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2017年10月 1日 (日)

大河ドラマおんな城主直虎・(39)虎松の野望

井伊家が潰れて6年。

天正2(1574)年12月14日、
井伊直親の十三回忌法要を行うにあたり
松下家からしの、なつ、亥之助、奥山六左衛門、
そして虎松も帰ってきました。

虎松は今や松下家の跡取りで
井伊家との関係が途切れたまま、
15の春を迎えようとしていました。


虎松はそろそろ元服を迎える時期に来ておりますが、
徳川家康に小姓としてお仕えしたいと考えているようです。
そうすれば松下家の未来も明るいのではないか、と言うのです。

虎松は、小野玄蕃となつの子・亥之助とともに
井伊谷の村々を見て回ります。

武田が襲来し、焼き討ちにあった際に
いっそ暮らしやすい村にしたという話を聞いて、感動する虎松。
しかしそれは、おとわが近藤康用にあれこれと働きかけて
作り上げていったわけで、おとわはいわば“裏の殿”であります。

人には井伊家の再興を諦めよと言っておきながら
おとわは……(-"-)

虎松は、そういう反抗の気持ちを
おとわを“殿”と敢えて呼ぶことで
皮肉って表現します。


虎松は龍潭寺の南渓和尚のところへ出向き
この里の素晴らしさを語り、目を見開いて宣言します。
「やはり虎松は、何が何でも頂戴しとうなりました!」

虎松がまだ井伊谷にいたころ、
どうにかして井伊家を取り戻したい、と話していたなぁと
南渓と奥山六左衛門が懐かしそうに話していたところです。
「そうか!」と南渓は大喜びです。

しかし六左衛門は納得できません。
手順とすれば、松下の養父と話し合ってから
許可をもらって井伊家を再興するのが筋であって
恩を仇で返すやり方はよくない、と反対なのです。


このころの徳川家は、拡大した領土を納めるべく
遠江の浜松と、三河の岡崎を二大拠点とし
浜松は家康、岡崎は嫡男信康が城主となっていました。

虎松が小姓として上がりたいという希望が家康に届いていまして、
井伊家の子、そして小野家の子を入れるのは危険ではありますが
これまでの井伊の徳川に対する遺恨がこれで一つ消えると考えると
希望通り採用するのも悪い話ではありません。

そして同じころ、南渓は岡崎城に入り、瀬名と対面します。
瀬名の母・佐名姫は南渓の妹であるので
南渓と瀬名は伯父と姪にあたります。

南渓はスッと虎松からの書状を瀬名に手渡します。

虎松の主張は、現在「“松下”虎松」と名乗っているが
これからは「“井伊”虎松」と名乗りたい、と。
井伊の虎松として家康に仕えたい、と言っているのです。

自分から「井伊を名乗る!」と宣言したのでは
松下の養父とのこともあるし、
井伊谷でも反対する人が出てくるであろう、と。

そこで家康から、自分に仕えるにあたって
「井伊を名乗れ」と命じた、ということになれば
万事うまくいく、ということのようなのです。


いよいよ虎松たちが家康にお目見えする
鷹狩りの日がやって来ました。

家康に促され、御前に侍る虎松と亥之助。
家康は台本どおり、虎松は井伊の者として
仕えたいのか? と確認します。

虎松は首を縦に振りますが、
虎松を松下で引き取って育ててきた常慶や酒井忠次は
それは松下家に対してあまりの仕打ち! と大反対です。

家康は、虎松に万千代の名を、猪之助に万福の名を与えます。
万千代の“千代”は、家康の幼名・竹千代の“千代”です。
井伊が千年、万年続くように、との願いを込めてです。

「井伊万千代、このご恩は一生忘れませぬ!」
平伏する万千代です。


常慶が松下に走って戻り、事のあらすじを報告。

虎松が、家康に“そうなんだろ?”とプレッシャーをかけられて
言わされたのか、それとも虎松自身の本心なのかは分かりませんが
当主の松下源太郎は、あまりのショックに卒倒してしまいます。

汗が噴き出している六左衛門を見て、
常慶は六左衛門の胸ぐらを掴みます。
「何を知っておられる?」


翌朝、徳川家の重臣たちと顔合わせ。

本多忠勝の名前を一度で覚えてしまうなど
万千代の賢さを充分アピールできたところで
万千代と万福の両名に辞令です。
「両名に、今日から草履番を申し付ける」

小姓と聞いていた二人はとても驚きますが、
忠次は涼しい顔で説明します。

松下虎松としてなら小姓として採用するが
井伊万千代としてなら草履番。

井伊家は徳川に潰された家柄であるし
そもそもは今川の国衆であるので
そんな者を家康の小姓として
召し抱えられるわけがないだろう、というのです。

どうする? と家康に二者択一を迫らせ
万千代は大声で宣言します。

>それがしは昨日殿より井伊万千代という名をいただきました!
>それを己の欲得のため、一晩にて松下と前言を翻すは
>不忠の極み!
>井伊万千代、かくなる上は……
>日のもと一の草履番を目指す所存にございます!


……とは威勢を張ったものの、やはりショックです。
小姓部屋とは異なる、草履番の部屋。
寝泊まりする部屋も、着るものも、格段に落ちます。

「やられた……!!」
万千代は悔しくてのたうち回ります。

こうして、後の徳川四天王・井伊直政の出世の第一歩は
草履番から始まったのでした。


作:森下 佳子
音楽:菅野 よう子
題字:Maaya Wakasugi
語り:中村 梅雀
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[出演]
柴咲 コウ (井伊直虎)
菅田 将暉 (松下虎松)
財前 直見 (祐椿尼)
貫地谷 しほり (しの)
高嶋 政宏 (本多忠勝)
尾美 としのり (榊原康政)
市原 隼人 (傑山)
菜々緒 (瀬名)
山口 紗弥加 (なつ)
六角 精児 (鷹匠・ノブ)
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三浦 春馬 (井伊直親(回想))
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阿部 サダヲ (徳川家康)
小林 薫 (南渓和尚)
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制作統括:岡本 幸江・松川 博敬
演出:渡辺 一貴


◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『おんな城主直虎』
第40回「天正の草履番」

デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜

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