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2016年11月 1日 (火)

プレイバック真田太平記・(35)大坂入城

慶長19(1614)年10月1日、
大坂討伐を決意した徳川家康は
諸大名に出陣名令を出します。
徳川家と豊臣家は、ついに決裂したわけです。

数日後の紀州九度山の真田幸村配所では
忍んで九度山を下り、彦根へ向かうべく、
於利世と娘のお梅・あぐり、そして彼女らを世話し
守って行く粂たちの一行との別れがありました。


真田信吉・真田信政兄弟が、
真田信之に代わって出陣するに際し
向井佐平次はそれに付き従うことになるようです。

幸村が大坂へ入城することになったら
佐平次はかつての主と戦うことになります。
さらには、息子・向井佐助は幸村に従っていますので
それは同時に、父子の戦いになる危険を孕んでいます。

役目を仰せつかる幸せはあるものの、
ため息ばかりの佐平次です。

「俺とお主は、いつの日か一緒に死ぬるような気がしてきたぞ」
かつて幸村に言われた一言を思い出していた佐平次は
心の中で、ある決意がむくむくと沸き上がっています。

それを敏感に感じ取っている、妻・もよは
こんな日がいつかくるかもしれないと、
予め用意していた旅支度を佐平次の前に差し出します。

「もよ……息災でな」
深夜、雨が降る日に旅立つ夫を見送り、家に戻ると
娘・はるが泣きじゃくって立っていました。
もよははるを抱きしめ、一緒に涙を流します。


翌朝、佐平次の姿が消えたことを知った信之は
もよを呼び出します。

どうして佐平次がいなくなったのか、
そして佐平次の行先を問いつめる信之に
知らぬ存ぜぬを貫き通すもよですが、

恐らくは出奔して大坂へ駆けつけたものと思うと言うと
信之は厳しい表情のままもよを下がらせ、
大した女子だ、と大笑いしています。
「上田から出奔することはあるまいに、よほど気が急いたと見ゆる」

そこで小松殿は、佐平次を子どもたちの供につけた
信之の真意を知るわけですが、
口に出すと誰が聞いているか分からないし
いろいろと問題があるので、慌てて口止めする信之です。


樋口角兵衛と酒を酌み交わしている幸村ですが、
今夜は角兵衛にペースを早く酒を勧めているようで
角兵衛は酒に酔って深い眠りに入ります。

起きない様子を確認した幸村は
真田大助と佐助と共に出立の準備を始めます。

出立した幸村たちと入れ違いに、
豊臣と手切れになったことで見張りを厳重にせよとの
徳川からの命令で、一度は警戒から離れた
浅野家の見張りが幸村配所に戻って行き、
鉢合わせになった角兵衛と斬り合いになります。


幸村入城の恐れあり、と
猫田与助と迫 小四郎は京・室町の数珠屋という
山中忍び宿を空けて九度山に向かいますが、
道中、与助が病気で倒れてしまいます。

与助の世話を農婦に頼み、
薬を取りに京の隠れ宿まで戻った小四郎ですが、
隠れ宿には頭領の伴 長信がいました。

命令がないのに勝手に動き、
隠れ宿を空けたことを詫びる小四郎ですが、
今すぐにでも与助の元に戻ろうとする小四郎を
長信は引き止めます。

その与助ですが、よろめきながら九度山を目指します。
途中の道ですれ違う人をやり過ごそうと身を潜めていると
すれ違ったのが幸村とお江一行だったため、
刀を抜いて追いかけようとしますが、

握った木の枝が折れ、沼に転落。
そのまま浮き上がってくることなく、死んでしまいます。


幸村父子が大坂城に入りました。

かつて人質として豊臣秀吉に仕え大坂城にいた
幸村にとっては、15年ぶりの入城であります。

大喜びで自ら迎えに立った大野修理とは反対に
幸村父子が登城の挨拶をした豊臣秀頼は
チラッと一瞥しただけで「ああ、大儀」としか言われず
ちょっとだけ目論見はずれなところもあります。

「秀頼さまはお変わりになられた。大坂は……」
とにかく真田の力を世に示すことに全力を注ぎます。


10月11日、真田軍出陣の日。

信吉・信政兄弟を送り出した信之は
京に詰める鈴木右近からの密書で
幸村が大坂に入城したことを知ります。


(『真田丸』では「(41)入城」〜「(42)味方」付近)


原作:池波 正太郎
脚本:金子 成人
音楽:林 光
タイトル題字:池波 正太郎
語り:和田 篤 アナウンサー
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[出演]
渡瀬 恒彦 (真田信之)
草刈 正雄 (真田幸村)
遙 くらら (お江)
榎木 孝明 (樋口角兵衛)
中村 橋之助 (向井佐助)
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細川 俊之 (大野修理)
福田 豊土 (慈海)
待田 京介 (伴 長信)
浜村 純 (来島喜左衛門)
石橋 蓮司 (猫田与助)
──────────
紺野 美沙子 (小松殿)
中村 久美 (於利世)
円谷 浩 (豊臣秀頼)
中村 梅之助 (徳川家康)
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制作:榎本 一生
演出:小林 信一

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