大河ドラマ西郷どん・(12)運の強き姫君 〜私を連れて逃げて〜
重病も峠を越し、一命を取り留めた島津斉彬は
安政2年、お由羅騒動で処罰された人々に対する
特赦令を出します。
そして大久保正助の父・大久保次右衛門も
ようやく鹿児島に戻ってきました。
将軍家へのお輿入れが決まらぬまま、
篤姫が江戸にやって来て2年の月日が
いたずらに過ぎようとしていました。
老女幾島も、焦りの色が見え隠れし
斉彬に催促もしているのですが、
横やりが入ってうまく事が運びません。
横やりを入れているのは彦根藩主の井伊直弼であることは
幾島にはよく分かっています。
幾島は、将軍徳川家定の子を誰よりも願っているはずの
母上・本寿院に近づいてみるのも手、と斉彬にアドバイスします。
「公方さまは大ウツケ、世継ぎは作れぬ」
一橋慶喜がそう言っていたことを思い出し
西郷吉之助は、少々不安顔です。
鹿児島の重富島津家にも、
もがき苦しむ青年がひとり現れておりました。
島津久光が、宝島の件で書物を探していたことに関連し
差し出がましくも、似たような内容の書物も
お届けに上がっていた正助であります。
その書物に、正助から久光宛に手紙を挟んでおきました。
此度の御赦免には、あなた様の
なみなみならぬお働きがあったとの噂を側聞し
何としても御礼申し上げたく無礼を省みず筆を執りもした
この大恩を生涯忘れることなく忠義を尽くすこと
お誓い申し上げます──
表立った、目立ったことはしなくても
久光に自分の印象を強く植えつけるためだけに
動いている正助です。
江戸城大奥。
立て続けに御台所を亡くした家定。
その生母・本寿院が、大奥最大の権力者であります。
大奥に入り、本寿院に対面した幾島。
本寿院から、斉彬への礼を言われますが
それがどんな意味を成しているかはお見通しです。
「知らぬ顔もできませぬな」
本寿院は、篤姫の輿入れの話が上手く進んでいないと聞き
自分たちの後押しが必要なのだと感じています。
本寿院が嫁となる女子に望むこと、それは
家定をひとりにしてほしくない、ということであります。
幾島は、篤姫は身体が丈夫で恐ろしく運が強いことをアピール。
運が強い篤姫ならば、家定と添い遂げるに違いない、と。
秋。
家定との婚儀が12月と決定し、
その通知が薩摩藩上屋敷に届きます。
篤姫は、これまでの“薩摩の姫としての教育”に対して
幾島に礼を言いつつ、
今後は“将軍御台所としての教育”を頼みたい、と
手をついてお願いしています。
幸せになれると信じて、柔和な笑みを浮かべる篤姫。
吉之助は、篤姫を見ていると
「お篤はな、不幸になる」という
斉彬の言葉が思い出されて仕方ありません。
斉彬は篤姫に初めて茶を点てます。
斉彬は、家定のことを正直に打ち明けます。
家定は病弱で、子を授からないであろうことも。
女として生まれ、母として子を抱くこともなく
大奥に一生を捧げなければならない。
篤姫の本当の役目、それは
江戸城大奥に入り、次期将軍を一橋に決めてくれるよう
家定の心を動かすこと、それに限る、と。
「不幸になってもかまいません。お父上のためなら」
絞り出すように斉彬に言うのがせいいっぱいの篤姫。
少なからずショックはあるようです。
その日の夜、しとしと長雨の降る中
江戸の町を大地震が襲います。
吉之助は斉彬の元に駆けつけ、無事を確かめると
そのまま篤姫の部屋に向かいます。
柱が倒れかかるのを食い止め、
吉之助は篤姫に早く避難を勧めますが
篤姫は逃げようとしません。
「西郷、一緒に逃げておくれ」
父も薩摩も関わりないような遠いところに連れて逃げて欲しい。
そう言う篤姫に、吉之助は頷きます。
どこまででん篤姫さまをお守りして
どげな遠かところまででんお供つかまつりもす──。
吉之助の言葉が篤姫には嬉しかったわけです。
それだけで篤姫は満足です。
遅れて幾島も篤姫の部屋に駆けつけて来て
今までの弱気な篤姫から、いつも通りの篤姫へ。
吉之助にとって、その夜のことは
生涯忘れることのできない出来事でした。
安政2(1855)年10月2日、
午後10時ごろ、関東地方南部で安政の大地震が発生し
藤田東湖らが犠牲となる。
明治10(1877)年9月24日、
西南戦争で西郷隆盛が討ち死にするまで
あと21年11ヶ月──。
(大河ドラマ『翔ぶが如く』では第7回「篤姫お輿入れ」付近)
(大河ドラマ『篤姫』では第16回「波乱の花見」〜第17回「予期せぬ縁組み」付近)
原作:林 真理子
脚本:中園 ミホ
脚本協力:三谷 昌登・小林 ミカ
音楽:富貴 晴美
タイトル映像・題字:L.S.W.F
語り:西田 敏行
──────────
[出演]
鈴木 亮平 (西郷吉之助)
瑛太 (大久保正助)
桜庭 ななみ (西郷 琴)
北村 有起哉 (大山格之助)
高橋 光臣 (有村俊斎)
渡部 豪太 (西郷吉二郎)
徳井 優 (山田為久)
塚地 武雅 (熊吉)
水野 久美 (西郷きみ)
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北川 景子 (篤姫)
松田 翔太 (一橋慶喜(回想))
高梨 臨 (ふき(およし))
又吉 直樹 (徳川家定)
藤 真利子 (大久保 福)
青木 崇高 (島津久光)
藤木 直人 (阿部正弘)
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泉 ピン子 (本寿院)
平田 満 (大久保次右衛門)
南野 陽子 (幾島)
佐野 史郎 (井伊直弼)
渡辺 謙 (島津斉彬)
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制作統括:櫻井 賢
:櫻井 壮一
プロデューサー:藤原 敬久
演出:津田 温子
◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆
NHK大河ドラマ『西郷どん』
第13回「変わらない友」
次回は4月8日(日)放送!
デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜
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