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2018年1月16日 (火)

プレイバック山河燃ゆ・(03)悲しみへの序曲

昭和11(1936)年3月。

映写機で映し出す外国映画を見ながら、手元の台本を頼りに
日本語に翻訳し字幕を入れていく天羽賢治。
アメリカへ帰国するつもりでいるので、
この翻訳のアルバイトも、この作品が最後です。

この映画での主人公の男女の別れのシーンを見て
賢治は、炎上する旅館別館での三島典子との運命的な出会い、
そして別れを思い出しています。


そのころ、典子は久永大尉に誘われて
交響楽団の演奏会に来ていました。
ただ、久永はまだやってきていません。

ドイツの軍人たちを接待するために
この演奏会に来ていた島木文弥は途中で退席し、
階段の踊り場で久永とすれ違います。

久永は急用ができたから、と典子を外に連れ出し、
典子の父から典子との結婚を勧められ
受けるつもりだ、と典子に話します。


『第六回 全日本柔道選手権大会』
会場にやってきた天羽 忠。
しかし憲兵隊と衝突した時に受けた傷が痛く
足を引きずっての登場です。

そこに賢治が現れまして、
座り込んでガッカリしている忠を見て
兄貴は弟を酒呑みに連れ出します。

喫茶店「リラ」に着いた兄弟は
自分たちがアメリカの国籍を持っていることの話になり
アメリカに帰るつもりの兄と、
アメリカを捨てて日本人になりたい弟で話が物別れになります。

その兄弟の対立を割くように、三島啓介からの電話が入ります。
啓介は典子の兄ですが、賢治はそのことを知りません。
いつもは川辺庄平や楠田 武と一緒にいる啓介ですが
今日は用事があって行けないんだそうです。

浪花節を聞きたい、とせがむ忠に引っ張られて
雨の中を賢治は浅草川上座へ連れていかれます。


雨の中、典子が帰宅しました。

久永からプロポーズを受けたことを、
典子は啓介に打ち明けます。
勝ち気な妹も、兄だけには何でも話せます。

実はあまり軍人の妻になりたいとは思わないのです。
啓介としても、軍人に妹をやるつもりはないのですが、
三島家では父親の意見が絶対なので、
聞き入れてもらえるかどうかは分かりません。

啓介も、親の反対を押し切って小学校の先生になったので
親の言いなりにはなりたくないという
典子の気持ちも分からなくもありません。

啓介の言葉がちょっぴり嬉しい典子は
兄がやっている「外国映画鑑賞会」の
翻訳台本の原稿作成を手伝います。


翌日、典子は
翻訳台本の原稿に天羽賢治の名前を見つけます。
直後、啓介が特高警察に検挙されたという
電話を受け、ひどく衝撃を受けます。

電話で知らせてくれたのは賢治なのですが、
典子に名乗ったのは最初に電話した川辺だったので
賢治は典子に名乗っていないのですが、
すごいニアピンでありながら、両者とも知らないなんてw


拘束された啓介は、
林田という男について白状しろと迫られますが、
知らないので何とも言いようがありません。

しかし自白を取りたい特高警察は
啓介を竹刀でめった打ちにし、水をかけ
なおも自白を迫ります。

思い出すまで、と牢に入れられる啓介。

しかしほどなくして、啓介は牢の外に出されます。
父親が内務省官僚ということもあり、
久永が、軍人という立場を利用して啓介を釈放させたのです。

迎えにきていた典子と対面しますが、
典子には、久永の不気味な存在が気になって仕方ありません。

帰宅した啓介は、父からこっぴどく怒られます。
父のことよりも、妹を大事にしてやってくれ、と言うのです。
「行かず後家にしていいのか。良縁がまとまりかけているんだ」


喫茶リラで、賢治、川辺、楠田らは
啓介を囲んで祝杯をあげます。

お店はcloseにして、貸切状態です。
しかしお店の外では、特高警察の荒木が
中の様子を窺っていました。


賢治は、アメリカへ帰る準備を始めました。
忠は柔道家になるつもりなので、何もしていませんがw
いよいよアメリカへ帰るんだなぁ、という傷心もありますが、
賢治としては前を向いて歩いていくしかありません。


賢治が啓介に頼んでおいた資料を
妹の典子が持ってきてくれました。
賢治の名前を見て、それが湯河原での事件の際に
自分を助け出してくれた人物であると確信を持てたからです。

自分が行くと電話で伝えておきながら
妹をやるなんて、啓介が粋な計らいをしてくれます。

賢治が翻訳した映画ですが、
「キスして」の部分が「あばよ」と変えられており
賢治はとまどい、そして怒りを露にします。

しかし、時代柄
検閲が入れば無理にカットされてしまうわけで
ある意味仕方のないことなのかもしれません。

賢治がフッと振り返った時、
そこに立っていたのが典子だったので
言葉を失う賢治です。


山崎豊子 作『二つの祖国』より
脚本:市川 森一
音楽:林 光
──────────
[出演]
松本 幸四郎 (天羽賢治)

大原 麗子 (三島典子)

柴田 恭兵 (荒木)
渡辺 謙 (楠田 武)
篠田 三郎 (三島啓介)
──────────
川谷 拓三 (川辺庄平)
泉 ピン子 (百蘭)
柳生 博 (白浜)
──────────
アグネス・チャン (張 美齢)
竜崎 勝 (久永大尉)

山内 明 (三島誠之介)
児玉 清 (島木文弥)

西田 敏行 (天羽 忠)
──────────
制作:近藤 晋
演出:佐藤 幹夫

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