大河ドラマおんな城主直虎・(50)石を継ぐ者 [終]
「敵は本能寺にあり……」と笑みを浮かべた光秀。
天正10(1582)年6月2日、
明智光秀の謀反により織田信長、死す。
この混乱の中、無事に三河へと戻った家康。
羽柴秀吉からの、明智討伐の誘いに
「何としても参らねばならぬのう」と天を仰ぎ見て
名に食わぬ顔で信長の弔い合戦に向かうという
豆狸っぷりを見せておりました。
直虎は、龍雲丸が調達した船の上で
京の謀反の成り行きを見守っています。
その成り行きによっては、今川氏真から預かっている
光秀の子ども・自然(じねん)のことで策を講じる必要があるわけです。
ただ、明智方が織田方に押されつつある、と報告を受け
ひとまず急いで井伊谷に戻った方がよさそうです。
今回も京では龍雲丸にとても助けてもらったわけで、
その礼については追って後日、と言いたいところですが
龍雲丸は南蛮船の船乗りにならないかとオファーがあるようで
一緒に来ないか? と誘われます。
直虎は、ただ無言で
餞別として自分の竹筒を龍雲丸に手渡します。
作:森下 佳子
音楽:菅野 よう子
テーマ音楽指揮:バーヴォ・ヤルヴィ
テーマ音楽演奏:NHK交響楽団
ピアノ演奏:ラン・ラン
タイトル映像:古屋 遙
題字:Maaya Wakasugi
時代考証:小和田 哲男
:大石 泰史
風俗考証:佐多 芳彦
建築考証:平井 聖
衣裳考証:小泉 寛明
殺陣武術指導:久世 浩
所作指導:橘 芳慧
馬術指導:田中 光法
禅宗指導:細川 晋輔
芸能考証・指導:友吉 鶴心
書道指導:金敷 駸房
笛指導:稲葉 明徳
遠州ことば指導:小杉 幸彦
囲碁指導:田尻 悠人
特殊メイク:江川 悦子
資料提供:小和田 泰経
語り:中村 梅雀
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[出演]
柴咲 コウ (井伊直虎)
三浦 春馬 (井伊直親)
高橋 一生 (小野但馬守政次)
柳楽 優弥 (龍雲丸)
菅田 将暉 (井伊万千代/直政)
貫地谷 しほり (しの)
高嶋 政宏 (本多忠勝)
尾美 としのり (榊原康政)
市原 隼人 (傑山)
ムロ ツヨシ (瀬戸方久)
山口 紗弥加 (なつ)
六角 精児 (本多正信)
矢本 悠馬 (中野直之)
田中 美央 (奥山六左衛門)
橋本 じゅん (近藤康用)
小木 茂光 (織田方の武将)
和田 正人 (松下常慶)
みのすけ (酒井忠次)
梅沢 昌代 (梅/松)
光浦 靖子 (あやめ)
小松 和重 (昊天)
山中 崇 (八助)
井之脇 海 (小野万福)
木下 隆行 (福蔵)
木本 武宏 (富介)
朝倉 あき (高瀬)
阪田 マサノブ (菅沼忠久)
中村 織央 (石川数正)
森下 能幸 (亭主)
前原 滉 (角太郎)
山田 裕貴 (庵原助右衛門)
藤本 康文 (弥吉)
山本 圭祐 (辰)
冨田 佳輔 (中野直久)
田中 レイ
長村 航希
柾 賢志
村上 航
山上 賢治
平家 秀樹
横堀 悦夫
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尾上 松也 (今川氏真)
新井 美羽 (おとわ)
藤本 哉汰 (亀之丞)
小林 颯 (鶴丸)
能浦 航汰 (龍雲丸(幼少))
久世七曜会
劇団ひまわり
劇団東俳
テアトルアカデミー
宝映テレビプロダクション
麗タレントプロモーション
フジアクターズ・シネマ
POP
クラージュ
アールジュー
キャンパスシネマ
ジールアビリティ
古賀プロダクション
劇団男魂
クロキプロ
エンゼルプロ
ZOO動物プロ
グローバル・アニマルアクト
ヒーローズアカデミー
撮影協力:静岡県浜松市
:フィルムコミッション富士
:ロケ応援団富士宮
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阿部 サダヲ (徳川家康)
栗原 小巻 (於大の方)
小林 薫 (南渓和尚)
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制作統括:岡本 幸江
:松川 博敬
美術:西川 彰一
技術:菱木 幸司
音響効果:巽 浩悦
撮影:大和谷 豪
照明:松本 豊
音声:大宅 健司
映像技術:吉永 勇
VFX:今村 昂司
記録:小林 澄枝
編集:佐藤 秀城
美術進行:佐藤 綾子
演出:渡辺 一貴
信長の弔い合戦に参じた家康でしたが
羽柴軍に加勢に訪れたときにはすでに光秀は落命し
このまま引き下がるのはよくない、と
甲斐と信濃に残る織田方の領地を守るふうに振る舞って
甲斐信濃を侵攻する口実を得たわけです。
一方、浜松では、光秀の死によって
光秀の子・自然を預かっていたことが
徳川が明智へ内通している証拠となってしまうため、
不在の家康に代わって、母の於大の方が
自然を預かろうと井伊万千代に命じますが、
直虎は、この子は亡き信長の忘れ形見、という
とっさのウソをついて、
その証拠として信長から下賜された茶器と
直筆書状を見せて、忘れ形見という話を信じ込ませます。
