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2016年11月27日 (日)

大河ドラマ真田丸・(47)反撃

徹底抗戦か、和睦(わぼく)か。
大坂城に籠(こ)もる豊臣勢は、決断を迫られる。
信繁の後押しで、茶々は戦う道を選んだ。
そんな時、天守に一発の砲弾が撃ち込まれた──。


天守に向けて砲弾が撃ち込まれたのを見て
「当たらないように避けて撃ち込む」という
徳川家康の言葉を信じて茶々の居場所を教えた片桐且元は
話が違う! と喚き散らしますが、たちまち兵士に抑え込まれます。

関ヶ原の戦いで石田三成や大谷吉継を亡くして以降、
一人で豊臣政権を背負ってきた且元は、
豊臣家を結果的に裏切ってしまったことを後悔し続け
半年後、急死してしまいます。


ともかく、茶々の気持ちが「和睦」に傾き始めました。

真田信繁は、大筒の弾が尽きているから
今は和睦のときではない、と主張しますが、
茶々は誰にも会いたくないと言うし、
大蔵卿局は、一切聞く耳を持ってくれません。

浪人衆たちの間には、和睦らしいと話を聞いて
召し抱えてもらえる約束は!? と狼狽えるものが続出しますが
毛利勝永と後藤又兵衛が、オレたちにまかせろとなだめます。


和睦をするにあたって、豊臣方の浪人衆の処遇こそが
キーポイントだと考えた信繁。
大坂城から浪人衆を解放したのを見計らって
家康は再び大坂城を攻撃すると考えたのです。

豊臣秀頼、織田有楽斎、大蔵卿局、大野治長との評定でも
そう説く信繁ですが、しかし大蔵卿は、戦に勝ったのだから
これ以上浪人衆をのさばらせたら大坂城は内から崩れると
信繁の考えに反対です。

有楽斎は、ここは人質を出すことが肝要と言い出します。
つまり茶々が江戸に向かうか、秀頼が大坂城を出るか。
大坂城を出て四国の国を一つもらえば、
西国の要として残ることもできるわけです。

……?
これらはどこかで聞いたことがありますね。
そういえば、かつて方広寺梵鐘事件で且元が家康と対面した後
大坂に持ち帰って披露した条件と似ている……??

ともかく秀頼は、母(茶々)を江戸にひとり遣ることはできないし、
父(豊臣秀吉)が造った大坂城を出るのは忍びないが
大坂にこだわっているわけではない、と言い出します。
自分が大坂を出ることで、再び太平の世が訪れるのであれば
喜んで大坂城を出る、というのです。


信繁は、茶々から盛んに呼び出しを受けます。
砲弾を受けたあの日以来、茶々は無気力な状態に陥っていまして
信繁が茶々のカウンセラーとして話を聞いて労っているのですが、
茶々と信繁の関係についてあらぬ疑いを持つ者も少なからず。

信繁は否定も肯定もせず、
言いたいものには言わせておけば、という立場です。


真田信之は、江戸の小野お通屋敷を訪ねて
お通に膝枕をしてもらっています。

いろいろと心配ごとや愚痴をつぶやく信之に
「あなた様のお心が休まるのやったら」と
お通は一晩中でも膝枕をしてやってもいいと微笑みます。

信之には、この膝枕こそ安穏の地でありまして、
目を瞑って気持ちよさそうにしていますが、
目の前で起きる戦場には、目を丸くしています。
つまり、稲とおこうが突然現れたのです。

突然の来訪に慌てふためく信之……。

さらに、お通からは信之と心を通じ合わせていた
フリをしていただけで、実際は客の一人だったと衝撃発言。
まぁ、稲の前だからこその言い訳かと思いきや
これが意外にも本当だったりするので、
信之はショックを隠し切れません。

