大河ドラマおんな城主直虎・(41)この玄関の片隅で
日本一の草履番を目指して奮闘した万千代と万福。
その働きが徐々に認められ、小姓に上がることになったのですが
それにはある条件をクリアしなければなりません。
小姓に上がって不在となってしまう草履番を育成せよと
榊原康政に命じられたのです。
数日後、新しい草履番として採用された男と対面します。
その男とは、ノブという中年過ぎの男。
そう、徳川家康の鷹匠のノブです。
小野万福は、ノブとはどこかで会ったような……と思い出します。
ノブも、おそらく鷹場でございましょ、と隠す様子もありません。
ともかく井伊万千代は、そんなノブに厳しく教育を始めます。
松下虎松が井伊を名乗って万千代として出仕しているため
跡継ぎが不在となった松下家では、中野直之の子・中野直久を
松下家の養子にという話を奥山六左衛門が持ってきました。
中野家もそんなに人がいるわけではないから、と
始めは躊躇していた直久ですが、
父は、好きなようにしろ、と本人に選ばせます。
直久は、喜んで松下家に入ることにします。
井伊谷から一人松下家に行き、
そしてそのトレードとして六左衛門が
松下家から井伊谷に戻ってくることになりました。
草履番の特訓が続いております。
万千代は、自分たちのような若い者なら覚えも早いが
のろまで覇気もなく、一向に覚えられない男を寄越したのは
もしかしたら小姓に上げたくないからか? と疑いますが、
それは万福が、そもそも小姓に上げたくないなら
後任を寄越さないでしょ、と帰す刀で論破します。
しかし万福は、ノブを見て気色ばんだ武士が
数名いたことの方がどうも気がかりです。
そのノブ、寝静まった真夜中にも
名前を覚えるべく草履棚の前に立って
何度も何度も名前を読んで頭に叩き込みます。
そんなノブの前に「本多平八郎忠勝」の文字が……。
翌朝、ノブの姿を見て刀を振り上げる本多忠勝。
万千代も万福もあまりに突然のことで何も出来ません。
刀を振り下ろす寸でのところで康政が飛んできて
ふたりを引き離します。
ノブは10年前、三河の一向一揆で家康に刃を向け
他国に逃げたそうなのですが、大久保忠世の仲介により
家康の許しを得てここに戻ってきたのだそうです。
そしてノブの本名が「本多正信」であることも判明します。
天正3(1575)年4月、武田勝頼率いる武田軍が
ふたたび三河・遠江への侵入を開始。
その勢いは徳川方を圧倒し、勝頼は長篠城を包囲します。
長篠と吉田を武田に抑えられると、
徳川の二大拠点である浜松と岡崎が分断されます。
長篠は2年前、武田から寝返った奥平の支配地ですが、
今のところは再び武田に寝返るという動きは見せておりません。
武田との戦で
徳川の小姓たちの間でも少し浮き足立っているころ
万千代はその話が聞こえてきて
戦に出られないイライラが募るわけですが、
「ヘヘヘ。恐らくこの順で出て来られますよ」
正信は、誰も出てきていないのにすでに玄関に草履を並べ始めます。
果たして、正信の用意した順に、
次々と玄関に現れるではありませんか。
そしていつもは一緒に玄関に出て来る人たちが
たまに一人で出てきたりすると、正信はすかさず声をかけ
もう一人がどうしているのかを確認したりしています。
残るように殿に命じられていたよ、ということであれば
恐らく重臣たちと重大な計画を立てているのかもしれません。
それを知り、難渋していることで何か手助けできることがあれば
もしかしたらもっと早く小姓に上がれるかもしれません。
正信を徳川に仲介した忠世ですが、
正信が話を聞いてみれば、家康に無理難題を言われたようです。
織田に、丸太を急ぎで3,000本用意せよと言われたので、
材木を切る木こりを捜して欲しいというのです。
夜、小姓の意識を逸らしている間に
家康の草履の鼻緒を切っておいた万千代。
翌朝、替えの草履を用意し、その間に鼻緒を修繕して
試し履きを、と囲碁中の家康の元に届けます。
といっても、万千代が鼻緒を切ったことは
すでにバレバレですけど(笑)。
万千代は、かつて井伊が材木を商っていて
その伐採から出荷までの手順は今でも井伊谷に残っていると言い
丸太集めの一部を負担させて欲しい、と家康に願い出るのです。
それが成功した暁には、初陣を飾ることが出来るのです。
その書状を受け取ったおとわは、
ひとまず南渓和尚に、しばし待て、との文を頼み
自分は瀬戸方久に、家康宛の書状を持っていくように依頼します。
今や井伊谷は井伊家のものではなく近藤康用の領地なので
材木1本たりとも自由にできるものではありません。
それをまるで我がもののごとく考えている万千代は
まだまだ未熟だと言わざるを得ません。
おとわは、その材木準備のお役目を
近藤に命じ直して欲しいというわけです。
見方によっては井伊の者が井伊の手柄を潰すことにも見えますが、
今までの紆余曲折を思い出せば、ここは井伊家にとってを考えるよりも
井伊谷が民にとって安穏の地であることが重要なのです。
井伊から近藤にお達しがあり、康用は頭を抱えます。
材木切り出しに詳しいものが近藤家にはいないのです。
「すでにご家中におるではないですか」
呼び出されたおとわはニッコリ笑います。
そう、六左衛門です。
かつて井伊家で材木の商いを行っていた時
切り出しから運送、人足手配に至るまで
一手に引き受けていました。
人柄も良く、人足たちに慕われています。
武術にはすぐれぬ六左衛門でしたが、
材木手配を一任すると、生まれ変わったように
テキパキと指示し、働きます。
こうして井伊谷は500本の材木を調達し
家康たちは武田と戦うべく長篠へ向かいます。
で、結局、万千代の初陣の話はなくなりました。
家康の命で、今回は留守番です。
作:森下 佳子
音楽:菅野 よう子
題字:Maaya Wakasugi
語り:中村 梅雀
──────────
[出演]
柴咲 コウ (井伊直虎)
菅田 将暉 (井伊万千代)
財前 直見 (祐椿尼)
高嶋 政宏 (本多忠勝)
尾美 としのり (榊原康政)
ムロ ツヨシ (瀬戸方久)
六角 精児 (ノブ)
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阿部 サダヲ (徳川家康)
小林 薫 (南渓和尚)
──────────
制作統括:岡本 幸江・松川 博敬
演出:安藤 大佑
◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆
NHK大河ドラマ『おんな城主直虎』
第42回「長篠に立てる柵」
デジタル総合:午後7時10分〜 (←時間が変更になっています!)
BSプレミアム:午後6時〜
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