それからしばらくして、自然の得度式が行われます。
何事にも縛られることなく自然に生きることを喜びとする意味で
南渓和尚は「悦岫(えっしゅう)」と名を授けます。
その式の最中も、おとわは咳が止まらず
「治らぬのう」と弱り顔です。
おとわが、ついに倒れました。
昊天の診立てでは、
どうやら風邪をこじらせたようだとのことですが
もう年ですね、と寂しく笑うばかりです。
それにしても、咳が止まりません。
この混乱に乗じて、相模の北条も
上野に侵攻し、そのまま信濃・甲斐へ攻め込みます。
いつのまにやら、徳川は北条と戦う羽目になります。
おとわがふと気づくと、幼少の亀之丞に
幼少の鶴丸がおとわを呼びに来たようです。
なぜ子どもに? と疑問を持ったおとわでしたが、
自分の姿を見てビックリ。
自分もなぜか子どものころの姿になっていました。
そこに幼少の龍雲丸も加わって
4人で先の世界を見に行くことにします。
──おとわが亡くなりました。
南渓和尚は、あいつの経は読みたくない、と
葬儀に参列せず、昊天と傑山が代わって経を上げますが、
みな悲しみのあまり声が出せず、
ボロボロの読経になってしまいます。
徳川の陣に戻った万千代は
家康宛に届けられた井伊からの訃報の書状を
何も言わずに万千代に読ませます。
固まった万千代を見て、小野万福がその書状を預かり
中野直之、奥山六左衛門とともに目を通しますが
みな一様に涙を浮かべ、突っ伏して悲しみます。
北条と和睦を結ぶかどうかの軍議の席でも
あまり身が入っていないようで、
軍議の場から下がって休むことにします。
南渓和尚が井伊谷から来ていました。
万千代は、直虎の弔いにも行けない非礼を詫びますが
和尚は井伊の井戸端に落ちていたと万千代の笛を手渡します。
そして、白い碁石を直虎の遺言として渡します。
井伊は井戸端の拾い子が作った国、
ゆえに殿はよそ者に温かかった。
民には竜宮小僧のようにあってほしい、とし
泥にまみれることも厭わず、恐れず
戦わずに生きていける道を探る……。
井伊谷という小さな谷で、直虎はそれを果たした。
万千代は、それを日の本という中でやれ。
そのメッセージを受け止めた万千代は
軍議の席に戻り、北条との和睦の使者に名乗りを上げます。
甲斐・信濃・上野の3ヶ国のうち
甲斐と信濃を徳川のものとし、それを北条に認めさせ、
かつ国衆にも火種が残らないようにしなればならない。
与えられたハードルは高いです。
万千代は潰れた家の子、万福は磔にされた逆賊の子、
六左衛門は木を切るしか能がないのに大事にしてもらっている、と
徳川の厚遇ぶりを説き、国人領主たちに臣従を誓わせます。
そして北条家にその証を提出し、和睦の交渉に入るのです。
こうして万千代は北条との交渉をまとめあげ
徳川家は一気に天下に物申せる大大名へと駆け上がったのです。
その功績あり、ついに元服することになります。
これからは、井伊万千代は
「井伊兵部少輔直政」と名乗ることになりました。
井伊の通字である「直」と、小野の通字である「政」。
その双方の名を受け継いだ形です。
そして褒美として、徳川や旧今川から家臣団、
武田から徳川に臣従した赤備え組の武士たちが
ごっそりと直政の下に付くことになりました。
ついに侍大将です。
近藤康用の養女となった高瀬は
直政の家臣・川手良則の嫁となり
梅の妹の松が侍女に上がります。
そして直政は、井伊の赤鬼となったのです。
尾張・長久手──。
あんな若造、何もできやしねえよ、という笑い声に発奮した直政。
「本日これより、この陣中では一番槍は大将が務める!」
先頭に立って駆け出していきます。
時は戦国、
群雄が割拠し戦や略奪が繰り返された混乱の世。
その流れに果敢にも飛び込んだ女子がいました。
彼女が守り続けた井伊家は、260年にわたり
江戸幕府の屋台骨を支えることになったのです。
勇ましい男名で男たちと渡り合った「直虎」。
──完──
【直虎紀行】
慶長5年、井伊直政は家康から佐和山18万石を拝領し
井伊家を彦根へと移しました。
武功だけでなく戦後の政治的な交渉でも活躍した直政。
直正は生前、彦根にも龍潭寺を建立するよう言い残します。
開山したのは、井伊谷龍潭寺の五代目住職となった昊天でした。
昊天作と伝わる枯山水。
中心にある石は、菩薩とともに
直政を見立てたものだと伝えられています。
江戸時代、彦根藩35万石となった井伊家。
歴代藩主たちは幕府の大老など要職を務め
力を発揮していきます。
この繁栄の礎には、井伊谷の人々の安寧を念じて奮闘した
おんな城主、直虎がいました。
1,000年の時を越え、受け継がれている井伊の歴史を
この井戸は今も静かに見守り続けています。
◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆
NHK大河ドラマ『おんな城主直虎』
総集編
デジタル総合:12月30日(土) 午後1時05分〜
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