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2016年7月26日 (火)

プレイバック真田太平記・(07)危急存亡の時

尾張の小牧で対決した羽柴秀吉と徳川家康は
長久手の合戦に於いて家康が勝ちを収めます。

天正12(1584)年11月になって、秀吉と織田信雄が和睦。
両軍はついに決戦をすることなく合戦は終了します。
徳川家康の力は、天下に知らしめられたわけです。

天正13(1585)年3月、
真田昌幸が普請を急いでいた上田城がついに完成。
上田城では「真田庄三ツ頭獅子」の舞でどんちゃん騒ぎですが、
昨年夏に出奔した樋口角兵衛の行方は未だ分かっていません。

名胡桃城に預けられていたお徳が女の子を出産し
昌幸によって「お菊」と名付けられます。
男の子でなかったことで安心したか、正室の山手殿は
ピリピリムードから少しは性格が和らいでいるようです。


そんな平和な真田家ですが、ふたたびピンチに陥ります。
真田家と北条家との間で、上州沼田領の問題が
ふたたび頭をもたげて来たわけです。

3年前、家康は沼田領を北条に引き渡すことを条件に
北条と和睦しています。
さらに去年、小牧・長久手の合戦では、
沼田領引き渡しを条件に北条氏直は出陣しています。

それで今回、改めて家康から使者が送られ
沼田領を引き渡せと要求してきたのです。
昌幸は、使者を見据えます。
「沼田は……引き渡しませぬ」

岩櫃城から真田信幸と矢沢頼康を呼び寄せた昌幸は
家康と戦じゃ! と興奮気味です。
しかし、いま徳川と戦を構えれば
背後の上杉が攻め込んでくるのは必定であります。

昌幸は、徳川と合戦になるにあたって
そんな上杉を頼ろうと言い出したのです。
つまり、徳川との戦をただ黙って見ていろ、と。

上杉が攻めて来て、真田は今まで何度も何度も撃退し
上杉を痛い目に遭わせてきました。
上杉がその約束を守ってくれるとは思えませんが、
昌幸は、単身春日山城に乗り込んで談判してもいい覚悟です。

その時は、真田幸村も一緒に連れていくつもりです。
つまり幸村を人質にするわけです。
ともかく、徳川に知られてはならない極秘の移動です。


春日山城に入った昌幸と幸村は上杉景勝と対面します。
景勝は秀吉に取り入り、良好な関係を築いています。

昌幸の虫が良すぎる言い分に、景勝は激怒しますが
戦国の倣いゆえに仕方ない、と思い直し
昌幸の主張を認めることにします。

人質として幸村を春日山城に預ける、と昌幸は言いますが
徳川と北条と戦うのであれば、少しでも親子で戦って
見事に散ればいい、と人質は取らないことにします。
しかも、幸村には脇差しを下げ渡す振舞いまで。

今日のことは忘れまいぞ、と
昌幸と幸村は上杉の心遣いに感謝します。


いよいよ家康が駿府から真田に向かってくるようです。

信幸はいったん砥石城に入り、
敵がいざ上田城に迫らんとする時には
砥石から敵の側面を攻撃して蹴散らすつもりです。

……とそんな時、上杉から吉報が。

秀吉は景勝に対し、真田を助けよと命じてきたらしく
いつでも上田に押し出せる、と言って来ました。
それまでは真田家の面々は悲観的な表情が多かったのですが、
これを聞いてみな歓喜しています。


戦を前に、壺谷又五郎は
結婚して子どもが生まれたばかりの
向井佐平次の家に顔を出します。

又五郎と佐平次は酒を酌み交わすのですが、
佐助と名付けたその子を見ながら、
又五郎としては珍しく、顔がほころんでいます。

急に険しい顔になったかと思うと、
又五郎は佐平次に、幸村の盾となって戦えと命じます。
「ただ、死に急ぐではない」

はいッ、と力強く返事する佐平次に
再び笑みをこぼしている又五郎です。


翌朝、徳川家臣の大久保忠世10,000の大軍が
千曲川南方に本陣を構えます。
そして北条軍も、沼田領を賭けて出陣。

真田もいよいよ出陣、という時に
角兵衛が戻ってきました。
真田家の危急存亡の時と知り、
居ても立ってもいられなかったそうです。

「共に死ぬるか」
昌幸は角兵衛の肩に手を乗せます。

8月1日、徳川軍との戦いの火ぶたは
切られようとしていました。


天正13(1585)年7月15日、
沼田領を巡る徳川家康軍の侵攻に備えて
次男の信繁を人質に上杉景勝に従属する。

慶長20(1615)年5月7日、
大坂夏の陣にて真田信繁が討ち死にするまで


あと29年9ヶ月──。

(『真田丸』では「(12)人質」付近)


原作:池波 正太郎
脚本:金子 成人
音楽:林 光
タイトル題字:池波 正太郎
語り:和田 篤 アナウンサー
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[出演]
渡瀬 恒彦 (真田信幸)
草刈 正雄 (真田幸村)
遙 くらら (お江)
榎木 孝明 (樋口角兵衛)
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夏八木 勲 (壺谷又五郎)
坂口 良子 (お徳)
香野 百合子 (久野)
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伊藤 孝雄 (上杉景勝)
加藤 嘉 (矢沢頼綱)
花沢 徳衛 (横沢与七)
小山 明子 (山手殿)
丹波 哲郎 (真田昌幸)
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制作:榎本 一生
演出:大原 誠

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