プレイバック真田太平記・(23)故郷敵地
江戸城から沼田に帰っていた真田信幸に
ついに徳川家康から命令書が届きます。
江戸城から徳川秀忠が中山道を西に進むので
それに付いて西へ進軍するように、とあります。
中山道を通るということは、ご本家・真田昌幸や
真田幸村のいる上田城の近くを通らなければなりません。
昌幸は、秀忠軍を通してくれるのか?
敵ともなれば、親子で戦わなければなりません。
父子対決が現実味を帯びてきました。
上田城に、樋口角兵衛が現れます。
角兵衛は昌幸の許しを得て信幸の家臣になったはずですが
分家の家臣であることに不満を抱き始め
すぐに出奔してしまったのです。
当然、分家の家臣である角兵衛は
上田城にとってみれば敵でありますので
昌幸は角兵衛の入城を認めない方針です。
ただ、久野からの度重なる懇願を受け
ついに根負けしてしまいます。
昌幸おじさんは、女性の願い事には弱いのですねw
沼田城に、ひとりの武士がやって来ました。
かつて真田家と関わりがあった滝川一益の孫であり
出奔した鈴木右近とも知り合いの、滝川三九郎です。
三九郎は、親子対決となる戦を近くで見たいと
信幸のところにやってきたそうです。
親子対決になることに少しピリピリしていた信幸ですが、
その天真爛漫な瞳を見て、いっぺんに気に入ってしまい
真田分家にて逗留するか? と逆に誘っています。
8月24日、信幸は800の兵を率いて沼田を出発します。
同日、秀忠も38,000の兵を率いて
宇都宮を発ち信州へ向かいます。
そして岐阜城を落とした東軍は
大垣を通過して美濃赤坂へ向かいます。
西軍も、東軍が進軍して来た美濃赤坂へ向かい
夜討ちをかけるべきという主張が多い中、
石田三成は、おろおろしながらも夜討ちは認めません。
9月1日、徳川家康はついに江戸城を出発し西へ。
笠神の忍び小屋に、壺谷又五郎の呼びかけにより
真田の草の者が集められます。
「我らの狙いは家康の首のみ」
十数名を3班に分け、
うち2班は別々に家康の首を狙うこととし、残り1班は
居残って上田とのつながりを続けるようにと命じます。
しかしお江は又五郎に、自分ひとりで
家康を狙うことの許しをもらいます。
甲賀・山中屋敷では
猫田与助が家康の先陣で働かせてほしいと
山中大和守俊房に願い出ます。
真田の草の者たちは、きっと家康を狙って来るでしょう。
お江の命を狙う与助は、家康の陣にいた方が
遭遇する確率が高くなる、と踏んだのでしょう。
与助が辞したあと、杉坂重五郎には
大坂城で増田長盛が西軍を寝返ると流言を流させます。
大坂城西の丸に入っている毛利輝元は、その流言のせいで
恐らくは城から出られなくなるでしょう。
フッフッと笑う俊房です。
上州松井田に到着した秀忠軍。
信幸と本多忠政を呼び出した秀忠は
中山道を封じる昌幸に
上田城明け渡しを命じることにし
その使者として二人を指名します。
信幸は、そんなことに応じる
昌幸ではないと分かっていながらも、
秀忠の命令通りに動くことにします。
上田城近くの国分寺にて
昌幸と信幸・忠政の会見が開かれます。
ごねてごねて、あげくは反発して
戦に突入することも覚悟していた忠政ですが、
昌幸は実にあっさりと、城明け渡しを承服します。
ただし、城が汚れているために
3日の猶予を欲しいと言って来たわけです。
3日であれば、と忠政は認めますが、
信幸の表情は曇ったままです。
昌幸ですが、
上田城を明け渡すつもりはさらさらありません。
単純に、秀忠軍を戦に遅らせるために取った
時間稼ぎにしか他なりません。
三成が留まっている岐阜城から
東に1里ほど進んだ村にお江はおりました。
行きずりで倒れていたところを、
心優しい農民夫婦に助けられたわけです。
(倒れていたのは夫婦に信じさせるための演技?)
3日が経過し、上田城明け渡しの期限が迫っていました。
しかし昌幸は現れません。
昌幸の使者が現れ、耳を疑うことを言い出します。
「上田は籠城と決しました。攻めるなら攻められよ」
それを聞いた秀忠は激怒し、
上田城を踏みつぶす! と兵を出すことにします。
信幸は、真田庄周辺の地図を見ながら
昔の楽しかった思い出に浸っていますが、
いまその場所は、敵地であります。
複雑な表情を浮かべる信幸です。
慶長5(1600)年9月4日、
徳川秀忠に対して真田昌幸はこれまでの態度を変え
挑発的な態度をとったため戦闘状態に入る。
慶長20(1615)年5月7日、
大坂夏の陣にて真田信繁が討ち死にするまで
あと14年8ヶ月──。
(『真田丸』では「(36)勝負」付近)
原作:池波 正太郎
脚本:金子 成人
音楽:林 光
タイトル題字:池波 正太郎
語り:和田 篤 アナウンサー
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[出演]
渡瀬 恒彦 (真田信幸)
草刈 正雄 (真田幸村)
遙 くらら (お江)
榎木 孝明 (樋口角兵衛)
中村 橋之助 (向井佐助)
范 文雀 (おくに)
岡田 有希子 (於菊)
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夏八木 勲 (壺谷又五郎)
香野 百合子 (久野)
三浦 浩一 (滝川三九郎)
石橋 蓮司 (猫田与助)
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紺野 美沙子 (小松殿)
佐藤 慶 (山中大和守俊房)
清水 綋治 (石田三成)
小山 明子 (山手殿)
丹波 哲郎 (真田昌幸)
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制作:榎本 一生
演出:門脇 正美
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