大河ドラマおんな城主直虎・(45)魔王のいけにえ
徳川家康の命を狙った、岡崎の近藤武助。
この曲者はなんと、家康嫡男の松平信康の側近でした。
一方、家康の命を守った井伊万千代は1万石の知行を得て
家康の家臣として名を上げたのでした。
榊原康政は、岡崎に手配せよと万千代に書状を渡します。
武助は一族もろとも処罰されたわけですが、これは
不始末を許した岡崎衆を戒める意味合いがあるわけです。
岡崎衆は城下に住むことを許さず、自領から通えというお達しに
「あまりにも岡崎に厳しいお沙汰」「裏切りは武助のみなのに」と
家臣たちからため息とも怒りとも言える失望の声が上がりますが、
自分が気づいていれば防げたこと、と信康は自分を責めます。
ここは名誉挽回、補って余りあるほどの功を立てて底力を見せつけ
さすがは岡崎と言わせてやろう、と一致団結します。
この後、信康率いる岡崎衆は、幾多の合戦で勇敢に戦い
家康の信頼回復に努め、半年が経過しようとしていました。
信康は、そろそろ家臣たちを岡崎に呼びたいと家康に申請し
家康もそろそろとは考えているようなのですが、
酒井忠次の横車に押され、実現に至っていないのです。
岡崎と浜松が不仲に見えるのも、徳川にとっては利がなく
他国には徳川を攻めるスキを与えるようなものです。
家康の側室が長丸を生みます。
後の2代将軍・徳川秀忠であります。
万千代は、その報告に岡崎に向かいますが、
家康の正室で信康の母である瀬名は床をギッと睨みつけ、
和子誕生を目出たいと言いつつ、心の中では
嫉妬というか恨みというか何か別の感情に支配されています。
瀬名は、信康に側室を持たせようとします。
信康にはすでに織田信長の娘・徳姫を正室として迎えていますが
側室に子どもを産ませ、その母を徳姫とすればいいだけのこと、と
冷ややかにつぶやきます。
それよりも、今後信康が子どもに恵まれず
徳川の跡継ぎが長丸になってしまうことこそ
信康にとっても織田にとっても面白い話ではないわけです。
瀬名が各地に信康の側室募集の書状を送りつけていた頃
一通の手紙が織田信長の元に届けられておりました。
それは娘・徳姫からのものでした。
信康に弟が生まれたことで、
岡崎の立場がますます悪くなることを懸念した信長は
信康に官位が下されるよう朝廷に働きかけると言いますが、
従五位下であれば、家康と同列になってしまいます。
舅が信長というだけで充分な箔である、と
その働きかけは無用であると返答します。
家康は、岡崎衆に岡崎城下の居住を許すと同時に
信康が浜松城に、そして家康が岡崎城を受け持つことを提案。
信康を優遇していることを信長に見せれば、
織田の覚えめでたしと考えているようです。
そしてその家康の名代として酒井忠次が
完成したばかりの安土城に出向くのですが──。
「いつも弟のように思うておると申しておるではないか」
「申しておるのに、何ゆえ徳川は余を欺こうとするかのう」
そう言われて、忠次は顔面蒼白です。
信康は悪行の数々を働いていると
徳姫からの訴えがあったらしいのです。
徳姫の許しなく側室を置こうとしたり
武田と内通していたり、ということになっています。
忠次は必死に家康の無実を訴えますが、
訴えれば訴えるほど信康の立場が悪くなっていきます。
武田と内通したのは、信康が勝手にやっていることだ、と。
信康が勝手にやったこと、と認めなければ
徳川全体が謀反を疑われていた、と弁明する忠次に
家康は、信康の廃嫡を考えていないかと問いつめますが、
まずは信長の言い分が正しいのか間違いなのかを確定させなければ
出るところにも出られない、と調査を開始します。
すると、信康の側室候補がたまたま
武田の元家臣の娘であったことが判明したわけです。
家康は、ひとり部屋にこもっています。
「信康をお斬りなされ」
家康に面会を求めた母・於大は驚くことを言い出します。
お家を守るためにわが子を殺める。
お家を守るために、己、親、兄弟も人柱として断たなければならない。
認めたくない。いや、認めてはならない。
そう思いつつも、織田に疑いを抱かれてしまっては
もはや織田の疑いを晴らすために奔走しなければならない。
家康は、苦渋の決断を下します。
岡崎城へ、家康と家臣たちは向かいます。
到着するなり信康を捕らえ、ひざまずかせます。
「武田と内通した廉にて、大浜城へ幽閉したのち死罪とする」
大騒ぎする家臣たちを前に、信康は動揺を沈め
内通は一切なく、その疑いは家康がきっと晴らしてくれる、と
言い残して大浜城へ向かいます。
家康は、京の今川氏真に密書を送っていました。
太守様、徳川に力をお貸しください──。
「泰勝、出かける支度を整えよ」
瀬名の父は今川一門の出であり、
信康は今川の血も引いております。
力添えしない理由がどこにある、とつぶやきます。
氏真の眼光が、鋭くなってきました。
作:森下 佳子
音楽:菅野 よう子
題字:Maaya Wakasugi
語り:中村 梅雀
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[出演]
柴咲 コウ (井伊直虎)
菅田 将暉 (井伊万千代)
高嶋 政宏 (本多忠勝)
尾美 としのり (榊原康政)
光石 研 (明智光秀)
ムロ ツヨシ (瀬戸方久)
菜々緒 (瀬名)
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尾上 松也 (今川氏真)
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阿部 サダヲ (徳川家康)
市川 海老蔵 (織田信長)
栗原 小巻 (於大の方)
小林 薫 (南渓和尚)
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制作統括:岡本 幸江・松川 博敬
演出:深川 貴志
◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆
NHK大河ドラマ『おんな城主直虎』
第46回「悪女について」
デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜
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