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2017年2月 7日 (火)

プレイバック秀吉・(09)猿のかく乱

「織田信長殿に申し上げる。足利義昭様を奉じ上洛せよ」
「御意──」

室町幕府を起こした足利将軍家の権威は
応仁の乱を経て失墜していた。
義昭は前の将軍職にあった兄・義輝が暗殺され混乱する中で、
自分こそが次の将軍であると諸大名にアピールした。

それに対し信長は、いち早く応じた。
義昭を立てれば、将軍の権威をまだ信じる諸大名を牽制し
上洛への格好の名目になることを見抜いたのである。

「傀儡の将軍、足利義栄を追放せよ」
「御意──」

天下布武を目指す信長と、
将軍の座に就こうとする義昭の利害がここに一致した。
信長は室町幕府再建という口実を得て
いよいよ天下布武に向かって動き出したのである──。


このオレが2,500貫で、
なんで明智様が4,000貫なのじゃーッ!!

木下藤吉郎秀吉は、ふんどし一丁になって
地団駄踏んで悔しがります。

織田信長の草履取りから始めて10年でようやく
2,500貫を得るようになった秀吉です。
信長と足利義昭とを引き合わせ、4,000貫で
ヘッドハンティングを受けた明智光秀とは大きな差です。

そんな話を聞いた小一郎も、母・なかも
同情して秀吉の味方ですが、
おねは、秀吉が今日あるのは信長が
サル、サルと可愛がっているおかげだと諭します。

おねは、秀吉の頭を撫でながら
重役たちは、光秀への不満を言いつつも
信長に仕事をもらいに
岐阜城に押しかけているらしいという話をします。

明智に負けてなるものか、と──。


さっそく岐阜城に駆けつけた秀吉は
お市が浅井長政に嫁ぐにあたっての
祝言の警護役を命じられます。
柴田勝家は介添え役です。

永禄11(1568)年・初秋。
お市は北近江の浅井長政の居城・小谷城に向けて出発。
京を狙う信長にとって、都周辺の安定は最重要課題で
最愛の妹を嫁がせ、長政と同盟したわけです。


9月、信長は義昭を奉じて上洛。
義昭は征夷大将軍に任じられます。

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                          
京・教王護国寺──。

信長の上洛に後見した光秀は更に大きな手柄を立てます。
松永久秀を信長に降伏させ、降伏の証として
名器九十九髪を信長に献上すると言わしめたのです。

久秀が20年にわたり所有し
国1つ分の価値があるという九十九髪。
信長はとても驚き、そしてとても喜びます。

信長はその場に居並ぶ光秀と佐久間信盛、
村井貞勝、秀吉に京都奉行を命じます。


将軍義昭は、自分を奉じて上洛してくれた信長に
褒美をやることができないほど無力な将軍であります。
ゆえに義昭は、信長の子になることにした、と宣言。

呼び寄せた舞を見るよりも、子の将軍が
親の舞を所望じゃと信長に舞を要求しますが、
見事に「敦盛」を舞う信長に
義昭はさも面白くなさそうにそっぽを向きます。


義昭が懇意にしている寺社から
税を取り立てようとしている秀吉と衝突します。
信長は、「余の命に逆らうのか」と睨む義昭をスルーし
堺から矢銭20,000貫(軍用金30億円)を取れと光秀に命じます。

義昭は、それにも噛みついて反対を唱えますが
黙れ! と信長に言われて黙り込みます。
「父・織田弾正忠に子がもの申すな!」

秀吉の脳裏に、おねの叱咤激励が聞こえます。
「お仕事がんばれ!」「光秀殿に負けるな!」
次の瞬間、秀吉は信長に手をついて頭を下げています。
「堺の矢銭20,000貫、この秀吉が取って参ります!」

信長がなぜ堺から矢銭を取ろうとしているのか、
光秀はピーンと来てはおりませんが、秀吉には分かります。
人民が安寧に過ごすことができる世にするため、
つまりは天下布武のためであります。

それを見事に答え切った秀吉に、
信長は堺を任せることにします。

「サル、おねより便りでも来たか」
「参りましてございまする。負けるな、と」
秀吉ははにかみます。


脚本:竹山 洋
堺屋 太一「秀吉」「鬼と人と」「豊臣秀長」より
音楽:小六 禮次郎
題字:森繁 久彌
語り:宮本 隆治 アナウンサー
──────────
[出演]
竹中 直人 (秀吉)
沢口 靖子 (おね)
高嶋 政伸 (小一郎)

市原 悦子 (なか)

村上 弘明 (明智光秀)
有森 也実 (ひろ子)
頼近 美津子 (お市)
高松 英郎 (林 佐渡守)
織本 順吉 (佐久間信盛)
中尾 彬 (柴田勝家)

宅麻 伸 (浅井長政)
上條 恒彦 (斎藤利三)
──────────
玉置 浩二 (足利義昭)
浜畑 賢吉 (細川藤孝)
渡辺 徹 (前田犬千代)
野際 陽子 (美)
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古谷 一行 (竹中半兵衛)

渡 哲也 (織田信長)
──────────
制作統括:西村 与志木
演出:柴田 岳志

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