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2017年3月11日 (土)

プレイバック秀吉・(18)切腹命令

岐阜、関ヶ原に続く東海道を抑えた信長の安土城。
比叡山より京を臨む光秀の坂本城。
そして北国街道に目を配る秀吉の長浜城──。

琵琶湖を中心に築かれたこの3つの城は
軍事・経済上の重要な拠点であった。
さらに僅かな時間で往復できる
水路を利用して緊密に結ばれていた。

光秀・秀吉・信長の琵琶湖を挟んだ3つのポイントは
天下に鳴り響く「黄金のトライアングル」となる。

無敵のトライアングル。
秀吉・光秀、ふたつの強い力で要所を抑えさせた信長は
さらに次々と試練を与え二人の競争心を煽った。

ふたりにとってそれは辛いものだった。
しかし天下統一の夢に向かって
乗り越えなければならない試練だったのである──。


天正5(1577)年・夏。

越後の雄・上杉謙信に能登と加賀に侵攻する動きがあり
越前の柴田勝家は織田信長に援軍を求めてきました。

謙信を軍神と畏れる信長は、羽柴秀吉をはじめ
丹羽長秀や佐久間信盛、滝川一益など
主力の武将を越前に送ったのです。

事件はこの勝家の陣で起こりました。

軍神・上杉謙信と越前で戦っても勝ち目などあるはずもなく
しかし勝家は信長に援軍を求めてきました。
そんなことは何度も戦に出てきた勝家なら分かろうものなのに
そんなことが分かっていない、と秀吉は異を唱えたのです。

もし謙信と戦って織田軍が負けでもすれば?
上杉軍はそのまま上洛し、天下に号令をかけるでしょう。
そうなると、信長が目指してきたことは一気に無になります。

カーッと血が上った勝家は、
秀吉に斬り掛かって前田利家らに止められますが、
陣から帰れと怒鳴ります。
引くに引けない秀吉は、帰る、と陣を退去します。


当然ながら秀吉は、軍規に厳しい信長の逆鱗に触れます。
沙汰があるまで長浜城で待て、との信長の命ですが、
そこに飛び込んできたのは、
石松丸秀勝の容体が悪化したという知らせです。

秀吉は、薬師の曲直瀬道三を連れて長浜城に帰りますが
帰った時にはすでに息を引き取った後でした。
秀吉は石松丸を抱き上げ、声を上げて嘆き悲しみます。

土下座して詫びるおねですが、
秀吉は、勝手に勝家の陣を離れて出仕停止となっているので
じき、信長から切腹の命令が届くでしょう。

信長に、覚悟の上だな、と問われて
「本望です」と意地で答えたものの、
本当は、死にたくないと身体を震わせます。

「あなたまで死なせるものですか」
おねは秀吉を見据えて答えます。


織田軍は加賀の手取川の合戦で
謙信率いる越前勢に大敗──。


長浜城を、信長の使者として利家が訪問し
秀吉に切腹せよとの命令が伝えられます。
「まことか……是非もない」

もはや無表情の秀吉に、なかや
偶然遊びに来た石川五右衛門は
しっかりせないかんがや!
笑い飛ばせ! と激励します。


秀吉や秀長、とも、さと、おかつ、五右衛門、
おたきたちは飲めや歌えやの大騒ぎです。

秀吉に切腹を伝えに来た利家も、
踊り狂う秀吉にあきれ果て
一緒に酒を呑んで歌う有り様で。


松永久秀が突如として兵を引き、
本願寺勢は毛利勢とともに明智軍に襲撃中とのことです。
軍勢を集めようにも、ほぼ越前に狩り出されていまして
近辺にいるのは秀吉軍しかいないわけです。

信長は長浜城を訪れ、
亡くしたばかりの石松丸の代わりに
四男・於次丸を秀吉に与え、
松永久秀討伐を命じ大和信貴山に向かわせます。


脚本:竹山 洋
堺屋 太一「秀吉」「鬼と人と」「豊臣秀長」より
音楽:小六 禮次郎
題字:森繁 久彌
語り:宮本 隆治 アナウンサー
──────────
[出演]
竹中 直人 (秀吉)
沢口 靖子 (おね)
高嶋 政伸 (小一郎)
細川 直美 (さと)
深浦 加奈子 (とも)

市原 悦子 (なか)

赤井 英和 (石川五右衛門)
斉藤 慶子 (吉乃)
涼風 真世 (おたき)
川上 麻衣子 (おかつ)
松岡 昌宏 (森 蘭丸)
篠田 三郎 (丹羽長秀)

大仁田 厚 (蜂須賀小六)
段田 安則 (滝川一益)
織本 順吉 (佐久間信盛)
高松 英郎 (林 佐渡守)
──────────
渡辺 徹 (前田利家)
中尾 彬 (柴田勝家)
──────────
仲代 達矢 (千 宗易)

財津 一郎 (竹阿弥)

渡 哲也 (織田信長)
──────────
制作統括:西村 与志木
演出:柴田 岳志

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