プレイバック山河燃ゆ・(33)誰が故郷を思わざる
1945(昭和20)年2月・ルソン島。
海岸から攻め寄せて来たアメリカ軍の攻撃に
日本軍は大打撃を食らいます。
日本軍にとって、次第に不利な戦況となりつつありますが
それでも祖国を守ろうと勇敢に戦い続けています。
アメリカ軍では、天羽賢治が大尉に呼び出されます。
語学兵の優秀さを認めつつも
投降を促すビラの効果についてかなり疑問に感じていて、
欧州ではビラ5,000枚に対し5万の敵兵が投降したというのに
リンガエンの日本兵に10万のビラをまいても投降者はゼロ。
あくまでも語学兵の役割は
敵文書の翻訳であることを念押しされます。
賢治は、勤務中は敵文書の翻訳をすることを約束し
睡眠時間を削ってビラの作成を続けることにします。
そして、敵の最前線にまで出て
拡声器で日本兵に投降を呼びかけるアナウンスを行いますが
その正義感だけで最前線に出たために日本軍の攻撃を受け
優秀な教え子のジロー大野を死なせてしまいます。
その失望と、遅々として進まない投降活動に
自分の無力さを痛感する賢治は涙を浮かべます。
ルソン島の山の中をさまよう鬼頭軍曹や天羽 忠たちですが
マラリアの病に倒れ、あるいは気が狂って、あるいは餓死で
あるいは敵軍の突然の攻撃で次々と仲間たちが戦死していき
大勢いた人数も片手で足りるほどにまで減ってしまいました。
忠の幼なじみの伊佐新吉ですが、足に銃弾を浴び
忠たちが支えて行軍してきましたが、それももう限界で
これ以上ともに行動することができなくなりました。
落野中将は、ここまでようやくたどり着いたものの
本隊がバギオに向かったことを知ると、
伊佐はここで置いていき
ここに残ると言った忠は連れていくことにします。
英語が堪能な忠は、アメリカ軍と遭遇したときに
会話面で充分役に立つからです。
忠は夜通しで伊佐のそばにいて、
幼なじみとの今生の別を果たします。
アメリカ軍は、
山本将軍がいるバギオに向かうことにします。
バギオに向かうのは明後日、
それまでのギリギリの時間で
投降活動を続ける賢治に、焦りの色が……。
山崎豊子 作『二つの祖国』より
脚本:市川 森一・香取 俊介
音楽:林 光
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[出演]
松本 幸四郎 (天羽賢治)
矢崎 滋 (伊佐新吉)
村野 武範 (落野中尉)
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綿引 勝彦 (鬼頭軍曹)
西田 敏行 (天羽 忠)
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制作:近藤 晋
演出:松岡 孝治
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