大河ドラマおんな城主直虎・(04)女子(おなご)にこそあれ次郎法師
「一女とわの出家をもって本領安堵とす」
本領安堵とあっては、とわが成長して
折りをみてそろそろ還俗を、というわけにもいかず。
井伊直盛は頭を抱えます。
おとわ自身も、とりあえずの避難として出家と言ったものの
実際に出家してしまっては亀之丞と結婚できないことを知って
途端に手を翻して出家したくないなどと言い出します。
これまた直盛が頭を抱えることになったわけです。
黙って聞いていた千賀が、おとわを
“己の身を呈して井伊を救ったあなたを誇りに思う”
“三国一の姫”などと持ち上げ、おとわをその気にさせます。
こうして、おとわの得度式が行われ
南渓和尚から「次郎法師」の名が与えられます。
次郎とは、井伊家の家督を継ぐ者に付けられる名前で
惣領娘であった証として、考えてつけられた名前なのです。
「父上、母上、とわは立派な次郎法師になります!」
元気はつらつと答える次郎法師でしたが──、
通い慣れた龍潭寺に入ろうとすると、
今までとわを“井伊家の姫君”として丁重に扱ってきた
寺の僧たちは、急に態度を硬化させます。
次郎法師は、僧たちにとっては弟弟子でしかないのです。
南渓への挨拶を済ませ、一通り寺内部の案内を済ませると
さっそく作務が始まります。
次郎法師も見よう見まねで畑を耕そうとして転び、
食べるものもほんのわずかで、
初日にして音を上げて井伊屋敷に戻ってきてしまいます。
侍女のたけは、哀れな次郎法師に粥を食べさせますが
千賀は、甘やかすたけに次郎法師を追い返すように命じます。
次郎法師につらく当たる千賀ですが、
愛娘を出家させられた母としては、一番悔しい思いをしているのです。
娘の出家で本領安堵とは情けない、
不甲斐ないにも程があります! と
直盛や新野左馬助を睨みつけます。
「そう怒れば、とわを戻していただけるのでしょうか」
亡き井伊直満の領土を、小野政直が引き継ぐことになりました。
今川の思惑としては、謀反を企んだ件は忘れてはいないぞということで
その見張り役として政直を据えたいということがあるのかもしれませんが、
井伊の者たちは、どうせ今川に懇願して得たのだろう、と冷ややかです。
直満の家来たちに暇を出すように告げ、政直は出て行きます。
彼と入れ替わりに、ご隠居・井伊直平が現れます。
直満が送った北条宛ての書状を持っていて殺された山伏の子らしく
直満の墓に手を合わせに来たようです。
直平は、仇が政直であると彼に教えれば
井伊は直接手を下さなくとも政直はじき殺される、と笑います。
「この後もずっと小野にいいようにされるつもりか」
夜道、男が政直を付け狙い、斬り掛かります。
しかし寸でのところで傑山たちが槍で応戦し、
たちまち捕らえられてしまいます。
そこに現れた直盛は男に、政直は何もしていないことを主張。
政直が恨みを買う言われは無い、と突き放します。
男が連れ去られて、政直と二人になった直盛は
そっくりそのままもらう予定である直満の遺領の
半分を諦めるようにと告げます。
「あの男がわしの心であったということが分からぬか!」
もしそれでも、今川の下知だからと聞かないならば、と
直盛は刀を抜いて政直に向けます。
次郎法師は修行を続け、鶴丸はひとり才を磨いていきます。
しかし亀之丞からの便りは無いまま、
その生死すら分からぬまま9年の歳月が過ぎ、
天文23(1554)年──。
作:森下 佳子
音楽:菅野 よう子
題字:Maaya Wakasugi
語り:中村 梅雀
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[出演]
柴咲 コウ (次郎法師)
新井 美羽 (おとわ)
杉本 哲太 (井伊直盛)
財前 直見 (千賀)
吹越 満 (小野和泉守政直)
苅谷 俊介 (新野左馬助)
でんでん (奥山朝利)
筧 利夫 (中野直由)
市原 隼人 (傑山)
──────────
前田 吟 (井伊直平)
小林 薫 (南渓和尚)
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制作統括:岡本 幸江
プロデューサー:松川 博敬
演出:福井 充広
◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆
NHK大河ドラマ『おんな城主直虎』
第5回「亀之丞帰る」
デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜
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