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2016年6月 3日 (金)

プレイバック武田信玄・(42)二重の死

日本人が一番好む景色、それは夕景だという。
それぞれの場所で、水平線に沈む夕日を見て
人は様々な思いを抱く。

そもそも夕日は、
傾いた太陽の光が空気中の水蒸気や塵に反射し、
波長の長い赤い光だけが人の目に映るという自然現象である。

人は自分の人生を夕日に映し出す。
闇に入る前の最後の輝き、やがて訪れる深い静寂(しじま)。
夕日は生の終わりを予感させる光景なのである。

諸行無常の戦国の世、常に死と直面していた人々にとって
夕日はなおさら深い意味があったに違いない。
そして今、人生の黄昏時を迎えた三条の方。
どのような思いで、山々に沈む夕日を見ているのであろうか。


元亀元(1570)年の春から秋にかけて、
武田信玄は4度目の駿河攻めを行います。

北条氏康が病床に伏しているという情報を得た信玄は
氏康不在の北条勢にはさしたる力はない、と伊豆韮山を攻撃し、
箱根から北条氏政の軍勢を追い払うことにします。

戦うよりも和睦を結んだ方が得策、
ということで思いついた上杉輝虎との和睦の件は
将軍・足利義昭、さらには織田信長にも働きかけていますが
コチラはこれといって目に見えた成果はないようで。

躑躅ヶ崎の館内では、三条の方の病状が深刻になっていき
それに加えて八重による勝頼襲撃事件もありまして、
信玄は内に外にと忙殺される日々であります。


そんな中、三条の見舞いに
正親町三条公兄が下向することになりました。
正親町三条公兄は朝廷内でも位の高い人物でして
三条の方は病をおして挨拶に出てきます。

三条の方は、今日一日だけ
八重の縄目を解いてほしいと願い出まして、
信玄は三条の方の言う通りに命じますが、
その肝心の八重が消えていなくなりました。

ただでさえ暑い中、
三条の方は身を起こして挨拶しているものだから
途中から様子がおかしく、顔色が悪くなってきました。

誰の問いかけにも全く応じず、微動だにしません。
正親町三条公兄の前、という緊張がそうさせたのでしょう。
緊張が解けたか、フッと信玄に倒れ込む三条の方。
急いでこの場に床が用意されます。

呼び出された薬師の御宿監物は、
床を離れて正親町三条と対面させたら
大事な体力が奪われ、力尽きてしまうと猛烈に抗議。

無礼者! と信玄が起こるかと思いきや
静かに「許せ」と謝罪されてしまいます。
そう言われては、御宿も怒りの鉾を収めざるを得ません。


日が落ちて。

天井を見つめて何度か小さく悲鳴を上げた三条。
ゆっくりと目を閉じたかと思うと、
倒れてからずっと掴んでいた信玄の装束から
床に手が落ちます。

冷静だった信玄は、慌てて三条の手を掴み
三条の名を呼びますが、答えは返ってきません。
御宿は、ただ黙って首を横に振ります。

そこへ、物の怪のように八重が姿を表します。
後ろに控える侍女に、姫がどうしたか尋ねると
たった今、亡くなったと答えます。

うわぁ! と奇声を発した八重。
三条の方の前に駆けつけ、泣き狂います。

信玄は、これまでの八重の罪を全て許します。

八重は晴れて自由の身でありまして、
戻りたがっていた京に戻ることが出来るように
計らったつもりだったのですが、八重は懐剣を所望します。
三条の方の手が温かいうちに後を追いたいというのです。

信玄は里美に懐剣を渡すように命じますが、里美は拒否。
恵理ももちろん拒否します。
しかし、信玄の強い命令で、里美は仕方なく懐剣を八重に渡し
八重は懐剣で自らの胸を突き刺します。


並んだ、三条の方と八重の亡きがら。
一緒に極楽浄土に行けるよう、手をつないでいます。

「この館から京の都が消えました」
母と最後の対面をした竜宝は
京の都にのぼることをやめるように進言しますが、
信玄はその忠告に従うつもりはありません。

失明した竜宝は幼い頃から心眼を持っていまして
信玄は、自身の寿命はあとどれぐらいかを尋ねますが、
竜宝の眼には何も映っていません。

川の土手が決壊する直前も見通せたし、
刺客の襲撃を受けていた勝頼が助けを求めた際にも
危険を察知して信玄に伝えました。

母の声も、兄・義信の声も聞いた竜宝でしたが、
本気で助けを求めていない信玄のことは、
竜宝の眼には映らなかったようです。


元亀元(1570)年7月28日、
武田信玄の後室・三条の方が病気で亡くなる。享年50。

慶長20(1615)年5月7日、
大坂夏の陣にて真田信繁が討ち死にするまで


あと44年9ヶ月──。


脚本:田向 正健
原作:新田 次郎「武田信玄」
音楽:山本 直純
タイトル題字:渡辺 裕英
語り(大井夫人):若尾 文子
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[出演]
中井 貴一 (武田信玄)
紺野 美沙子 (三条の方)
大地 真央 (里美)
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池上 季実子 (恵理)
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浜村 純 (倉科三郎左衛門)

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小川 真由美 (八重)
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制作:村上 慧
演出:重光 亨彦

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