大河ドラマおんな城主直虎・(07)検地がやってきた
托鉢に回る次郎法師。
とぼとぼと歩きながら、井伊館からは
亀之丞あらため井伊直親の奏でる笛の音が聞こえてきました。
亀之丞と婚約をしたとき、死んだ井伊直満が
息子の嫁となるおとわ(次郎法師)に
「夫が笛なら妻は鼓」と、鼓をプレゼントしてくれたのが
まるで昨日のことのようです。
駿河の今川館を訪れている新野左馬助は
井伊直親の帰参と家督相続の許しを得ようとしますが、
裏切り者を許せというのか、井伊の姫と添わせるのか、と
今川義元はたいそうご立腹です。
しかし、新野に同行している小野政次から
遠縁に当たる新野の娘を妻に、という話を聞いて
少々態度を軟化させ、井伊谷に検地を求めます。
案の定、井伊直平は、我が川名の里には
検地は入れさせぬ! と怒って出て行ってしまいますが、
直平が検地を拒否するのは、川名には隠し里があり
その存在を今川に知られたくないためです。
馬も入らぬ竹やぶの中をくぐり、足元悪い道を山奥に進んでいくと
実り豊かな大地が目の前に広がっています。
直親は、初めて見る光景に感動しています。
この里は、もし井伊家に、井伊の所領に何かが起こったとき
一族や民衆が逃げ込める、文字通り“最後の砦”。
今は今川が強いので井伊も安泰ですが、
その平和もいつまで続くか分からないわけです。
自分の帰参と交換条件に、
検地がやってくることに責任を感じている直親は
川名の隠し里を隠し通すため、
この一件は自分に任せて欲しい、と直盛に言います。
一方、その他の、公表されている(?)土地については
政次の指揮のもと、検地の準備が進んでいますが、
中野直由などは、住む人数を半分程度に減らして申請していて、
まぁ全てを正直に明らかにせよ、とまでは言わないが
もしその不正が明らかになれば、今川からの命令で
小野が検地をやり直し、小野の力がますます増すばかりですぞ、と
政次は嫌われていることを逆手に皮肉たっぷりに中野に注意します。
そんな政次に、直親は
川名の里の差出帳と、川名の隠し里の差出帳を渡します。
政次が隠し事に加担したくないなら、隠し里分をつけて提出を、
一肌脱いでくれるなら、隠し里分を破ってなかったことにしてくれ、と。
「俺は鶴の決めたほうに従う」そういって館に戻る直親ですが、
自分の了見を見越した上で最後は俺に決めよ、と言い放ったと
政次は、そんな直親のことが無性に腹が立って仕方ありません。
翌朝、直親の元に上がった政次は
最終的に今川に提出する検地台帳を直親に改めてもらいます。
隠し里の分は「破り捨てました」と言う政次でしたが、
実は破り捨てずに懐に隠し持ったままです。
直親の妻・しのは、直親が
たびたび次郎法師と会っていることに嫉妬します。
直親は何とも思っていないんですけどね(^ ^;;)
今川から検地奉行の岩松が派遣されて来て
直盛は検地台帳を提出します。
そして領内絵図を元に、田畑の実測です。
提出した差出帳より少し大きいことが分かると
直親は慌てて、実測通りにと頭を下げます。
その様子を見守りながら、政次は直親につぶやきます。
「やりにくい相手じゃな」
朝、政次が「俺が思うように上手くいくように」と
祈願しに来ていたので、政次が何か考えているのではないかと
今回は直親の味方をしてやって欲しい、と頭を下げます。
次郎法師は、直親の立場でしか物を考えず
政次の立場では考えてくれない人のように思えてなりません。
しかし政次は直親のせいで、二度もチャンスを失っているのです。
一度は直親のせいでおとわが出家したこと、
もう一度は、直親が帰って来たせいで良縁を失ったこと。
「では還俗して俺と一緒になるか?」
次郎法師が答えに窮していると
何の覚悟も無いなら寺で経でも読んでおれ、と
ポーンと突き放し、立ち上がって部屋から出て行きます。
次郎法師は、もう一度政次と話をさせて欲しいと
小野屋敷に留まったまま、翌朝を迎えます。
馬のいななきに驚いた次郎法師は井伊館に走りますが
岩松ら奉行衆と直親、政次たちは川名に発ったばかりです。
そこに、南渓和尚が書状を次郎法師に渡します。
直親に頼まれて、奉行たちの好物、弱点など
今川館にいる瀬名姫に尋ねていた返書だったのです。
「来た!! ……直親を助けに参ります!」
そんな次郎法師の後ろ姿を見ながら
しのは涙があふれてきます。
次郎法師が馬に乗って隠し里にたどり着いた時には
岩松が隠し里の存在をアッサリと見破り
直親に詰問しているときでした。
そのピンチは、直親が隠し里は井伊の領地ではないと言い張り
政次が、かつて南朝の皇子が隠れて住んでいた里なので
井伊の領地でありながら、井伊の領地ではないという扱いだと言い訳し
岩松が納得したことでクリアになったのですが、
瀬名姫が、岩松にいつも算術を教えてもらっている
ぼんやりの竹千代から聞いた情報によると、
算術以外には亡くなった奥方のことがあるようで、
月命日だった今日、岩松は井伊谷に出張に来ているので
その供養ができないだろう、とささやかながら
経をあげさせてもらおう、と次郎法師は思ったようです。
岩松は、井伊の心遣いに感服します。
祝田村に、直親としのが移ることになりました。
直親と強い絆を持つ次郎法師がお館の近くにいては
しのが何かと可哀相で酷です。
直親としのが、次郎法師とは違う別の絆──子を作れば
いいのではないか、という直盛と千賀の心遣いです。
そして今川館では、松平の領地を取り込むべく
竹千代あらため松平元康と瀬名姫との縁組みが組まれました。
この元康が、今川の、そして井伊の命運を握る男になります。
作:森下 佳子
音楽:菅野 よう子
題字:Maaya Wakasugi
語り:中村 梅雀
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[出演]
柴咲 コウ (次郎法師)
三浦 春馬 (井伊直親)
高橋 一生 (小野但馬守政次)
杉本 哲太 (井伊直盛)
財前 直見 (千賀)
貫地谷 しほり (しの)
苅谷 俊介 (新野左馬助)
でんでん (奥山朝利)
筧 利夫 (中野直由)
菜々緒 (瀬名)
山口 紗弥加 (なつ)
井上 芳雄 (小野玄蕃)
木村 祐一 (岩松)
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春風亭 昇太 (今川義元)
阿部 サダヲ (竹千代(松平元康))
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浅丘 ルリ子 (寿桂尼)
前田 吟 (井伊直平)
小林 薫 (南渓和尚)
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制作統括:岡本 幸江
プロデューサー:松川 博敬
演出:福井 充広
◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆
NHK大河ドラマ『おんな城主直虎』
第8回「赤ちゃんはまだか」
デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜
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