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2016年4月24日 (日)

大河ドラマ真田丸・(16)表裏 〜清正井戸表裏〜

奸瀑秀吉に従おうとしない真田。
しかし、上杉も秀吉に降った。
上杉の人質として大坂にいる信繁は苦境に立たされた──。


こうも大坂に長らく暮らしていると、さすがの真田信繁も
大坂に飽きて来たのではないかと羽柴秀吉はニッコリと労りますが、
見るもの聞くものすべてが新鮮で飽きる暇もございませぬ! と
優等生ぶりの模範解答で返答します。

そんな秀吉ですが、悪い知らせがある、と
ニッコリした表情を変えずに信繁に伝えます。
信繁をここに連れて来た上杉景勝ですが、
急いで越後に戻った、というのです。

特に信繁のことも何も触れなかったようで、
信繁は目を丸くして信じられない表情ですが、

「わしが……今度徳川と真田が戦になったら
 真田に味方するなと言ったからでは?」
秀吉はそう分析します。

上杉に見放された形の信繁ですが、
真田に帰れるか心配していた信繁に
秀吉はさらに良い知らせも用意してありまして、

今度、秀吉の馬廻衆のひとりとして
信繁が加わることになったわけです。
真田に断りを入れておくように命じた秀吉ですが、
三成はすでに真田に対して書状を送っています。

馬廻衆とは、本来は戦場において
大将を守る直属の護衛部隊でありますが、
秀吉の馬廻衆は、たとえ戦がないときでも
常に秀吉に従って、危険から守っていました。

事情が変わった、と内心焦っている信繁ですが、
もしかしたら、秀吉の馬廻衆に加わることで
羽柴家の動きをより詳しく真田昌幸に知らせることが
できるかもしれない、とも前向きに捉える一面も。

きりは、口先では驚いたふうですが、
そのことの重大さに気づいていない模様。
ま、きりにとっては信繁と一緒にいられれば
それでいいのかもしれませんがねw


信繁は、片桐且元に連れられて馬廻衆の詰所へ。
そこには、馬廻衆筆頭の平野長泰が待っていました。
平野は片桐に、皮肉なほどに頭を低くして接していますが、
人のよさそうな片桐が去っていった途端、平野の悪態がw

気になる平野と片桐の関係ですが、
かの賤ヶ岳の合戦で名を上げた“七本槍”、
加藤清正、福島正則、加藤嘉明、片桐且元、脇坂安治、
糟谷武則、そして記憶に残らない平野長泰……。

もとはみな同列だったのかもしれませんが、
現在の立場から考えると、
出世したもの、さほどしていないものと
分かれてしまっているようです。

そんな片桐と平野の会話から、
馬廻衆の立花権三が今朝、井戸に落ちて亡くなったらしく
自分はその代わりとして補填された格好なのだ、と
何となく理解することができました。

でも、本当のところはもっと根が深かったようで。

平野の推測では、昨晩
加藤清正が権三を連れ出して清正の部屋で呑んでいたらしく、
その帰りに、権三は酔っぱらって井戸に落ちた……。
つまり、清正が権三を殺した、という推測です。

こういった殺人事件の場合、殺す側に
それ相応のメリットがなければ意味がないわけですが、
清正には権三を殺す利点はありません。
実は清正に権三を殺させたのは、秀吉だというのです。

権三は茶々のお気に入りだったので、
それを見とがめた秀吉が、いつかは手を下すのでは、と
平野は思っていたようです。

「お前さんも気を付けることだな。茶々さまには近寄らない方がいい」
合点がいった信繁は、顔色青く頷くことしかできません。


利休が堺の商人に用意させた数々の高価な品物を
なぜかそれらに詳しい豊臣秀次の説明を聞いて
“若い娘向き”のシャム絹を茶々に、
“年長の女子向き”のルソンの麻を寧(ねい)に買うことにします。

さっそく寧にルソンの麻で編んだ帯を与え、
喜んでもらえて秀吉も上機嫌です。
寧は侍女に「大事にしまっておきなさい」と手渡すのですが、
その侍女の聞き慣れた声に顔を見てみると、きりではありませんか。

天井を仰ぎ見る信繁(^ ^;;)

秀吉は寧に、九州征伐を行うにあたって
九州の大名たちの妻子が人質として送られてくるので
彼らの面倒を見てほしい、というのです。
つまり関白の妻が世話をしている、という箔が欲しいわけです。

顔を引きつらせながら、寧は
何とかやってみます、と答えます。

ちなみに九州征伐には秀吉は参戦しません。
もし秀吉が大坂を長期間離れるとあっては
徳川などの大名がよからぬことをやり出しかねないからです。

まずは中国の毛利らに九州に向かわせ、
最後のトドメとして羽柴秀長を向かわせる。
そういう作戦でいきます。


続いて茶々の居室を訪れた秀吉は
同じようにシャム絹の帯を茶々に与え
茶々は、あろうことか信繁のところまでトコトコやってきて
帯を見せびらかします。

内心ヒヤヒヤの信繁……。


石田三成に呼び出された信繁ですが、
そうそう、と懐から出した書状を信繁に手渡します。
「大坂のこと、親に知らせるのは構わぬが
 何でもかんでも書いてよいというものではないぞ」

