プレイバック秀吉・(41)決別の朝顔
石田三成「世界の地図を、豊臣の旗にて埋め尽くす!」
徳川家康の上洛により、
豊臣の天下は磐石のものとなった。
だが、豊臣家の運命は、
内と外から大きく揺さぶられようとしていた。
お市の忘れ形見・茶々が引き起こす波紋、
そして三成ら若い武将の間から沸き起こった
海外への出兵論議である──。
天正16(1588)年・夏、
豊臣秀吉は、国内の百姓や町人から
刀・槍・鉄砲を取り上げる『刀狩り』の命令を発します。
素性を隠している石川五右衛門の家にも
取り上げる武士たちが乱入して、
家中のものを引っ掻き回して出て行きます。
おせんは、今回の刀狩りが
来たる朝鮮出兵の武器集めであることを聞き、
五右衛門は、すっかり人が変わってしまった秀吉に
一言言ってやろうと大坂城の秀吉に会いに出発します。
大坂城には、細川たまがやって来ていました。
たまは細川忠興と結婚し、洗礼を受けて
名を細川ガラシャと変えていました。
庭では千 利休が、たくさん咲いている朝顔の花を
次々と切り落としています。
黄金の茶室、北野天満宮での大茶会、聚落第行幸など
最近の利休には気に触ることが多く、とても機嫌が悪いのです。
立派に咲いた朝顔を見て風流を感じながら
話がしたかった秀吉がやって来たときには
朝顔の花は全て刈り取られた後でした。
刈り取ったうちの一輪の花だけを差しています。
おねは、これこそ利休の侘び茶だと絶賛しますが
たくさん咲いた花を愛でたかった秀吉は
とてもムッとします。
「……あれは利休の諫言かのう」
秀吉が豊臣秀長に聞いても、
単なる利休の侘びでしょう、と言うだけです。
そんなモヤモヤのまま、対面してしまったのが五右衛門です。
最初こそ大歓迎で、歓迎会まで開くほどだったのですが
酔った五右衛門が秀吉の政に文句をつけるに従って
秀吉の表情が笑顔からだんだんと険しくなっていきます。
「下郎! 関白に物など申すなよ! 分かったか下郎!!」
秀吉は、秀長や石田三成らに引き離されます。
そして五右衛門たちは、大坂城から追い出されました。
なかは、友の意見を素直に聞けないのは
偉くなって調子に乗っている証拠だと秀吉に苦言します。
茶々が秀吉の子を懐妊しました。
なかは、おねの気持ちを慮って
何も反応せずにその場から離れますが、
おねは秀吉と泣いて大喜びします。
秀吉は自分に初の子どもが出来たと感激の涙。
そしておねは、同じ気持ちと
自分には出来なかったという無念の涙でしょうか。
五右衛門とおたきは、再び大坂城に忍び込み
襖という襖に墨で落書きをしていきます。
そして秀吉が大切にしていた名茶器・千鳥の香炉を
水槽に投げつけて壊します。
「五右衛門! あたしらァと別れるつもりかい?」
なかの言葉に一瞬ウルッとする五右衛門たちですが、
そのまま行方をくらませます。
脚本:竹山 洋
堺屋 太一「秀吉」「鬼と人と」「豊臣秀長」より
音楽:小六 禮次郎
題字:森繁 久彌
語り:宮本 隆治 アナウンサー
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[出演]
竹中 直人 (秀吉)
沢口 靖子 (おね)
高嶋 政伸 (秀長)
赤井 英和 (石川五右衛門)
涼風 真世 (おたき)
財津 一郎 (竹阿弥)
松 たか子 (茶々)
田村 英里子 (たま)
川上 麻衣子 (おかつ)
高瀬 春奈 (お福)
八代 亜紀 (おせん)
香山 美子 (お京)
小西 博之 (小西行長)
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市原 悦子 (なか)
真田 広之 (石田三成)
仲代 達矢 (千 利休)
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制作統括:西村 与志木
演出:黛 りんたろう
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