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2017年2月24日 (金)

プレイバック秀吉・(14)小谷落城

「チャウシェスク大統領処刑 (ルーマニア 1989年12月)」
「毛沢東主席死去 (中国 1976年9月)」
「キム・イルソン主席死去 (北朝鮮 1994年7月)」

トップの死。
現代においても、トップの死は
国の内外に大きな衝撃と混乱を伴うことが多い。

特に、長い間トップの座にあったり
絶対的カリスマ性をもっていた場合、
死亡後の混乱が大きく、後継者の決定、
ひいては政局の安定までに時間がかかる。

領主の個人的能力よって
栄えるも滅びるも紙一重という戦国時代。
現代と違って、お館さまの死は
国の存亡に重大な影響を及ぼす。

甲斐から西に攻め上ってきた武田信玄は
その途上、自分の死に望んで
影武者を立て、3年間は死亡を秘密にせよと指示した。
しかし、敵の知るところになっても
同盟国の北条氏がだまされつづけるという皮肉な結果となる。

「武田信玄は死んだぜ……」
重大情報をいかに早く手に入れるかが
勝敗の分かれ目になる──。


元亀4(1573)年・初夏

小谷城──。
羽柴秀吉は、小谷城の浅井長政を攻めあぐねていました。
お市の方の命を何としても救いたかったわけです。


そのころ、明智光秀は
織田信長に反旗を翻して挙兵した足利義昭を討伐し
久々に近江坂本に戻ってきました。

「お前の太刀は錆び付いて抜けぬのですか」
光秀の母・美は、義昭を討伐したものの
二条城に戻しただけで何も断を下さない息子に
かなりイラついているようです。

しかし光秀には、光秀の考えがあってそうしたまでで
母にとやかく言われることではありません。

しばらくは黙って母の苦言を聞いていたものの
ついには母の発言を遮って、ちとうるさい! と
反抗の態度をとってしまいます。
「男の働きには男の考えがございますゆえ」


秀吉のいる横山城に、
おねとなか、さと、長助がやって来ました。

しかし横山城には、おかつという
浅井家の家来の未亡人がいて、
おねは、彼女の存在にいち早く気づきます。

おねは、秀吉はどうせ浮気をするのだから
側室に子どもを生ませればいいと言いますが、
秀吉の心だけは誰にも渡さない、と
秀吉をまっすぐに見つめます。


7月、光秀の根回しもむなしく、
義昭は、今度は毛利と手を組んで
信長に反旗を翻します。

ただ、信長の敵ではありません。
すぐに捕まり、信長の前に引き出されます。
信長は、光秀の心が義昭に傾いていることを不愉快に感じ
秀吉に、義昭を毛利へ送るように命じます。

信長の義昭追放によって、足利尊氏以来
15代、240年続いた室町幕府はついに滅亡します。


天正元(1573)年8月。
後顧の憂いがなくなった織田勢は
浅井・朝倉攻めに全力を注ぎます。

朝倉義景以下家臣たちが全員切腹することになり
信長は、小谷城攻めを秀吉に一任することにします。
初めは、市も子らも全員切腹させよ、と命令する信長ですが
秀吉の説得で、市たちについては任せる、と軟化させます。

ただ、お市救出が長政助命の条件であってはならないとし、
嫡男・万福丸も寺には入れず、殺せという命令です。


小谷城に入った秀吉は、お市の3人の姫、そして万福丸を
秀吉が預かることに最後まで抵抗しますが、
長政の夢、希望を継ぐ者として助けたいとの秀吉の言葉に
最後には首を縦に振るしかありませんでした。

お市らが城外に出た後、長政は自害します。

長女の茶々は、後に淀殿と呼ばれて秀吉の側室となり、
次女のお初は、後に京極高次に嫁し
三女の小督は、後に江戸幕府二代将軍・徳川秀忠に嫁ぎ
三代将軍・徳川家光を産みます。

しかし長男の万福丸には、悲劇が待ち受けていました。


脚本:竹山 洋
堺屋 太一「秀吉」「鬼と人と」「豊臣秀長」より
音楽:小六 禮次郎
題字:森繁 久彌
語り:宮本 隆治 アナウンサー
──────────
[出演]
竹中 直人 (秀吉)
沢口 靖子 (おね)
高嶋 政伸 (小一郎)

市原 悦子 (なか)

村上 弘明 (明智光秀)
有森 也実 (ひろ子)
頼近 美津子 (お市)
細川 直美 (さと)
織本 順吉 (佐久間信盛)
篠田 三郎 (丹羽長秀)

宅麻 伸 (浅井長政)
大仁田 厚 (蜂須賀小六)
上條 恒彦 (斎藤利三)
中尾 彬 (柴田勝家)
──────────
玉置 浩二 (足利義昭)
浜畑 賢吉 (細川藤孝)
川上 麻衣子 (おかつ)
野際 陽子 (美)
──────────
仲代 達矢 (千 宗易)

古谷 一行 (竹中半兵衛)

渡 哲也 (織田信長)
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制作統括:西村 与志木
演出:佐藤 幹夫

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