客としてお相手していたということは
それなりにお代も発生しているのですが、
それは今まで家臣たちが代わりに払って来ているので
信之はそれを知るはずもありません。

膝枕だけで200文というのは少々高くはないか?
と信之は文句を言い出し始めますが、
お通は笑って相手にしません。
「いややわ、私を誰とお思いですか?」

お勘定書きをバッと奪い取った稲は
帰りますよ、と信之を睨みつけます。


茶臼山の家康本陣に、大坂城から和睦案が届けられます。

牢人衆たちを養うために領地を増やして欲しい、と書いてあります。
秀頼が大坂城を出ることが条件となりますが、
四国に2ヶ国ほしい、と。

激昂した秀忠は、和睦などせずに総攻めを! と主張しますが、
家康は何も戦を中止するとは一言も言っていません。
和睦と見せかけて敵を丸裸にする。
その上で総攻めを仕掛ける、そういう考えです。


関東はさすがにイヤだ……と秀頼はつぶやきます。

ここはそれがしが、と和睦交渉の使者に志願する有楽斎ですが、
信繁は、有楽斎に不穏な動きがあることを察知しているので
豊臣方の名代として使者に立ってもらっては困るわけです。

ま、そこは“お前は怪しい”などと口走っては
怒りを買うのは目に見えているので、
相手方には本多佐渡守正信という古狸がいるので、とボカして
女性を送り込むことにします。

女性を送り込めば、徳川方も女性で対応するより他ないわけで
大蔵卿が「参りましょう」と鼻息荒く言うのですが、
信繁は、茶々の妹・常高院を送り込むように言って聞きません。

ただ、そのような交渉ごとにさすがに不安を感じたか
常高院が大蔵卿に一緒に行って欲しいと頭を下げたようです。
「おまかせ、あれ!」

ただ、徳川方の阿茶局のことをきりに聞いてみますと
正信が古狸とするならば、阿茶局は女狐という感じで
けっこう難敵かもしれません。

信繁は、常高院のお付きとしてきりを従わせ
もし交渉に暗雲が立ちこめてきたならば
場を引っ掻き回せ! と命じます。
「おまかせ、あれ!」


12月18日、和睦交渉の会談が
徳川方である初の義理の息子・京極忠高の陣で始まります。

まずは“お方さま”……茶々の処遇ですが、
人質とすることはない、そうです。

右大臣秀頼の領地はこれまでと同じ大坂で、
危害が及ぶことがないようにすると阿茶局は約束します。
大坂城を明け渡せとも言いません。
今後、大坂から出ることがあれば希望の国を申されよ、とは
なかなか破格の条件です。

そして大阪城に立てこもって
徳川に楯突いた牢人衆の処遇ですが、
これらを処罰することもない、と。

あとは……おいおいw

きりは、常高院の顔を見ますが、
横顔から、何か言葉を言いたげとも
とても不安がっているようとも見えます。

あっ! あ〜、ああ〜! うわ〜!

のたうち回るきり。
「足がつりました〜っ!」

申し訳ありません、なんて苦しそうに言いながら
コクリと頷いて常高院に合図を送ります。

常高院は思い切って口を開き
阿茶局に牢人衆の処遇を尋ねます。

浪人衆を養っていくために領地を増やして欲しいと
言っておいたはずですが、処罰はしないと言っただけで
浪人衆の処遇が決まっていないので、
それでは豊臣のために戦った浪人衆が困ってしまいます。

阿茶局は、浪人衆たちがのさばっている
元凶となっている(と勝手に決め付けている)
真田丸を取り壊し、ついでにお堀も埋めてしまおうと
大蔵卿局に勧めます。

そもそも大蔵卿局は
牢人たちに対していい風には見ていなかったので、
大坂城から出て行ってくれれば何でもいいわけです。
反対するわけがありません。

ああ〜! あ〜、またつった!

