大河ドラマおんな城主直虎・(23)盗賊は二度仏を盗む

「菩提寺の本尊が盗まれた──!?」
今川から派遣されている目付・近藤康用が
小野政次屋敷を訪れ、政次に報告します。

木を盗んだ賊が捕らえるどころか井伊直虎が
囲んでいるらしいという噂も政次に話すと
政次は知らぬフリをして、すぐに引き渡す手配を約束します。

朝、井伊屋敷に入った政次と近藤は
仏像が盗まれたことと、賊の引き渡しを直虎に求めますが
その者たちのことを信じている直虎は、それには応じようとしません。

近藤の言うことは理にかなっている、と
政次は賊の引き渡しを直虎に迫り
直虎は、引き渡そう、と言うより他ありませんでした。

政次と近藤が賊のいるところへ向かうと、
直虎は、中野直之に裏道を先回りさせて
近藤たちより先回りして賊たちを逃がせ、とひそかに命じます。

政次と近藤たちは小走りで、
そして裏道を回る直之は猛ダッシュで
龍雲丸たちのベースへ。

直之が到着した時には、すでに政次たちは来ていましたが、
実は政次たちが到着した時には、すでに賊たちはいませんでした。
ただ、鍋の温かさはまだ残っているので、
そう遠くへは行っていないはずです。

直虎を呼んだ南渓和尚は、
近藤の菩提寺に本尊を寄進することを提案します。
近藤の断りもなく盗人を勝手に裁いて囲ったのは事実でもあるし
うやむやにするためにも頭を下げるのも当主の役割だ、と言うのです。

直虎と南渓和尚は、ふたりで近藤家に赴きます。
新しく寄進する本尊を作るにあたり、
大きさを測っておきたいと厨子を拝見することに。

すると、なんと本尊が……いましたｗ

慌てふためく近藤と菩提寺和尚。
南渓和尚はハッハッハッと大笑いします。
「ご本尊自ら戻ってこられたのじゃな」

実はこれには裏の話があって。
姿を消した龍雲丸が南渓和尚のところに来ていて
南渓からことのあらましを聞いた龍雲丸と
考えついた話だ、というのです。

本尊を動かすことは畏れ多いことから
恐らくはそのまま動かさずにいることを見抜いた南渓は
自ら近藤家に赴くことで、本尊を動かし隠さざるを得なくなった。

その一部始終を龍雲丸が見ていて、
直虎が近藤に頭を下げている間に
龍雲丸が本尊を元通りに戻しておいた、という話なのです。

ただ、これだけ疑われては
彼らは井伊にはもう戻って来ないかもしれません。
そう気落ちする直虎ですが、実は龍雲丸がそばにいました。
「俺らは決してやってないって言ってくれたそうじゃねえですか」

ぽつりぽつりと戻ってきて、結局全員が揃いました。

賊たちが、気になることを言っていました。
「追っ手が参ります。早くお逃げ下さい」と
見知らぬ女人が駆け込んで来たのだそうです。

人相を詳しく聞いてみると、それは
政次の義妹・なつではないか、というのです。

で、なぜなつがそういう行動に出たのか。
それは、政次がなつを使って
賊を逃がしたのではないか、という推測なのです。

直虎は小野屋敷に出向き、政次の考えを聞きます。
賊を逃がし、井伊を守ってくれたのは政次であるからです。

あの者たちを井伊のために使うのはよろしゅうございます。
ですが、あの者たちのために井伊を使わぬよう。
政次は本音で直虎に答えます。
「私は殿をまことに廃することを考えねばならぬかもしれませぬ」

政次の許可をもらって、
井伊に仕えぬか？ と思い切って龍雲丸に聞いてみる直虎ですが、
侍嫌いの龍雲丸の表情には、明らかにとまどいが見え隠れ。

「あれは来ぬな、恐らく。うむ、来ぬわ」
直虎は、早くも失望しています。

ただ、直虎の話を聞いて、いろいろ考える龍雲丸。
部下のモグラも、龍雲丸の御家が再興できるかもしれないので
悪い話ではないのでは、と背中を押します。

全員の意見を聴いて、龍雲丸は井伊入りを決意します。

いよいよ、龍雲丸たちへ
木材を切った報酬を渡す日になりました。

「龍雲丸、前に話した当家への奉公の件じゃが……返事は」
「断りまさぁ！」

狐につままれた表情の直虎。
それだけでなく、政次も直之も奥野六左衛門も
龍雲丸の手下の者たちもみんなそうです。

なんじゃ……。
唖然とする直虎です。

---

作：森下 佳子
音楽：菅野 よう子
題字：Maaya Wakasugi
語り：中村 梅雀
──────────
[出演]
柴咲 コウ (井伊直虎)
高橋 一生 (小野但馬守政次)
柳楽 優弥 (龍雲丸)
財前 直見 (祐椿尼)
ムロ ツヨシ (瀬戸方久)
山口 紗弥加 (なつ)
──────────
小林　薫 (南渓和尚)
──────────
制作統括：岡本 幸江
プロデューサー：松川 博敬
演出：深川 貴志

◆◇◆◇　番組情報　◇◆◇◆

ＮＨＫ大河ドラマ『おんな城主直虎』
第24回「さよならだけが人生か？」

デジタル総合：午後８時〜
ＢＳプレミアム：午後６時〜