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2017年6月20日 (火)

プレイバック秀吉・(46)母の悲しみ

秀吉が行った「太閤検地」によって、
史上初めて大名の石高が確定した。

豊臣家最大の大名・徳川家康は256万石。
仮に1石10万円と換算すると、2560億円。
加賀100万石の基を築く前田利家は84万石、840億円。

秀吉の側近・石田三成は20万石、200億円。
その他、子飼いの大名も20万〜25万石であった。
(小西行長20万石、加藤清正25万石)

秀吉は、その石高に応じて大名に借りる
出兵兵士の数を割り当てていた。
大陸を目指す秀吉は、
そのために検地を急がせたのである。

いわば太閤検地は、生産力を把握すると同時に
大陸への出兵の足固め政策の一つだったのである──。


天正19(1991)年・初秋。

豊臣秀吉と淀の子・鶴松の病状がにわかに悪化し
驚いた秀吉は鶴松の回復を祈って
僧たちに祈祷を続けさせます。


一方で、豊臣家家臣たちが集まって会議をしています。
朝鮮出兵の是非についてです。

前田利家は、朝鮮の者たちには一切の罪がなく
海を渡って攻め込むというのは非道なことだ、と反対。

黒田官兵衛改め黒田如水も、恩賞欲しさに
新たな土地を目指して進むのは「若い」と笑いながらも
秀吉自身が海を渡るのは考えられない、と否定的です。

そこに、もとどりを切った徳川家康が入ってきて……。


祈祷を続ける秀吉に、おかつが頭を下げます。
「殿下……鶴松さまが、ご逝去あそばされました」


「ざまぁみろ。因果応報とはこのことだ」
鶴松との別れを惜しむ秀吉の耳に、
確かに聞こえてきました。

石川五右衛門です。

五右衛門は秀吉に斬り掛かりますが
三成以下、近習たちが駆け寄ってきます。
「鶴松を刺してえが、鶴松に罪はねえ! りゅうにも罪はねえ!」


ともと長助は、おねのところに豊臣秀次を連れていき
鶴松の後はこの秀次に、と関白職に推しています。

おねに頼まずに秀吉に直接頼め、すぐそこにおるんだからと
なかはつぶやきますが、先ほどおねと
秀吉はひとりで有馬温泉に出かけた、と話したばかりです。

なかは、ボケが始まっているようです。


有馬から戻った秀吉は、家臣たちを大坂城に集め
朝鮮に出兵し、明を平定し、異国の政を見聞して
太平の世を続かせたいと意欲を披露します。

毛利輝元、上杉景勝、宇喜多秀家、そして家康までも
秀吉による朝鮮出兵に異を唱えるものがおらず、
秀吉に「異論は?」と睨まれた利家は言葉が出ません。


自分がボケてきているというのは
なか自身も自覚があるようで、
秀長が死に、鶴松が死に、もう生きる望みはないと
城内の最も高い石垣に上ってみますが、

誰かに助けられ、城内に戻ってきました。
(誰かとは五右衛門)

なかは秀吉に遺言状をしたため、文箱の中に入れておくので
もしものことがあったら読めと秀吉に伝えます。
「母ちゃんよ、オレより先に死ぬな」
「そりゃ無理だわ。母ちゃんだもん」


秀次に関白職を譲った秀吉は、太閤と号します。

その一方で、
朝鮮出兵の準備は着々と進めます。
秀吉の号令で、朝鮮出兵の軍30万は
肥前名護屋に集結したのです。


脚本:竹山 洋
堺屋 太一「秀吉」「鬼と人と」「豊臣秀長」より
音楽:小六 禮次郎
題字:森繁 久彌
語り:宮本 隆治 アナウンサー
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[出演]
竹中 直人 (秀吉)
沢口 靖子 (おね)
赤井 英和 (石川五右衛門)
涼風 真世 (おたき)

財津 一郎 (竹阿弥)

松 たか子 (淀)
川上 麻衣子 (おかつ)
三国 一夫 (秀次)
八代 亜紀 (おせん)

西村 雅彦 (徳川家康)
伊武 雅刀 (黒田如水)
小西 博之 (小西行長)
渡辺 徹 (前田利家)
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市原 悦子 (なか)

真田 広之 (石田三成)
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制作統括:西村 与志木
演出:佐藤 幹夫

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