連れて来た信濃国衆の人質たちを預ける代わりに
無事に通してほしい、と交換条件を出し、義昌に了承されます。
その人質には、当然おとりや信繁たちも含まれ、
これにより、場合によっては
義昌は信濃国衆のトップになれるかもしれません。
人質たちは、いい捨て駒になるわけです。
6月28日、一益は義昌に人質の身柄を渡し
伊勢への道を急ぎますが、
結局、一益は清洲会議には間に合いませんでした。
織田家きっての名将とうたわれた一益は
羽柴秀吉の台頭により力を失い
二度と信州の地を踏むことはありませんでした。
一方、人質たちの身柄を請け負った義昌は
信濃のトップに一歩近づけたと高笑いですが、
彼を睨みつけるおとりの視線に気づき、
慌てて目線を逸らします。
「宗太郎、久しぶりです」とおとりに声をかけられて、
脳天から突き出るような声で「ハッ」と返事した義昌は
慌てておとりの前に出て膝をつきます。
おとりは、実は義昌の幼少時代をよーく知っていて
武田信玄の前でしょんべんを漏らした話までするほど。
そんな義昌を、おとりはパーンと平手打ち。
「大恩ある武田家を裏切りおって!」
そんなおとりの勢いに負け、おとりが義昌の元に残る代わりに
信繁を解放することをしぶしぶ承諾せざるを得なくなった義昌。
もはやどちらが人質なのか分かりません(笑)。
信繁は、おとりを助け出しに来たのに、おとりを残しては
真田の郷には帰れないと納得していない顔ですが、
ここはおとりの顔を立て、黙って引き下がります。
「室賀が……北条についた」
真田の郷の昌幸のところにやって来た出浦昌相の報告です。
これで、信濃の他の国衆たちは、続々と北条になびくでしょう。
昌幸は出浦に、ひとまずは他の国衆たちにならって北条に味方させ
その内情を探らせようとします。
昌幸は、北条にはつかないわけです。
結局、おとりを助け出せなかった信繁は
くよくよしたまま真田の郷に帰って来ます。
真田家にとって大事な時に、自分は足を引っ張っているだけ、と
失敗した自分を許せないみたいです。
話を聞いている信幸は、奪還した岩櫃城を任されて
それだけでいっぱいいっぱいなわけです。
それはそうかもしれません。
でーんと構えている信幸は、これでも御年16歳なわけですから。
で、信幸に全てを任せた昌幸は、
上杉景勝に会いに越後へ向かっています。
今の上杉に、真田を守れるだけの力はない、と
直江兼続に断られますが、
縁深い上杉に味方した方がいい、と昌幸は考えたのです。
景勝は、直江が止めるのも聞かずに真田受け入れを承諾します。
その昌幸が真田の郷に帰ってきて、珍しく信繁を叱責。
しかしその直後、フッと父親の顔に戻って優しく諭します。
なぜしくじるか、分かるか? と信繁に聞いてみます。
「己の勘に頼りすぎるからじゃ」
勘には頼らない兄・信幸は、おのずと間違いも少なくなります。
ただし、クソ真面目で面白くない、そんな信幸の生き方と
勘に頼りすぎて間違う、しかし面白い信繁の生き方。
そのどちらが正しいということではありません。
信幸と信繁、合わせて1つにすれば完璧というわけです。
昌幸は、そんな信繁を上杉の海津城に派遣し
春日信達という、元は武田家家臣であり今は上杉家に仕える男を
調略して北条側に寝返らせようというのです。
昌幸が、北条に寝返る時の手土産にするつもりのようです。
景勝を信濃に誘い出し、背後から春日に攻めさせる。
前と後ろから挟み撃ちにして一網打尽!
こうなったときの一番手柄は真田になります。
それだけに、春日の調略は非常にキーポイントとなります。
上杉と北条を股に掛けた真田の大勝負がいよいよ始まります。
天正10(1582)年6月28日、
福島城で、滝川一益が人質の身柄を渡して伊勢へ向かう。
慶長20(1615)年5月7日、
大坂夏の陣にて真田信繁が討ち死にするまで
あと32年10ヶ月──。
作:三谷 幸喜
音楽:服部 隆之
題字:挾土 秀平
語り:有働 由美子 アナウンサー
──────────
[出演]
堺 雅人 (真田信繁)
大泉 洋 (真田信幸)
長澤 まさみ (きり)
黒木 華 (梅)
藤本 隆宏 (堀田作兵衛)
藤井 隆 (佐助)
──────────
高嶋 政伸 (北条氏政)
遠藤 憲一 (上杉景勝)
寺島 進 (出浦昌相)
石井 愃一 (木曽義昌)
中原 丈雄 (高梨内記)
段田 安則 (滝川一益)
──────────
草笛 光子 (とり)
高畑 淳子 (薫)
草刈 正雄 (真田昌幸)
──────────
制作統括:屋敷 陽太郎
:吉川 邦夫
プロデューサー:吉岡 和彦
演出:田中 正
◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆
NHK大河ドラマ『真田丸』
第8回「調略」
デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜
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