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2018年8月27日 (月)

プレイバックいのち・(15)花嫁の父

昭和28(1953)年12月に戻ってきた高原正道の身体は
8年に渡るシベリア抑留の厳しい生活で
再起不能の病魔に蝕まれていました。

一方で、高原佐智は中川邦之からの求婚を断っていて
それが高原未希は自分を責め続け、
仕事上でも処方箋を作り忘れたり
カルテの名前を書き間違えたりとミスが頻発しています。

見かねた村中ハルは、事情を未希から聞き出し
理由も言わずに断るなんて、と厳しい顔です。

佐智は、邦之のことが好きだからこそそばにいたくないのです。

一緒にいるのは邦之が可哀想すぎると言いたいわけです。
邦之のような心根の優しい男性なら、誰とでも結婚できる。
邦之の幸せを祝福できる、佐智はそんな気持ちなのです。
「私はひとりで大丈夫。ひとりがいいの」


中川家では、邦之が佐智との結婚を認めてもらおうと
両親(修造・トキ)や兄・忠之に話をしますが、
佐智との結婚には反対されます。

佐智の不自由な足のことは
彼らのひとつの都合の良い理由だとして、
忠之やトキの本音は、没落地主の娘を
嫁に取りたくないというのが本当でしょうか。

邦之には確かに縁談が舞い込んで来ていて
そちらの方が幸せになれると両親は考えているのですが、
邦之は、何としてでも佐智と結婚したいと言い続けます。

冷静に考えろ、と修造に言われても
冷静に考えるだけの時間が残されていません。
たとえ勘当されたとしても、進む道が違うと諦めて
佐智と一緒になるつもりでいる邦之です。

部屋に閉じこもる邦之を追いかけて
忠之の妻・中川圭子が1通の手紙を持ってきました。
未希からの手紙です。

それに目を通す邦之の表情が、みるみる鬼のようになります。


翌朝、邦之が佐智に会いに来ました。

「同情や哀れみで結婚してもらっても少しも嬉しくない」
佐智は邦之にハッキリと告げますが、
そんなつもりはさらさらありません。

邦之は正道に佐智との結婚を認めてもらうために来ました。
そこで佐智は、正道の本当の病状について邦之に聞かされます。
病気はかなり進行していて、明日をも知れぬいのちだ、と。
だから、正道が元気なうちに佐智の花嫁姿を見せておきたい。

どんな状況であっても耐えられる。
佐智がそう思っているなら、自分に黙ってついてこい。
今は反対している両親や兄も、佐智が耐えてくれさえすれば
いずれは分かってくれる。

邦之の胸に顔を埋める佐智です。


邦之は正道に佐智との結婚を報告します。
佐智に異存がないことを確認すると
父親としては反対する理由はありません。

その正道は、翌朝弘前の中川酒造に出向き
修造・トキに挨拶します。

トキは未だに反対の立場ですが
当人同士の意思で結婚できるとはいえ
両親に祝福されない結婚式は避けたいところです。

親としては何もしてあげられません。
それが正道には不甲斐なく感じておりまして、
邦之の求婚の申し出を有り難く感じています。

大地主だった正道に頭を下げられては
修造としても面目が立ちません。
「あまり出来の良い息子ではありませんが
 高原さんにもどうか可愛がっていただいて」

正道は、死んだ妻・千恵にも顔向けできると
大粒の涙を流して喜びます。


邦之から電話があり、
両親が結婚を認めてくれたと報告がありました。
佐智はその時、初めて正道が中川酒造まで出向いて
邦之の両親を説得してくれたことを知ります。

お父さん、邦之さんのご両親に
結婚のお許しをいただきました。
お父さんのおかげです──。

佐智は、弘前から戻って疲れて寝ている正道に
つぶやきます。


昭和29(1954)年の高原家の元旦は、
晴れやかで豪華に祝われます。

佐智の結納は1月に行われますので、
結婚式は、桜やりんごの花が一斉に咲く
5月ごろがいいのでは、と正道が勧めます。

それまでは、花嫁支度が必要となりますが
着物は母・千恵のお下がりでいいと佐智は言うし
調度品も使えるものは佐智に持っていってもらおうと
未希は考えています。

正道は、未希も佐智もここまで立派な女性に成長したのは
ひとえに工藤清吉・イネ夫婦が支えてくれたからだとし
手をついて礼を言います。
「二人のために、長生きしてやってくださいね」


2月、浜村直彦が高原家を訪れます。
去年8月に受験したフルブライト奨学資金試験の
合格を報告しに来たのです。

予定では7月に日本を発ち
シアトルの大学の医学部に2年間通うことになります。
生活費、学費、往復の旅費、すべて奨学金で賄えます。

ひととおり報告を終えて、直彦はついでに正道を診察します。
状況は、やはり悪化の一途でありまして
肺機能は検査時より悪くなっているし
肝臓も腫れがひどくなっているようです。

5月初旬の結婚式には、とても間に合いません。
「覚悟しておいた方がいい」と直彦は厳しい表情です。


急きょ、結婚式は3月中旬に繰り上げることになりました。
邦之のたっての願いで、ということにして
正道も渋々承服します。

そして迎えた結婚式当日。
千恵も袖をとおした花嫁衣装で佐智に着付けます。

「お父さん……お世話になりました」
「お母さんだって満足してるよ。
 お母さんと一緒にお嫁に行くんだから。
 何よりの親孝行だ」

弘前の中川家で、邦之と佐智の結婚式と
披露宴が盛大に行われます。


その日は正道も未希も弘前に泊まり
帰宅したのは翌日の午後でした。

正道は、少し横になりたいと言って自室に入り、
未希やハル、清吉、イネたちも
正道が起きてくるまではゆっくりしましょう、
ということになりました。

しかし正道は、横になったはずが
家を抜け出して、深い雪道をゆっくり進んで
千恵の墓前に来ていました。

正道は日本酒を持って来ていまして
祝杯をあげたかったのです。

──千恵、祝杯だ。
  佐智が嫁に行った。
  君も佐智を心配していたんだろう。
  いい人に巡り会えてね、君の花嫁衣装を着てね、
  まるで君を見ているようだった。
  そりゃあ幸せそうでね。
  千恵、やっと千恵のところに行けるときが近づいたようだ。
  もう思い残すことは何もないわ──

正道は、もはや一人前の医者である未希が
直彦と一緒に所帯を持ちそうな気がすると予言します。

どこからか、千恵が愛したメロディのオルゴールが聞こえて来て
正道はその音を楽しんでいましたが、
お墓に寄り添うような形で倒れ、亡くなります。

高原家では、正道の姿がないことで
大騒ぎになっている最中のことでした。


作:橋田 壽賀子
音楽:坂田 晃一
語り:奈良岡 朋子
──────────
[出演]
三田 佳子 (高原未希)
石野 真子 (高原佐智)
役所 広司 (浜村直彦)
渡辺 徹 (中川邦之)
──────────
大坂 志郎 (工藤清吉)
赤木 春恵 (工藤イネ)
菅井 きん (岩田テル)
──────────
伊武 雅刀 (岩田剛造)
泉 ピン子 (村中ハル)
丹波 哲郎 (高原正道)
──────────
制作:澁谷 康生
演出:布施 実

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