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2017年7月 2日 (日)

大河ドラマおんな城主直虎・(26)誰がために城はある

あろうことか今川を裏切った三河徳川の領地へ
結果的に井伊の材木を横流ししたということで、
龍雲党を使って今川方へ取り返した井伊直虎。

取り返した材木が井伊で伐採したものである証の
「井」の焼き印を確認した関口氏経は、
沈痛な面持ちの直虎と中野直之が待つ部屋に向かいます。

「あの材木はそのまま駿府に留め置くがよい、との仰せだ」
直虎の、今川への忠義の訴えは
聞いてもらえた、ということになります。


今川への忠節を認めてもらった直虎は
井伊に戻る前に寿桂尼に会いに行きます。

かつては寿桂尼からも無理難題を
押し付けられたことがある直虎ですが、
女ながらに領主の座を認めてくれたのは紛れもなく寿桂尼で
病に倒れた聞き、身を案じていたのです。

現在では病も快癒し、今まで通りの寿桂尼です。
直虎はほっと安心します。


井伊の材木は今川に留め置け、ということだったので
井伊の面々は、それはそれで
もう自分たちの手から離れたと思っていますが、
その材木は、気賀に戻されていました。

町衆筆頭・中村屋与太夫の屋敷に
気賀の商人が集められ、今川の武士たちも乗り込んできます。
浜名湖東岸の堀江城を拠点とする
今川の国衆・大沢基胤の家来たちです。

突然の来訪に戸惑う町衆たちですが、
今川氏真の命令で、気賀に城を築き
その大沢家が支配することになったわけです。

気賀の町衆たちは、今川に対して税金を納めているので
今まで武士なく町衆のみで成り立っていたのですが、

武田に対する塩留めをしたい今川にすれば、
無断での塩の流通の巣窟となっている気賀は
町衆たちには任せてはおけない、という氏真の判断なのです。

気賀に城を築くにあたっては、その普請の銭も
気賀の町衆たちで工面しろ、という要求に
中村屋は、はい、と返事するしかありません。


龍雲丸は中村屋から話を聞き、井伊谷に押しかけてきます。
「恩をアダで返すのが井伊のやり方か!?」

井伊の材木で気賀に城を築こうとしていることを
龍雲丸から聞き出すと、直虎はじめ井伊の面々は一様に驚きます。
聞いたこともない話なのです。

しかしそれも当然です。
もともと気賀に築城の話があって、そこに
井伊の材木が転がり込んで来ただけの話だからです。
井伊はこの件は与り知らぬことであります。

「何が世を変える、だ。てめえら己を守ることばっかりじゃねえかよ」
龍雲丸は直虎をキッと睨みつけ、怒り肩で出て行きます。


居ても立ってもいられない直虎は、
お前は一体どこの当主なのだ、と
マジギレされた小野政次を振り払い
直之とともに気賀へ出向きますが、

かつての商い盛んな気賀の町はそこにはなく。

城建設に反対の者たちは、大沢家の家来衆には者を売らず
姿を見ただけで店じまいしてしまい、その時こそ儲け時と、
大沢家来衆を招き入れる者たちも出てきました。
それが、反対派と賛成派の対立になってケンカしているのです。

町衆も、始めこそ“大沢を追っ払ってやる!”と意気込んでいたのですが
本当にそれが出来ることなのか不安になり始めた町衆の一部が
気賀に城が出来た後のことを考えて大沢方に寝返って
媚を売り始める有り様で、町衆も分裂してしまっています。

ちなみに中村屋は、町衆のみの自由自治も
武家に土足で上がり込まれるのも反対でありまして、
大沢家に入ってもらいながら、こちらの主張も聞いてもらうという
どっちつかずの案を主張し、結果、双方からつまはじきにされてますw

その主張を聞いた直虎は、中村屋に
町衆たちを集めるように命じます。

井伊が材木を都合するかどうかは
反対派、賛成派のそれぞれの出方次第──。
つまり、話し合いに参加しなければ
相手方に井伊が味方する、と直虎は脅しをかけたのです。


集まった町衆たちを前に、直虎は諭します。

このままでは大沢が武力をもって気賀を押さえる。
そうなれば気賀の町は気賀の町ではなくなる。
三河に助けを求めれば、それこそ今川が大激怒し
裏切り者の気賀町衆の首を討って、いよいよ終わる。

それよりも、武家が入ることで商売がやりにくくなるのであれば
“城を築く”ことについては了承してやれば
それを交換条件に、気賀の自由自治を認めさせる材料に
なるのではないだろうか? というのです。

町衆たちは、いっそのこと気賀に立派な城を築いてやったら
町衆たちの話を聞いてくれるかも、という気持ちになります。

ただひとり、龍雲丸のみは、城を築くことに大反対です。
城は人々を守る者であるはずなのに
戦になった時、城を守るために人々はたくさん死んでいく。
これは彼が幼い頃に経験したことから得た考えなのです。

城を築くことになりつつある町衆の中で、
龍雲丸は、だまって気賀を去る決意を固めます。


カーンカーン、と瀬戸方久の中で銭の犬が鳴き始めます。

上手くいかないから逃げ出して行く、という龍雲党に
これ以上関わりようがない、と諦める直虎に、
いっそこれでもか、というぐらいに関わる案を出すのです。

つまり、大沢の代わりに井伊が気賀の町に入る。
そうすれば、町衆は武家に意見をしやすくなる。
町衆は、大沢よりも井伊に気賀に
入ってもらいたいと思っているはずなのです。

そう、今川がそれを認めてくれるはずもないのです。
そこがこの案の最も難しいところではありますが──、
「難しいのはそこでございますよね、
 しかし裏を返せば、難しいのはそこのみでございますよね」

大沢が気賀に入ることのリスク
各方面への調整や準備などの難しさの多さよりも、
今川に認めさせることの方は、難しいのはそこだけなのです。

「駿府に認めさせたら、殿は気賀の城主をお受けになりますか」
突然に話を振られて、目をパチクリする直虎。
歯切れもよかった直虎は、途端に口ごもります。


作:森下 佳子
音楽:菅野 よう子
題字:Maaya Wakasugi
語り:中村 梅雀
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[出演]
柴咲 コウ (井伊直虎)
高橋 一生 (小野但馬守政次)
柳楽 優弥 (龍雲丸)
財前 直見 (祐椿尼)
貫地谷 しほり (しの)
ムロ ツヨシ (瀬戸方久)
本田 博太郎 (中村与太夫)
矢島 健一 (関口氏経)
嶋田 久作 (大沢基胤)
──────────
尾上 松也 (今川氏真)
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浅丘 ルリ子 (寿桂尼)
小林 薫 (南渓和尚)
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制作統括:岡本 幸江
プロデューサー:松川 博敬
演出:渡辺 一貴


◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『おんな城主直虎』
第27回「気賀を我が手に」

デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜

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