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2018年2月 6日 (火)

プレイバック山河燃ゆ・(09)上海に一滴の涙を

天羽賢治は、UAP通信社の特派員として
天津に到着しました。

盧溝橋事件以来、戦火が広がりつつある現状で
今日も、空軍が天津上空から爆撃を加え
支那軍を封鎖したという号外が配られたところです。
まさに空軍の向かうところ敵なし、であります。

賢治は、数日のうちに天津から
上海の支局に向かうことになっています。

上海支局に到着した賢治。
出迎えてくれたのは、賢治の通訳として雇われた
楊 栄麗という若い女性でした。


UAP通信社が入るビルの
ひとつ下の階に「同盟通信」があり
その写真部に、川辺庄平がいるそうです。

一年ぶりに再会した庄平とともに向かった店には、
林田先生がいました。
何度か日本脱出を試み、今回川辺のカメラマン助手と
いうことにしてやっと脱出が成功したようです。

賢治はこちらに渡ってきて、北京から天津へと
日本軍が侵略して行った後を辿ってきてみて、
以前、林田と話し合ったことの意味を理解しました。

日本国内から中国を見た時に、この戦争は
中国民衆を助けるためのやむを得ないものと思っていましたが、
しかし実際は、中国民衆の救済と福祉増進をうたいながら
南北を分離して満州に国家を作り上げようと企むものである、と。

ひとりの中国人学生が、日本兵に引っ立てられながら叫んだ
その一言一言が、賢治は忘れることができません。
「立ち上がれ。祖国のために戦え」
「民族の生存のために戦え」
「国家の独立のために戦え」
「人権の自由のために戦え」


店の外では、栄麗が賢治のために用意したアパートに
案内するためにタクシーを待たせています。

それを待ちつつ、通りすがりの男から
小さい紙切れを渡された栄麗。
一瞬表情が変わりますが、直後に賢治が店から出てきます。
栄麗は、何事もなかったかのように賢治を案内します。

アパートの前まで連れてきてもらった賢治。
クレーバー支局長は好き嫌いがハッキリした人物と
栄麗に教えてもらいます。
好きなものはパイプだそうですが、キライなものは……。

「JAP (日本人)」
賢治を見据えて栄麗が答えます。


すぐに林田から、領事館警察や軍の特務機関につけられて
宿泊しているホテルに戻れそうにないので
今すぐアパートの裏の路地で会ってくれ、と電話が入ります。
すぐに賢治が向かうと、林田から分厚い封筒を預かります。

明日の夜7時までこれを預かって欲しいというのです。
もし、明日の夜7時にこの場所に自分が現れなかったら
明日の夜8時に、南京の『リラ』というチョコレートショップの
楊 瑞芳という女子学生にこの封筒を届けて欲しい、と言います。


翌日。
クレーバー支局長は、中国保安隊が
日本人居留民を襲ったという知らせを受け
賢治に通州へ取材に向かわせます。

日本人キライな支局長は、日本軍のせいだと決めつけ
どうして日本人はこんなに戦争好きなんだ! と
賢治を睨みつけますが、私が知っている日本人は
戦争好きはひとりもいない! と返すのが精一杯です。

アパートに帰った賢治は、ベッドの下に隠しておいた
林田から預かった封筒がなくなっていることに気づきます。
封筒がないまま、賢治はアパート裏の路地で林田を待ちますが
来ないので、約束通り『リラ』という店に向かいます。

「私は楊 瑞芳」と名乗る女に、
林田から預かっているものを渡して欲しいと言われますが、
暗号代わりとして、瑞芳が漢詩を朗読するので
こちらもそれに返して欲しいと言われていたはずです。

しかしこの女は漢詩を朗読するどころか
早く渡せの催促ばかり。
「君は何者だ」そう言って立ち上がった賢治は、
すぐ後ろに座っていた領事館警察に身柄を拘束されてしまいます。

さらに自分のことを聞かれても知らないし見たこともない。
名前も聞いたこともない。と答えるように林田に言われていて、
対面させられた林田の遺体を見ても、
「この人……誰です」と知らぬ存ぜぬを貫き通した賢治。

封筒を紛失して持って来ておらず、
そして賢治のアパートの家宅捜索でも何も出てきません。
証拠が出て来ない以上、
警察としては賢治を釈放せざるを得ません。


何もかもひっくり返されてごちゃごちゃになったアパートで
身体を休めていますと、背後で漢詩を朗読する声がします。
振り返ると、そこに立っていたのは栄麗です。
「私が、瑞芳です」

封筒の中身は、日本軍の上海派遣軍に関する機密文書でした。
その封筒が見つかっていれば、賢治は死刑になっていたそうで
合鍵を使って部屋に入り、栄麗が機転を聞かせて封筒を預かって
国民軍にそのまま渡したってわけです。

瑞芳を領事館警察に引き渡さなかった賢治に
栄麗は、御礼として情報を教えてくれます。
「今月9日夜、南停車場付近で日本の特務機関が
 何か事件を起こそうとしています」

その日の夜、栄麗に言われたように
南停車場にやってきた賢治と庄平。
1台の車が止まり、日本人らしき男が下りてくると
その男に向かって中国保安隊が銃を発砲します。


外務省の東郷茂徳の部屋に、島木課長が飛んできます。
海軍陸軍将校と民間人が突然何者かに撃たれて
殺害された、という電報が入ります。

高 宗武と重要な会談に入っていますが
その急報を受け、会談を中断して
南京に引き揚げたとのことです。

茂徳には、今後の筋書きもおおよそ理解できます。

まず現地の艦隊司令長官から、上海情勢は
一触即発の危機に瀕しているという報告が届き、
これを受けて上海への軍隊派遣を承認。
これで戦火は中国全土に広がって行くのです。


庄平が撮影したフィルムを何度も見直していて、
日本人民間人を殺害したのは中国保安隊……のように見えますが、
栄麗は日本の特務機関と言っていました。
よくよくチェックしてみると、襲ったのは、見覚えのある顔。

三島典子の婚約者・久永大尉です。
それに気づくと、賢治は全身強張らせて動けなくなります。


昭和12(1937)年8月9日、
上海海軍特別陸戦隊の大山勇夫らが殺害される。
日本側はこれを中国軍のしわざだと考え、上海事変のきっかけとなる。

昭和20(1945)年8月15日、
日本がポツダム宣言を受諾し第二次世界大戦が終結する。


あと8年──。


山崎豊子 作『二つの祖国』より
脚本:市川 森一
音楽:林 光
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[出演]
松本 幸四郎 (天羽賢治)

川谷 拓三 (川辺庄平)
竜崎 勝 (久永)
岡田 奈々 (楊 栄麗)
井上 孝雄 (林田)

鶴田 浩二 (東郷茂徳)
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児玉 清 (島木文弥)

西田 敏行 (天羽 忠)
──────────
制作:近藤 晋
演出:佐藤 幹夫

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