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2018年2月10日 (土)

プレイバック山河燃ゆ・(10)戦都

百蘭たち三門一門が、愛国演芸慰問団として
上海へ渡って行きます。

百蘭のもとで働いている三島典子は、天羽賢治会いたさに
上海行きをせがんで、一緒に渡ることになりました。
そのことを天羽 忠は、手紙で兄に伝えることにします。


上海・UAP通信社の試写室では、川辺庄平が撮影した
事件の映像をクレーバー支局長にも見せますが、
その中に、久永陸軍大尉がいることを賢治が主張しても
「見間違えじゃないのか」と相手にしてもらえません。

日本から取り寄せた新聞には、
会社員の山田晋吉・板井信之・吉田光夫の民間人3名は
南停車場付近を通行中、数名の中国保安隊に
機銃小銃で狙撃され即死した、と伝えてあります。

賢治がどれだけ、これが真実だと言っても
これが、日本海軍特別陸戦隊からの発表なのです。
「事実というのはいくらでも作ることができる」

そしてもし、この事実を掴んでいることが
日本の軍関係者に知れたら、
賢治や庄平は命はありません。

賢治は最初こそ、日本の軍隊が
卑劣なことはやるわけはないと信じていましたが、
実は軍がこういうことをやっているということを知った今
軍への信頼がガタガタと音を立てて崩れていっています。

クレーバーは、
キミはやっぱりアメリカ人だ、と賢治と握手します。


クレーバーが予測していた通り、
上海では間もなく市街戦が始まります。
日本の海軍が町を駆け回り、小銃を撃ちまくって
多くの犠牲者が出ています。

ちょうどそのころ、上海に到着した百蘭ですが、
町中が大騒ぎしているので、身動きも取れません。

ここから賢治のアパートまではそう遠くないみたい、と
典子はこの小銃撃ちまくりの中を行く意欲を見せますが、
百蘭は、そんな典子をかなり呆れています。


賢治のアパートには、久永が訪問していました。
陸軍から離れて上海に来ているので、
正確に言えばすでに“大尉”ではないらしいです。

久永は、ここを訪ねれば典子に
会えるのではないかと思ったなどと言っていますが、
賢治はこの一年間、中国をかけずり回っていたから
典子の消息なんて知りません。

ま、久永も、それがここへの訪問の理由ではないのですが、
楊 瑞芳を捕まえたものの、なかなか白状しないそうです。
自分は楊 栄麗と言って天羽賢治の通訳だ、と言われて
懐かしい名前に、訪問してみたのだそうです。

賢治は、釈放してやってほしいと久永に頼み
栄麗を引き取りに行くことにします。


栄麗が吊るし上げられ、ぐったりしています。
自分は瑞芳だとついに白状したのだそうです。

栄麗たちは目隠しをされ、並べられます。
秘密組織として動く久永は、彼らはスパイであると
死刑にしようとします。

「彼らに手を下してはならない。裁判にかけなさい」
賢治は必死に抵抗しますが、久永はやめません。
一人の男を鉄砲で撃ち、苦しむところで
賢治は久永に体当たりします。

賢治は、最大のカードである8月9日の事件について
ムービーカメラがそれを撮っていることを明かし、
そのフィルムを渡すことを条件に、
この6人の命の助命と釈放を乞います。

栄麗の身柄を預かった賢治は、自分のアパートに連れ帰り
彼女のために危険を顧みず薬や洋服の調達に走りますが、
のち彼女たちのグループの一員である男が何事か伝えに来て
すぐに去って行きます。

今夜中にこの町を脱出する、というのです。

栄麗はここに残ると言って聞きませんが、
賢治も栄麗がここにいては危ないと
栄麗の故郷・南京に帰るように説得します。


銃撃戦も収まったこともあり、典子は朝早く
賢治のアパートに行ってみることにします。

道に迷いながらたどり着いたアパート。
中からの「どうぞ」の声に胸を躍らせて入ってみると
そこにいるのは──久永でした。

忠が送った賢治への手紙が届いたばかりで
それを久永は読んだわけです。
「なるほど。この手紙に書いてある通りだ」

そこに中国軍が上海の空から爆撃を加え
そのどさくさに典子を自分のアパートに連れていき
気絶して動かない典子を無理矢理──。
「典子はオレのものだ。誰にも渡さない」


そんなことが起こっていることを知らない賢治は
UAP通信社にいました。

9日の事件は実は抗日メンバーであった栄麗に
情報提供してもらっていたこと、
久永たちに捕まっていた栄麗を助けるために
フィルムを渡す約束をしてしまったこと、

しかしフィルムを渡すつもりはなく、それを手に
上海から脱出するつもりでいたことを
クレーバーに告白します。

賢治が上海にいては危険だからと、クレーバーから
すぐに日本の東京支社に帰るように指示を受けます。
庄平のことは軍は何も知らないので、
しばらく残って取材を続けることにします。


何か食べておくといい、とクレーバーに言われますが、
こんな日に開いているお店は1軒もありません。
ただ庄平は、こんな日に開いているお店を知っています。
栄麗が連れていってくれた、おかゆを売るお店です。

クレーバーと賢治、庄平の3人はそのお店に入って
フウフウ言っておかゆを食べます。
「うまいでしょ」「うまいね」

このお粥の味を誰が変えたりできるものか。
誰もこの国を侵略することはできない。
どれだけ爆弾を落とそうと、どんなに殺そうと、
この国は決して滅びない──。

強く確信した賢治は、船に乗って帰国の途につきます。


昭和12(1937)年8月14日、
中国空軍が上海に空爆を行う。しかし日本軍艦には命中せず
上海租界の歓楽街を爆撃、千数百人の民間人死傷者が出る。

昭和20(1945)年8月15日、
日本がポツダム宣言を受諾し第二次世界大戦が終結する。


あと8年──。


山崎豊子 作『二つの祖国』より
脚本:市川 森一
音楽:林 光
──────────
[出演]
松本 幸四郎 (天羽賢治)

大原 麗子 (三島典子)

アグネス・チャン (張 美齢)
渡辺 謙 (楠田 武)
岡田 奈々 (楊 栄麗)
──────────
川谷 拓三 (川辺庄平)
泉 ピン子 (百蘭)
竜崎 勝 (久永)

西田 敏行 (天羽 忠)
──────────
制作:近藤 晋
演出:村上 佑二

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