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2016年7月17日 (日)

大河ドラマ真田丸・(28)受難 〜信繁縁談・涙の秀次真相・助左復活!〜

拾の誕生によって、関白秀次は居場所を失う。
追い詰められた秀次は、関白の座を放棄するという
前代未聞の行動に出た──。


「あの方は我らは邪魔なのだ」
そう考えた豊臣秀次は、関白職を放棄して
聚落第から大坂城に逃げて来ていました。

始めこそ、あり得ない場所に関白の姿を見たきりは
秀次の立場を心配していますが、
思ったことをズバリ言って秀次にうっとうしがられます。
でも、本当は秀次はちょっぴり嬉しいわけです。

一方、秀次がいなくなった聚落第では
豊臣秀俊が顔を真っ青にして膝から崩れ落ちますが、
真田信繁は、諦めずに探す道を模索します。
そして自身は、伏見の大谷吉継に事の次第を報告します。


信繁のいらぬ情けで官位をもらったと思っている真田信幸は
本気で「伊豆守」の官位を返上しようと考えています。

父・真田昌幸は、信幸が嫌がるのを分かっていながら
「伊豆守」「豆州(ずしゅう)」と呼び続けまして、
信幸は、かなり諦め顔で返事をしています。

伏見城の普請について、昌幸から
やはりお前がやれ、と信幸に仕事を押し付けられます。
あくまでも秀吉から昌幸に与えられた仕事だと信幸は断りますが、
表向きは昌幸が、そして実際は信幸が采配を振るう、となりました。

そこに信繁が。
信繁は、吉継がすでに帰宅したことを信幸から聞くと
一目散に大谷屋敷へ向かいます。

まずいことになったな、と吉継はひとまず聚落第へ。
信繁は、心当たりがあるからと大坂城へ向かいます。

心当たりがある、とはきりのことです。
秀次がきりのことが好きだと知っている信繁は、
きっと大坂城のきりに会いに行ったのだ、と思ったのでしょう。


噂が広まらないうちに、聚落第へ戻るように説得する信繁。

しかし隠れている部屋のすぐ横の庭では、
茶々と拾が追いかけっこをして遊んでいます。
「殿下!」「うわぁ〜!」「関白殿下!」

それを聞いた秀次は、
ますます聚落第には帰れなくなってしまいます。
仕方ないので、信繁は京の真田屋敷へ秀次を連れていきます。

そこで、薫の出自の話になるわけですが、その直前に
京にやってきた稲に自分の父は菊亭晴季、と自慢していただけに
妻の父(つまり舅)が菊亭晴季である秀次には
そのウソがすぐにバレてしまいます。


とりあえず、吉継の判断で
秀次ははやり病にかかった、ということにして
しばらく公式行事は延期ということになりました。

しかし、豊臣秀吉にバレるのも時間の問題でありまして、
信繁は、なるだけ早く秀次を説得しなければなりません。

そんな時、秀吉から信繁に呼び出しが──。


納屋助左衛門に会って来た、と秀吉は半ば興奮気味に語ります。
助左衛門とは、南蛮との空き内で大もうけした堺一の商人であります。

「そなたに嫁を取らせることにした」
相手は吉継の娘・春。
最近では先日、大谷屋敷に行った時にも会いました。

秀吉の思惑としては、一番信頼している家臣の吉継の
その娘を信繁がもらってくれれば
信繁はずっと秀吉のそばにいてくれるだろう、ということです。

悪い話ではないだろう、と石田三成は言うし
秀吉も、良い返事を待っておるぞ、とニコニコ顔です。


「関白の出奔など聞いたことがない!」
どこから聞いたのか、三成は秀次のことは知っていました。

三成は、一日でも早く秀吉に報告しないと
隠している時間が長ければ長いほど
秀吉の怒りは大きくなる、と信繁に冷たく言い放ちます。

信繁は、それでももうしばらく待ってほしいと懇願しますが
三成は信繁を見据えて突っぱねます。
「私の耳に入ったということは、太閤殿下の耳に入ったということじゃ!」


説教してやる! 連れて来い! と秀吉はたいそうご立腹。
しかし茶々も、拾を守っていってもらわなければ困るので
秀次には優しく諭すように言ってもらい、
なるだけことを大きくしたくはないようです。

人それぞれに分相応の器があり、秀次に関白という器は
不相応だったというだけの話、と北政所は言い
あの子が苦しむのは見たくない、と秀吉に伝えます。

秀吉としては、秀勝も秀保も死んでしまったいま
残っているのは秀次だけなので、その思いを
率直に秀次に伝えるつもりです。

ところが、信繁が秀吉に呼び出されてしまったことで
進退窮まれり、と秀次は高野山に向かってしまいます。

秀吉は、せっかく内々で済ませようと思っていたのに
勝手に高野山に向かっていってしまった秀次に呆れています。
高野山への道中、秀次の姿を見かけた民衆がウワサし始めているようで
とりあえず、秀次は謀反の疑いで高野山に謹慎ということにします。

