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2018年2月16日 (金)

プレイバック山河燃ゆ・(12)大陸からの手紙

昭和12(1937)年12月10日、
南京城を占領し、南京は陥落します。

日本では、南京が陥落したことに対して
大喜びでデモ行進するなど、
戦争への盛り上がりは最高潮に達していました。

UAP通信社の窓から表通りのデモ行進を眺めながら
天羽賢治は、上海に行っていた時の通訳だった
楊 栄麗の安否を気にしています。

マリー田宮は、日本の兵隊さんは礼儀正しいから
大丈夫よ、と胸を張って答えていますが、
兵隊が礼儀正しいのは平和な時だけだ、と賢治。
「どんな人間でも戦場に出れば、奪い、犯し、殺す」


南京にいる川辺庄平は、
疲れ果てた表情で青空食堂に座っていましたが、
死んだら仕方がない、と若い女性が身に付けていた
腕時計とネックレスをもらってきたところに遭遇します。

あっ、と思って腕時計を改めると、確かに賢治のもので
賢治が栄麗に形見として渡したものです。
「この時計はめてた女性を……どうしたんだ!?」

庄平は日本兵につかみかかりますが、
兵隊と新聞記者では力の差は歴然です。
身体中にケガを負い、捨てられます。

助けようと手ぬぐいを貸してくれた女性をはじめ
南京の民衆みんなに、泣いて土下座して詫びる庄平です。


浅草の三門亭では、相変わらず忠が
呼び込みのアルバイトをやっています。
日本兵は通常30円のところを
25円に特別値下げして公演が開かれるのです。

その公演が終わり、百蘭はお呼ばれで
鮫島という事業家のところに出向きます。

鮫島は、アメリカ日系二世の忠を
2〜3年でいっぱしの男にしてみせる、と
百蘭から譲り受けることにします。
「祖国のためにひと肌脱いでみる気にはならんかね」

ということで、鮫島と忠は満州に渡ることになりました。


警察から釈放された三島啓介は、
父と妹が小樽へ行ったために実家を売ることになり
啓介は喫茶店リラの2Fに引っ越すことになりました。

その様子を、冷ややかに眺めている荒木です。


昭和13(1938)年元旦。
庄平からの手紙が賢治のところに届きます。

「南京は地獄です。我々日本人が地獄に変えてしまいました」
さらに手紙では、消息を探していた栄麗の死を伝えています。

悲しみに暮れる間もなく、
酒に酔った忠が年始の挨拶に訪れます。
忠は、日本で不足している水銀を得るために
満州に渡ることを賢治に打ち明けます。

日本人として祖国の役に立ちたいんだ、と熱い思いを語る忠に
自分の国のためなら他所の国を土足で踏みつけにしていいのか!
祖国のためなら人殺しをしてもいいのか! と涙が出てきます。

祖国のためだったらどんな人とも戦う。
それが当たり前のことじゃないのか!
「兄貴は……非国民だ!」


しかし、忠が満州に渡るための元手にしようと思っていた
大日本工業の株が暴落。
水銀の工場が爆破されたらしいのです。
鮫島は、武運を祈る、と忠と別れることにします。

おいてけぼりを食う忠。

日本は南京陥落の狂乱がウソのように大人しくなり
戦時統制経済が国民の間に浸透しつつあることを
示していました。


昭和12(1937)年12月10日、
日本軍が南京攻撃を開始する。

昭和20(1945)年8月15日、
日本がポツダム宣言を受諾し第二次世界大戦が終結する。


あと7年10ヶ月──。


山崎豊子 作『二つの祖国』より
脚本:市川 森一・香取 俊介
音楽:林 光
──────────
[出演]
松本 幸四郎 (天羽賢治)

大原 麗子 (三島典子)

アグネス・チャン (張 美齢)
手塚 理美 (マリー田宮)
岡田 奈々 (楊 栄麗)
柴田 恭兵 (荒木)
篠田 三郎 (三島啓介)

川谷 拓三 (川辺庄平)
柳生 博 (白浜)
日下 武史 (鮫島)
──────────
泉 ピン子 (百蘭)
高森 和子 (ひさ)
山内 明 (三島誠之介)
児玉 清 (島木文弥)

西田 敏行 (天羽 忠)
──────────
制作:近藤 晋
演出:佐藤 幹夫

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