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2017年4月 2日 (日)

大河ドラマおんな城主直虎・(13)城主はつらいよ

時は戦国──。

謀反を疑われた井伊家当主・井伊直親は
今川の刺客に襲われて命を落とします。
その子・虎松の後見として今川が送り込んできたのは
小野但馬守政次でした。

今まさに井伊家の危機。
そんな時、次郎法師は最大のカードを切ります。
「我が、井伊直虎である」

中野直由の子・直之は、女に何が出来る! と叫び
次郎法師の出家は井伊家の本領安堵と引き換えでもあるし
いっそ還俗するのなら南渓和尚の方が、という考えに大賛成。
南渓和尚は、頭をポリポリかきながら、その気はないそぶりです。

ただ、直虎を後見としなければ、今川の言う通り
政次が虎松の後見となってしまうわけで、
それはそれで、なんとなく反対なわけです。
直虎は、無言のままギロッと直之を睨みつけます。

しかし、次郎法師は還俗するわけではなく、
領主としての名を「直虎」として虎松が元服するまでの間、
それを後見するだけの話なのです。

直虎には直虎の、国造りの考えがあるようで
政次は、であれば自分には申し上げる筋合いはない、と言います。
「家老として誠心誠意、直虎様にお仕え致しまする」


直虎は、南渓和尚が差し出した
『今川仮名目録』と向き合い、目を通していました。

これは、かつて今川氏親が、領主を代替わりする際に
気をつけておいた方がよいことなどを記したもので、
年貢や商いの取り決め、訴訟の仕組みなどをまとめた法令集です。

直虎は、これを熟読して
少しずつ習得しようと努力しますが、
時はそう簡単には待ってくれず
政次からの課題が次々と突きつけられます。


井伊家で女領主になった、という話は
井伊家の中のみならず、外にまでたいそう評判となり。
挨拶に来た瀬戸村の甚兵衛の申し出に応じて
瀬戸村を訪問することにします。

村に入ると、田んぼは耕されておらず草が伸び放題。
甚兵衛に聞けば、桶狭間から度重なる戦で人が狩り出され
男手が足らなくなってきて耕しきれなくなったわけです。

それでも年貢は納めなければならず
銭や米を銭主から借りることになりまして、
そうなると百姓は、銭主と年貢の二重の支払いを課されることになり
土地を手放し一家を上げて逃げ出す者も後を絶たないのです。

甚兵衛の願いというのは、
銭主=瀬戸方久への支払いを一旦白紙に戻させる
徳政令を出して欲しい、というものです。
直虎は、申し出を受けて安請け合いしてしまいます。


屋敷に戻った直虎ですが、
「このままでは井伊はつぶれてしまいまするッ」と
新野六左衛門が青い顔をして飛び込んできます。

戦の支度金、それから
戦で死んだ者への堪忍料や化粧料なども
商人から次々と借り入れていたようです。
借りていたのは、瀬戸方久。

その方久が井伊谷の屋敷を訪問してきました。
実は方久とは、会うのは2度目です。

あれは直虎がおとわと名乗っていた頃、
今川からの追っ手から逃れるために井伊谷を出て行った
亀之丞(井伊直親)を追いかけていたおとわが
小休止のつもりで入ったあばら屋に住んでいた男が方久なのです。

方久は、おとわを無事に井伊谷に戻したことで褒美の銭をもらいますが、
それを元手に魚を買い、干物にして売り、茶屋を立て、
戦情報を元に戦場で食べ物や薬などの商いをし、
戦が終われば刀剣や鎧などを拾って次の合戦に持ち込み……。
そうして、立派な蔵が立つほどに成長したのです。

そんな方久に直虎は、瀬戸村の借金棒引きを申し出るのですが、
井伊家の借金を耳を揃えて返してくれれば、と言う方久。
まぁ、実質的には遠回しに断っているわけですけど、
「借金を棒引きすれば、井伊家がつぶれるのでございます」

目をまん丸くする直虎です。


翌朝から、借金棒引きの依頼が増えるわけですが、
井伊家が背負っている借金を洗いざらい計算してみて
結局、徳政令は出せない、という結論に至ります。

「これでもまだ、ご領主になられますか」
ゆっくり近づいて来る政次を、直虎は睨みつけます。
直虎が領主の座から下りれば、政次が後見役になってしまう。
直虎は、それだけはイヤなのです。


三河の松平家康は、領内の一向一揆に
足をすくわれて勢力を伸ばせず。
一方、遠江の反対勢力を静めた今川氏は、
勢いを盛り返しつつあり。


このまま百姓たちを捨て置けぬ、と
直虎は方久屋敷を訪れ、方久に再び頭を下げます。
借金棒引きとは言わぬから、返済期限を延期せよ、と。

方久は、休耕地となっている土地で
商売を始めてみたらいいのでは? と提案します。
米を多く作る工夫をし、頃合いを見て売りさばくのもよし
米以外の高く売れる作物を作るのもいいし。

直虎は、いいことをひらめきます。
瀬戸村、祝田村の領地を方久のものとし、
方久を井伊家の家臣団に加える──。

百姓に借金をさせ、返せねば土地を取り上げる。
こんな乗っ取りまがいのことをする家には仕えられぬ!
そう言って、直之は出て行きます。

瀬戸村は新野の娘たちの所領だし、祝田村も妹・しのの所領です。
六左衛門は、しのの気持ちを慮って、
直親との思い出の土地だと珍しく反抗するのですが、
「思い出の土地というのは言い過ぎ」という直虎を見限って出ていきます。

方久は、銭を持っていれば人が寄って来るから
銭は力だ、と言ってのけます。

瀬戸村を銭が湧き出る場所にしてしまえば
みんな手のひらを返したように
「直虎様のおかげじゃ」と言い出すようになります。
頭の固い者たちの鼻を明かしてやりましょう、と直虎を激励します。


瀬戸村と祝田村の百姓たちが、
徳政令を出せと今川に願い出たようです。

「……何が起こっておる」
直虎は、事態が全く飲み込めていません


作:森下 佳子
音楽:菅野 よう子
題字:Maaya Wakasugi
語り:中村 梅雀
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[出演]
柴咲 コウ (井伊直虎)
高橋 一生 (小野但馬守政次)
財前 直見 (祐椿尼)
貫地谷 しほり (しの)
ムロ ツヨシ (瀬戸方久)
山口 紗弥加 (なつ)
矢島 健一 (関口氏経)
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尾上 松也 (今川氏真)
阿部 サダヲ (松平家康)
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浅丘 ルリ子 (寿桂尼)
山本 學 (甚兵衛)
小林 薫 (南渓和尚)
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制作統括:岡本 幸江
プロデューサー:松川 博敬
演出:渡辺 一貴


◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『おんな城主直虎』
第14回「徳政令の行方」

デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜

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