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2018年2月11日 (日)

大河ドラマ西郷どん・(06)謎の漂流者 〜好きと思う心〜

島津斉彬が興行した相撲大会で見事に優勝した西郷吉之助。
そこでご褒美が下されるかと思いきや、現れたのはまさかのラスボス。
斉彬本人です。

周囲の者たちがハラハラと見守る中、
遠慮は要らん、という言葉を鵜呑みにして
斉彬を投げ飛ばしてしまった吉之助は顔面蒼白。
そのまま牢に投げ込まれてしまいます。

弟の西郷吉二郎が慌てて家族に知らせ、
吉之助のことを好いている糸は、一目散に駆け出して行きます。


一方、牢に入れられた吉之助は、
同じ牢にひげ面の男が座しているのを発見します。

多少怖じ気づきながらも自己紹介すると
男は、聞いたことのない歌を口ずさみます。
Mid pleasures and palaces
though we may roam...


吉二郎の話では、もしかしたら切腹の可能性も、ということで
いたたまれずに駆け出した糸ではありましたが、
実際のところは、切腹の沙汰は下っていないらしく
ひとまずのところはホッとして引き揚げる糸と仲間たち。

無我夢中で吉之助が捕らえられている西田下会所へ駆けていったので、
糸は我に返ると、自分はどうしてここに来たのか訳が分かっていません。
それが吉之助への恋であることに気づくのには、
あと少し時間がかかりそうです。

しかし西田下会所に行ったことが父にバレ、
縁談話がまとまるまでは家から一歩も出てはならん、と
軟禁状態となってしまいます。


牢の吉之助と謎の男には、水と握り飯が与えられ
疑って口をつけようとしない謎の男には、
吉之助が先に一口入れて毒入りでないことを証明してから
飲み食いさせていました。

すると門番が突然、謎の男に斬り掛かります。
吉之助も慌てて門番を突き放し、謎の男の前に立ちはだかりますが
聞けば、その謎の男に琉球での密貿易を見られたらしく
いま殺しておかなければ薩摩藩が潰されてしまう、ということらしいです。

しかし吉之助は相撲大会の優勝者、
門番ごときが勝てるはずもなく、アッという間に仕留めたのですが
極度の緊張からか、謎の男は意識を失って倒れてしまいます。
牢を出た吉之助は、謎の男を実家に引き取ります。

翌朝、目を覚ました男は
西郷家ファミリーに囲まれてビックリして飛び起きます。
母の満佐がゆっくりと名前を尋ねると、満佐を見つめて答えます。
「ジョン、マン……」


メリケン語が出来る大久保次右衛門のせがれ、ということで
大久保正助に通訳の白羽の矢が立ちまして、
たどたどしい言葉でジョン・マンに言葉をかける正助。

正座をし、箸を器用に使って食事をする姿に
満佐は感心して眺めていますが、
メリケン人がそんな器用に箸を使えるはずがないという
正助の言葉に、ジョン・マンはブッ!! と咽せてしまいます。

「世話になっとなら、本当のことを言うた方がよか」
正助の言葉に、真顔になるジョン・マンです。


実は、島津家家臣の山田為久から、
どのような手を使っても構わないから
その男がメリケンから薩摩にやって来た真意を探れ、
という密命を帯びているのです。

スキを見て、逃げ出そうとしたジョン・マン。
しかし吉之助にたちまち捕まえられますが、
西郷小兵衛という幼い末の子を寝かしつける満佐を見て
おっかあ、と呟いて泣き出します。

吉之助は、ジョン・マンが土佐中ノ浜に住む母のことを思って
危険を顧みずメリケンから日本に戻って来たらしい、ということを
斉彬に報告します。
斉彬は、この短期間に心を開かせた西郷の力に驚きます。


半月後、斉彬が調査させたジョン・マンの母親は息災だと報告があり、
ともに喜ぶ西郷ファミリー。
ジョン・マンはそこで、自分が土佐の漁師・万次郎であることを明かし
漁をしていて嵐に飲まれ、メリケンの船に助けられた経緯を話します。

その翌日、斉彬は万次郎を召し出し、
メリケンの船がやって来る真意を聞き出します。
万次郎曰く、船で世界一周していると、水や薪、食糧などが
必要になるわけで、そのために各地に寄港地を設けたいのだとか。