信繁は、思い切って三成に当たってみます。
上杉の援護がなくなった今、真田は滅んでしまう、と。

しかし三成の言うことは違っていました。

真田が徳川と戦えば、あるいは滅びるかもしれませんが
徳川が真田を攻めたら、秀吉が止めてくれるであろう、と。
これからの時代は、大名は秀吉の許可なく
戦を仕掛けられなくなるそうなのです。

何だか良く分かっていない信繁を連れて、三成は
大谷吉継がいる書庫にやって来ました。

三成は、信繁に城内の見取り図を見せて
城内を覚えさせている間に、吉継と密談です。

大坂の意に従わせて堺を治めたい三成としては、
その商人たちの力を抑える必要がある。
商人の町・堺から物流を大坂に変える必要があるわけです。

まず大坂に出店した者の便宜を図り、ひいきにする。
羽柴との商いが得になると思えば、商人たちは必ずこちらを向く。
しかし、それを成し遂げるにあたって最もやっかいな存在は
……そう、千 利休です。

利休は秀吉と直接対話することができます。
堺の商人たちの望みを、利休を通して
秀吉の耳に入れることも充分に可能なのです。
「必ず引きずり降ろしてみせます」


大城大臣の件で公家たちと話し合いがあるとかで、
秀吉は大坂から京へ。
そのスキに信繁は、茶々から呼び出しを受けます。

茶々は、真田の信濃や上野の話を聞きたがりますが
信繁は、殿下の前でとの条件付きで
「また今度」とやんわり断ります。

その帰り、庭に井戸を見つけた信繁は
その井戸の奥を見つめていました。
ふと気づくと、背後には清正が立っていたのです。

同じことしてやろうか、とひょいと持ち上げられた信繁。
清正の腕の中で暴れまくりますが、
「虎! やめないか!」と、秀吉の弟・羽柴秀長に助けられます。


徳川家康が真田討伐のため、大軍勢を整えているという情報が
上田城の真田昌幸のところにもたらされます。

頼みは上杉……そう考えている最中、
上杉が援軍を断って来たわけです。
「秀吉でございます。徳川との戦には一切力を貸すな、と」

徳川、北条、上杉、これで真田の周囲はすべて敵となりました。

「父上が早く上洛されぬから、このようなことに!」
真田信幸は目を大きくして、今にも泣き出しそうです。


大名は許可なく戦ができなくなっていて、
家康はその許可を秀吉に求めて来ました。
その決まりに則ったということは、
徳川は秀吉の配下についたと考えることができます。

信繁を呼び出した秀吉は、配下についたというのは
徳川の本心なのか何かの罠なのかを問います。

断りなく勝手に真田を攻めれば、秀吉に怒られるはずで
全ては真田に勝つための手段でしかなく、
秀吉の配下についた、というわけではない。
それが信繁の見立てです。

イジワルな味方をすれば、信繁が真田の人間であるが故に
徳川から守りたいがための主張とも捉えることができますが、
そんな小手先の主義主張が効くような相手とも思えません。

「家康に一杯食わされるところであった」
秀吉は笑って、ふたたび京に向かいます。


そして家康の浜松城には片桐が向かうことになりました。
しかし片桐は、家康による
真田討伐を認めることを伝えに行くわけで、
信繁としては、むごいことになってしまいました。

今! 徳川全軍に攻められたら、真田はひとたまりもありませぬ!
信繁の悲痛な叫びが……。

そんな時、信繁の目の前に茶々が現れます。


作:三谷 幸喜
音楽:服部 隆之
題字:挾土 秀平
語り:有働 由美子 アナウンサー
──────────
[出演]
堺 雅人 (真田信繁)
大泉 洋 (真田信幸)
長澤 まさみ (きり)
山本 耕史 (石田三成)
新井 浩文 (加藤清正)
吉田 羊 (稲)
片岡 愛之助 (大谷吉継)
──────────
遠藤 憲一 (上杉景勝)
寺島 進 (出浦昌相)
小林 隆 (片桐且元)
近藤 芳正 (平野長泰)
中原 丈雄 (高梨内記)
桂 文枝 (千利休)
竹内 結子 (茶々)
──────────
小日向 文世 (羽柴秀吉)
藤岡 弘、(本多忠勝)
鈴木 京香 (寧)
近藤 正臣 (本多正信)
内野 聖陽 (徳川家康)
草刈 正雄 (真田昌幸)
──────────
制作統括:屋敷 陽太郎
    :吉川 邦夫
プロデューサー:清水 拓哉
演出:小林 大児


◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『真田丸』
第17回「再会」

デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜

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