申し訳ありません、なんて苦しそうに言いながら
コクリと頷いて常高院に合図を送ります。

常高院は思い切って口を開き
その件については持ち帰って相談した上で……と言いますが、
ここはさすが女狐、男たちに持ち帰ったらまた血が流れます、と言って
この場で女たちだけで決めてしまいましょう、と笑います。

ついに和睦は成立し、20日、徳川方は戦闘態勢を解きます。

大坂城に戻る常高院、大蔵卿局、そしてきり。
常高院は疲れが出て休んでいるそうで、
代わりに大蔵卿局に話を聞いてみます。

浪人衆の処遇以外は豊臣の望み通りなので
まあ、まずは手を打ってもいいかもしれませんが、
信繁は、和睦の条件がこちらに有利になり過ぎていると気になります。

きりに、その条件に目を通してもらい
他に何かなかったかを問いつめますが、
堀の話は? とつぶやきます。
「全部埋め立てるって。あと、真田丸も」

高梨内記の知らせで真田丸に向かってみると、
押しかけてきた徳川兵によって
真田丸が破壊され始めていました。


堀の埋め立てと真田丸の破壊は大蔵卿局が許したと知り、
これで家康の本意が見えました。

今まではひたすらに気持ちを抑えていた信繁も、
あまりの愚かさに声を荒げます。
「何という愚かな! 出城も堀も失っては戦えませぬ!
 戦えぬ我らに家康が約定を守るとお思いか!!」


大坂城は本丸を残して
完全に無力化されようとしていました。

信繁は浪人衆を集め、堀の埋め立てと真田丸の破却、
二の丸・三の丸の取り壊しも取り決めてあったらしいと
報告します。

これでは戦えぬ……と誰もが深いため息をつきます。
今までは、どんな苦難な場合でも
いろんなアイデアで徳川の攻撃をかわしていった信繁でしたが、
今度ばかりは策はありません。

勝ち目がない以上、城からの立ち去りを強く勧めます。
「城を枕に討ち死にしようなどと愚かなことは考えぬように」
ちょっと荒れている又兵衛を見て、信繁は立ち上がります。


春と内記たちに、今すぐ大坂城を発って
上田へ戻るように説得していると、
又兵衛たち浪人衆が集まってきました。
「早く策を立ててくれよ。俺たちゃウズウズしてるんだ!」

「私は何のために九度山へ行ったのです?」(by 明石全登)
「わしらはお主に従う!」(by 長宗我部盛親)
「考えろ。どうすれば勝てるか、考えるンだ!」(by 毛利勝永)

「あなたは勝つためにここへ来られたのではないのですか?」(by 木村重成)
「殿! 徳川にひと泡ふかせてやりましょう!」(by 堀田作兵衛)
「お願い申す!」(by 塙 団右衛門・大野治房)

ひとりひとりの言葉が、信繁の心に深く突き刺さります。

とどめは、秀頼からの直の言葉でしょうか。
「望みを棄てぬものだけに道は開ける、とそなたは言った。
 私は……まだ棄ててはいない」

再び、信繁が立ち上がります。


慶長19(1614)年12月18日、
和睦交渉が京極忠高の陣で、阿茶局と常高院との間で行われ、
翌19日には講和条件を合意、翌々日20日に和平が成立する。

慶長20(1615)年5月7日、
大坂夏の陣にて真田信繁が討ち死にするまで


あと4ヶ月──。


作:三谷 幸喜
音楽:服部 隆之
題字:挾土 秀平
語り:有働 由美子 アナウンサー
──────────
[出演]
堺 雅人 (真田信繁(幸村))
大泉 洋 (真田信之)
長澤 まさみ (きり)
松岡 茉優 (春)
吉田 羊 (稲)
中原 丈雄 (高梨内記)
藤本 隆宏 (堀田作兵衛)
──────────
斉藤 由貴 (阿茶局)
中川 大志 (豊臣秀頼)
井上 順 (織田有楽斎)
小林 隆 (片桐且元)
今井 朋彦 (大野治長)
阿南 健治 (長宗我部盛親)
星野 源 (徳川秀忠)
岡本 健一 (毛利勝永)
──────────
竹内 結子 (茶々)
哀川 翔 (後藤又兵衛)
近藤 正臣 (本多正信)
内野 聖陽 (徳川家康)
──────────
制作統括:屋敷 陽太郎
    :吉川 邦夫
プロデューサー:吉岡 和彦
演出:小林 大児


◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『真田丸』
第48回「引鉄(ひきがね)」

デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜

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