日本を支配したい、というよりも、日本と商いをしたいという目的なのです。
ただ、長らく続いて来た鎖国制度が日本にはあり、
それが元で要求を突っぱね、軍艦を打ち払ったなら──。
「恐らく戦になりますろう。日本が勝つのは、無理ですろう」

しかし一介の漁師が、外交や政治について語れるというのは
斉彬にとっても目からウロコです。
万次郎曰く、漁師でも百姓でも、学びたいものは誰でも学べるし
精進を重ねれば金持ちにも大統領にだってなれる、と。

斉彬は、メリケンの底力はそこにある、と
万次郎が土佐に戻るまでの間に、いろいろ教授してもらいます。


今回のことを評価された吉之助は、褒美を取らせると言う斉彬に
万次郎と自分との言葉の壁を取り持ってくれたのが大久保正助であるとし
正助と次右衛門の処分取り消しを乞い願います。

今すぐの処分取り消しはできないながら、
薩摩藩に残るやっかいなことを片づけてしまってから、という斉彬は
それまで精進して待つように吉之助に伝えます。


正助は、放免の口添えをしてくれた吉之助に感謝しつつも
早くしないと糸と海老原の結婚話がまとまってしまう、と
その話を止めるように吉之助にハッパをかけますが、
糸の気持ちに気づかない吉之助は、なんで自分が? と怪訝な顔。

正助は、吉之助の妹・西郷 琴と下男・熊吉に頼み込んで
赤山靭負の月命日だと偽って糸を外に連れ出します。
その墓前で待っていた正助は、自分の気持ちを自分らしく
吉之助に伝えるべきだと背中を押します。

小さく礼を言った糸が西郷家に足を踏み入れると
父・吉兵衛から意外な言葉を聞かされます。
「実はのう、うちの吉之助が嫁をもらうことになったんじゃ」

その言葉の終わりを聞く前に、フラフラと家を後にします。


橋の上から川の流れを眺めていた糸。
その横にニョキッと現れる吉之助。
ヒャッ!! とのけぞる糸ですが、やはり
思った人が目の前にいると表情は変わります。

吉之助に縁談話があると知り
糸は海老原家に嫁ぐ決心を固めますが、
糸は吉之助の目を見て思いを伝えます。
「岩山 糸は、西郷吉之助さぁのことを好いちょいもした」

目を丸くして驚く吉之助。

そいなら、と駆け出す糸。
吉之助が見えなくなったところで、泣き崩れます。
ほどなくして、糸は海老原家に嫁いでいきます。


嘉永4(1851)年5月8日、
薩摩藩主に就任した島津斉彬が薩摩にお国入りを果たす。

明治10(1877)年9月24日、
西南戦争で西郷隆盛が討ち死にするまで


あと26年2ヶ月──。

(大河ドラマ『翔ぶが如く』では第2回「新藩主お国入り」付近)
(大河ドラマ『篤姫』では第4回「名君怒る」〜第5回「日本一の男」付近)


原作:林 真理子
脚本:中園 ミホ
脚本協力:三谷 昌登・小林 ミカ
音楽:富貴 晴美
タイトル映像・題字:L.S.W.F
語り:西田 敏行
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[出演]
鈴木 亮平 (西郷吉之助)
瑛 太 (大久保正助)
黒木 華 (岩山 糸)
桜庭 ななみ (西郷 琴)
北村 有起哉 (大山格之助)
高橋 光臣 (有村俊斎)
渡部 豪太 (西郷吉二郎)

堀井 新太 (村田新八)
塚地 武雅 (熊吉)
水野 久美 (西郷きみ)
大村 崑 (西郷龍右衛門)
──────────
藤 真利子 (大久保 福)
徳井 優 (山田為久)
劇団 ひとり (謎の漂流者)
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風間 杜夫 (西郷吉兵衛)
松坂 慶子 (西郷満佐)
渡辺 謙 (島津斉彬)
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制作統括:櫻井 賢
    :櫻井 壮一
プロデューサー:藤原 敬久
演出:盆子原 誠


◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『西郷どん』
第7回「背中の母」

デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜

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