そしてほとぼりが冷めた頃、呼び戻すのです。


秀次には信幸が同行してくれました。

いろいろな人に振り回される人生はまっぴらだ、と考える秀次に
信幸もいろいろな人に振り回されて来た、と告白します。
道中、腹を割っていろいろな話をしたふたり。

高野山に到着した信繁には、官位のことで
いろいろと骨を折ってくれたらしい弟に礼を言います。
信繁も、兄のことを考えず差し出がましい真似をしたと詫びますが、
仲違いのふたり、うまく仲直りできたようです。


「大坂へは行かぬ。もう豊臣の家に私の居場所はない」
そう言う秀次を何とか説得し、大坂からの使者と対面するように諭す信繁。
秀次は、仕方ない、といった表情で寂しそうに頷きます。

大坂からの使者は、市松、つまり福島正則がやって来ました。
そのお相手は信繁です。

そこに信幸が血相を変えて飛び込んできました。
信幸が目を離した一瞬のスキに、
秀次は割腹して自害してしまったのです。

「孫七郎! 孫七郎!」
亡きがらを前に、膝から崩れ落ちる正則です。


秀吉は、甥っ子ということで今まで
どれだけ目をかけてやったと思っているのかと激昂します。
「わしは精一杯のことをしたな? 悪いのはあいつじゃ!」

謀反が発覚して切腹を命じたことにする!
首は三条河原にさらせ!
妻と子どもをことごとく殺せ!

三成は立ち止まり、絶句します。
「なんだその顔は?
 お前にできないのならわしが直々にやるまでだ」

三条河原に晒された秀次の首の前で
子ども、妻・側室・侍女に至るまで30人以上が処刑されます。
それだけ、秀吉の怒りは凄まじかったのです。


秀次の面影を消し去るべく、取り壊しになるであろう聚落第に
秀次の娘・たかが潜んでいました。
秀次の実の娘であれば、秀吉も許しはするまいと三成は諦め顔ですが、
信繁は、吉継の娘・春との婚儀を受け入れることを条件に
たかを側室にしたいと言い出したわけです。

「ならぬ!」
「どうか! お許しください!」

信繁の、秀吉を見るまっすぐな瞳に心を打たれた秀吉は
たかとの間に男子が産まれたら、
すぐに仏門に入れるように命じます。

ただ、このままでは秀吉の気持ちが
いつ心変わりするか分かりません。
ゆえに信繁は、ある人物に頼むことにします。

呂宋助左衛門こと、納屋助左。
堺の商いを台湾やフィリピンにまで広げて
巨万の富を築いた貿易商であります。

ちなみに演者は松本幸四郎さん。
襲名前の市川染五郎さん時代に、
呂宋助左衛門役で主演した大河ドラマ『黄金の日日』がありまして
それをご覧になると、ストーリーとしてしっくりくるかもしれません。

『黄金の日日』視聴録はコチラ

事情を知ると、助左衛門は二つ返事でたかを受け入れます。
ルソンに向かう船に、たかを乗せて海外に脱出させるのです。

『黄金の日日』でも同じようなセリフがあったかと記憶しておりますが、

ルソンの港に行けば道ばたに転がっているタダ同然の代物の壺を
太閤殿下には銀一万貫で買ってもらい、
他の大名たちにも高値で売りつけて、己の商い船を買ったという
スゴイ人物なわけです。

と同時に、最近の太閤秀吉の行動は目に余るものがあり
そういった権力に対して挑戦する気持ちは今も変わりはありません。
「これが手前の戦。弱き者たちの守り神でござる」

翌朝、堺の港を1隻の貿易船がルソン目指して出港。
その船に乗り込んだたかでしたが、その素性は
船長(ふなおさ)と助左衛門しか知らなかったそうです。


太閤・秀吉に、死の影が──。


文禄4(1595)年7月15日、
関白・豊臣秀次が高野山で切腹。享年28。

慶長20(1615)年5月7日、
大坂夏の陣にて真田信繁が討ち死にするまで


あと19年9ヶ月──。


作:三谷 幸喜
音楽:服部 隆之
題字:挾土 秀平
語り:有働 由美子 アナウンサー
──────────
[出演]
堺 雅人 (真田信繁)
大泉 洋 (真田信幸)
長澤 まさみ (きり)
山本 耕史 (石田三成)
松岡 茉優 (春)
吉田 羊 (稲)
藤井 隆 (佐助)
片岡 愛之助 (大谷吉継)
──────────
寺島 進 (出浦昌相)
小林 隆 (片桐且元)
近藤 芳正 (平野長泰)
星野 源 (徳川秀忠)
新納 慎也 (豊臣秀次)
竹内 結子 (茶々)
──────────
松本 幸四郎 (助左衛門)
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小日向 文世 (豊臣秀吉)
高畑 淳子 (薫)
鈴木 京香 (寧)
近藤 正臣 (本多正信)
内野 聖陽 (徳川家康)
草刈 正雄 (真田昌幸)
──────────
制作統括:屋敷 陽太郎
    :吉川 邦夫
プロデューサー:清水 拓哉
演出:土井 祥平


◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『真田丸』
第29回「異変」

デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜

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