徳之島、沖永良部島に流されて1年半、
西郷吉之助は薩摩に薩摩に戻ります。
かつての奄美大島の暮らしを加えると
実に5年半もの島暮らしであります。
今や国父として薩摩藩の実権を握る父・島津久光は
西郷は薩摩に止めておけと厳命し、自らは京に行ってしまいました。
藩主の島津茂久は、力のない自分は飾り物と卑下していますが、
家臣たちの意見はよく聞きたいという気持ちから
久光に同行する大久保一蔵の、西郷を京へと求める申し出を受けて
久光に無許可で、あくまで藩主権限で西郷を京に送り出します。
ボロボロの屋敷前でさんまを焼いているダルマのような男に
一蔵は、西郷が京に向かっていることを報告しますが、
一蔵の話より、さんまの方に気持ちが行っているようです。
「あーっ熱っ熱っ……このままでは終わらへんで」
この男こそ、岩倉具視──。
お座敷では、酒をあおる武士に踊る武士がいますが
踊りが下手すぎて、見ていられません。
「おい! いい加減にしねえか」
ひょっとこのお面を取った武士は、ひょっとこのように口をすぼめて
また叱られたぜよ、と苦笑いです。
そう、踊っていたのは坂本龍馬、龍馬を叱ったのは勝 麟太郎です。
その龍馬が、会いたい人がいる、と勝に話をします。
「勝先生、知りませんろうか。西郷吉之助」
吉之助は、維新へ向けた革命の第一歩を踏み出したのです。
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