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2017年8月22日 (火)

プレイバック葵 -徳川三代-・(15)花嫁は三歳

関ヶ原の合戦で石田三成を滅ぼした徳川家康は
毛利輝元らの政敵を容赦なく追い落とし、
おおむね天下を手中に収めた。

しかし、太閤豊臣秀吉の遺児・豊臣秀頼と
その生母・淀殿は依然として大坂城に君臨し
家康にとっては目の上のたんこぶであった。

主君を“目の上のたんこぶ”呼ばわりするのは不忠の極み?
家康を謀反人のように言うのはよろしくない?

いやいや、家康が謀反人であるならば
秀吉もまた謀反人である。
秀吉は天下人になった折、
主君織田信長の係累をみな家来にした──!!


慶長6(1601)年 正月、
豊臣秀頼に対する年賀拝礼が行われました。

そして2月、淀殿は
徳川家康と秀忠親子を大坂城に招いて
饗応の宴を催しました。

その時、淀殿は
家康は大坂城西の丸と伏見城を持っているが
どちらが家康の居城になるのか、と尋ねます。

居城と言えば江戸城、しかし江戸から京・大坂は遠く
政務を執ることを考えれば朝廷が近い伏見城、
豊臣家の安泰を守るのならば大坂城と家康は答えます。

何を言いたいのかといいますと、
家康は朝廷や公家衆ともつながりがあるため
昨年末の関白職に九条兼孝が任命されたことを
知っていたのかと淀殿は追及したいのです。

「露ほども存じ奉らず」と家康は答えます。
つまり関白職という任官については
勅命によって任ぜられるべきものであり、
一介の武士たる自分が事前に知れるわけはない、と。

ともかく、今後秀頼はどうなるのか?
そう言われて家康は目を瞑りただ黙っていますが、
そのピリピリムードが居たたまれなくなったか
秀忠が思わず口を開きます。

「九条兼孝の関白御任官は、
 空位を埋めんがための当座の計らい」
ゆえに秀頼が成長した暁には、
返上あって然るべきだと言ったのです。

ほう! と大喜びする淀殿は、
しかと相違ないか? と念を押しますが
家康は「存じ奉らず」と頭を下げます。

つい先のことであるならいざしらず、
数年後にわたることを軽々しく
口にすべきことではない、と家康は言いたいのです。


淀殿の前を辞して、
家康に首根っこを捕まえられて投げ飛ばされた秀忠。
「余計なことを申すな! この大たわけが!!」


3月、伏見城に戻った家康は徳川家重臣たちを集め
諮りたいことがある、と打ち明けます。
「徳川家の世継ぎは秀忠でよいかどうかじゃ」

関ヶ原の遅参にとどまらず、口を滑らせるなど
父から見て、秀忠の迂闊は目に余るわけです。

本多正信と本多忠勝は結城秀康を推し
本多正純は戦時には秀康、平時には秀忠とします。
榊原康政と井伊直政は松平忠吉を推します。
そして、秀忠を推したのは大久保忠隣ただひとり。

「恐れながら中納言さまは、
 ことのほか慈悲深くまっすぐなお方。
 ゆっくりと修行をお積みあそばせば、
 大人物におなりと確信致しまする」

大器晩成か、と家康は笑います。


3月27日、朝廷は9歳の秀頼を権大納言に叙せられ
その翌日には秀忠も権大納言に任命します。

淀殿は家来筋と同列に扱われたことが悔しく
諸大名たちに八つ当たりします。

旧浅井家家来であった藤堂高虎は、
今は位の低い権大納言であっても
内大臣、右大臣、左大臣と昇り、成長した暁には
ちょうど関白になるのでは? と怒りを鎮めようとします。

さらに、秀忠に1日遅れて叙任したことが
秀頼大事と考える何よりの証拠だと言いますが、
「ホホホ……。さては高虎殿も飼いならされたか」


淀殿がいろいろと難色を示していることを
家康は苦々しく感じています。

もし仮に豊臣と徳川の間で戦になったら
諸大名たちはこぞって徳川になびきましょうが
それを淀殿は分かっていないというのです。

徳川になびいていない大名は伊達家と前田家です。
伊達政宗の娘・五郎八(いろは)姫には六男・松平忠輝と結婚させ
前田利長の嫡男・犬千代には秀忠の次女・珠姫と結婚させるつもりです。
秀忠には、珠姫を秋には金沢へ遣るから準備を急げと命じます。

「お珠は3歳にござりまするぞ」
秀忠は多少うろたえながら発言しますが、
それもこれも、秀忠の将来を考えてのことであります。

家康は立ち上がり、宣言します。
「みなのもの! 家康亡き後の世継ぎは秀忠である!」


4月10日、秀忠は伏見城を出発し
東海道を江戸に向かいます。
会津への出陣以来の、9ヶ月ぶりの江戸城であります。

秀忠は、珠姫の輿入れの話をお江にします。
お江は、夫となる犬千代はまだ9歳だと反対するのですが、
その気持ちは秀忠にも分かります。
あまりにも珠姫が不憫でならないのです。

抱きしめ合い、むせび泣く夫婦です。


7月末、会津の上杉景勝は結城秀康に伴われて上洛し
伏見城の家康に謝罪を入れます。

秀吉が決めた五大老五奉行のうち、
石田三成は斬首、宇喜多秀家と長束正家は自害、
増田長盛と前田玄以は所領没収、
毛利輝元は90万石の減俸となりましたが、

上杉景勝には、会津120万石を没収し
直江兼続の旧領米沢30万石を安堵します。


忠隣は秀忠のそばにすり寄ってきました。
「志乃殿が懐妊なされた由にござります」

大喜びした家康は、志乃に江戸で出産するように命じ
すでに江戸城に向かっていると聞き、
ただでさえ珠姫の輿入れのことで沈んでいる
お江のことを思って慌て出す秀忠です。

結局、江戸に到着するものの江戸城に入れなかった志乃は
忠隣が屋敷で匿うことになりました。


9月30日、いよいよ珠姫の輿入れの日です。

加賀はいいところだの、犬千代は利発な子だの
いろいろ言って珠姫の気持ちを不安にさせないように
阿茶局はじめ芳春院(利長生母)は楽しいことばかり並べますが、

やはり何かを感じ取ったのか
輿に乗る直前、行きとうない! と泣き出してしまいます。
お江も千姫も泣き出し、

加賀へ続く行列を見送りながら
秀忠も目に涙をいっぱいためて見送ります。
「お珠ぁーっ!!」


作:ジェームス 三木
音楽:岩代 太郎
題字:ジェームス 三木
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[出演]
津川 雅彦 (徳川家康)
岩下 志麻 (お江)
宍戸 錠 (本多忠勝)
三林 京子 (阿茶局)
勝野 洋 (井伊直政)
石田 太郎 (大久保忠隣)
清水 綋治 (榊原康政)
──────────
上條 恒彦 (上杉景勝)
田村 亮 (藤堂高虎)
保坂 尚輝 (大野治長)
岡本 富士太 (結城秀康)
神山 繁 (本多正信)
──────────
中村 梅雀 (語り・水戸光圀)
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山田 五十鈴 (於大)
小林 稔侍 (片桐且元)
小川 眞由美 (淀殿)
西田 敏行 (徳川秀忠)
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制作統括:川合 淳志
演出:尾崎 充信

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