« おなかいっぱい | トップページ | バス停について本気出して考えてみた(191) »

2017年5月23日 (火)

プレイバック秀吉・(39)かあちゃん、人質

「朝廷は、新しい姓を御下賜くだされる。
 今日よりは、豊臣……豊臣秀吉である」
しかし、その後も秀吉の前に強敵が立ちはだかっていた。

平成8(1996)年1月、長野市で見つかった文書。
小牧・長久手の戦の後、徳川を支援するよう
命じられた軍勢の内訳が記されている。

家康に援軍を送り、秀吉の天下統一を阻もうとした人物、
それは関東独立を目指す北条氏直であった。
また北条は、東北の伊達政宗と同盟を結んでいた。

秀吉580万石、兵15万に対し、
徳川・北条・伊達合わせて350万石、兵11万。
この同盟が秀吉の前に立ちはだかっていた。

同盟を解体し、中心人物の家康を豊臣軍に引き込むことが
(秀吉・徳川軍700万石・18万 北条・伊達230万石・8万)
秀吉の天下統一の鍵であった──。


天正14(1586)年・冬。
豊臣秀吉は、徳川家康を見方に引き入れるため
大事な妹・さとを家康の正妻として送り込む決心をします。

石川五右衛門がいる紅霞に仲蔵が押しかけ
さとと再会することが出来ましたが、
仲蔵は、豊臣家のためと自ら身を退くことにします。

秀吉は、仲蔵とさとのために祝言を挙げてやります。

「秀吉よ、あたしが徳川に行くで」
さとと仲蔵が哀れだと、居ても立ってもいられないのです。

しかし、豊臣家のためだとさとを説得する仲蔵に
なかはさとを捨てよと迫ります。
さもなければ、さとは徳川に嫁した後、自害する、と。
仲蔵も、さとのためにはっきりと別れる決心をします。

「さと。捨ててくれたで」
秀吉は、許してくれ、とさとに頭を下げます。


初夏、さとは旭姫と改名し
遠江浜松城の家康に嫁ぐことになりました。

しかし、家康も形ばかりの祝言ということで
旭姫に対面することなく、城内でのんびり過ごせとのお達し。

旭姫は、長年苦楽を共にした愛する夫と別れて
涙かれるまで泣き果て、それから嫁いできたわけなので
家康に上洛を要求しますが、代理で対面した本多正信は
そのこととは別、とその要求をするりとすり抜けます。


夜、家康が旭姫の寝所に来ます。

旭姫は、豊臣と縁戚になったからには
上洛して臣下の礼を取らねば、豊臣家の大軍をもって
ひとり残らず討ち滅ぼされましょう、と脅します。

「うるさい女子じゃ」
抱きついてきた旭姫を突き放し、戻ろうとする家康ですが
女ひとり抱けぬとは家康は臆病者、と旭姫は睨みます。

家康は10月になっても
秀吉の上洛命令を無視し続けます。


家族みんなが反対する中、旭姫を迎えに行くということで
あたしが徳川に行くで、となかは徳川に人質に行くことにします。

その話を旭姫から聞いた家康は、旭姫を怒鳴ります。
「来るなと申せ! 来たら命の保証はせぬぞ!!」


10月16日、三成の護衛のもと
なかは三河岡崎城に入ります。

そこには、家康の陰謀が仕掛けられています。
城の外周を、大量の薪を積んでいって
焼き殺すつもりでいるのです。

しかしなかは、家康という人物は
幼い頃から人質とされて苦労をして
苦労に苦労を重ねて大きくなった立派な人と認識し、

かつて金ヶ崎で秀吉が殿を努めたとき
引き返してきた家康が敵に鉄砲を撃って
秀吉と秀長を助けてくれた礼を言います。

なかが来たことを知った旭姫も駆けつけ、
親子の久々の対面です。

なかは、自分はいつまでもここに留まるので
旭姫は大好きな夫の待つ大坂へ
帰してあげて欲しい、と家康に頭を下げます。

その時、この屋敷の周りに
薪が高く積まれているのをおかつが見つけ、
三成も豊臣を焼き殺す魂胆かと立腹します。

それでもなかは呑気に
「寒いからたき火しとるんだで」と笑います。
家康は鼻で笑い、たき火を消すように命じます。

なかは、秀吉の次には家康の世になるとして
秀吉と手を取り合って天下を渡り歩いて欲しい、と言います。

「参った……お袋さま、お見事にござる」
家康の言葉に、涙があふれる旭姫です。


大坂城で待つ秀吉の元に、
家康が上洛するとの知らせが入ります。

「かあちゃん、すげえの! たった一人で家康を落とした!」
秀吉とおねは、涙を流して喜びます。


脚本:竹山 洋
堺屋 太一「秀吉」「鬼と人と」「豊臣秀長」より
音楽:小六 禮次郎
題字:森繁 久彌
語り:宮本 隆治 アナウンサー
──────────
[出演]
竹中 直人 (秀吉)
沢口 靖子 (おね)
高嶋 政伸 (秀長)
赤井 英和 (石川五右衛門)
涼風 真世 (おたき)

財津 一郎 (竹阿弥)

松 たか子 (茶々)
細川 直美 (さと)
岡本 健一 (仲蔵)
川上 麻衣子 (おかつ)
三国 一夫 (秀次)

西村 雅彦 (徳川家康)
──────────
市原 悦子 (なか)

宍戸 錠 (本多正信)

真田 広之 (石田三成)

仲代 達矢 (千 利休)
──────────
制作統括:西村 与志木
演出:佐藤 幹夫

|

« おなかいっぱい | トップページ | バス停について本気出して考えてみた(191) »

NHK大河1996・秀吉」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« おなかいっぱい | トップページ | バス停について本気出して考えてみた(191) »