« プレイバックいのち・(08)姉妹(あねいもうと) | トップページ | プレイバックいのち・(09)若者たち »

2018年8月 5日 (日)

大河ドラマ西郷どん・(29)三度目の結婚 〜国を動かす男の妻〜

徳川慶喜に長州征伐を一任された西郷吉之助は
長州藩内に、謝罪止むなしの動きがあることをくみ取って
力づくで戦をするのではなく、話し合いによって
長州藩を征伐する手法を摂り、実行します。

しかし慶喜は、それは幕府への裏切り行為だと大激怒。
吉之助と慶喜は仲違いをし決別、薩摩に帰ることにします。
薩摩では、吉之助の活躍ぶりを聞いた藩の役人たちが
こぞって頭を下げ、吉之助を出迎えます。

その中には、農民から賄賂をもらってのうのうと生きていた
井之上までおりまして、吉之助は過去のことには触れず
下手に出て挨拶しています。

薩摩藩主・島津茂久も、
禁門の変で受けた足の鉄砲傷をいたわってくれて
吉之助の活躍ぶりを耳にしているようで大喜びで出迎えますが、
実父(国父)の島津久光は、さほど喜んでいるようには思えません。

とはいえ、茂久にせかされて
「大儀であった」とイヤイヤながら言う久光です。


「もう幕府に日本国を任せてはおけん」
吉之助は大久保一蔵を連れ出し、打ち明けます。
このままなら、日本は異国ではなく幕府に滅ぼされてしまう。
長州征伐も、力ある薩摩に長州を潰させ、両方の自滅を狙ったのだと。

慶喜が守り抜く幕府なら、もう潰すしかありません。
自分たちは日本を守り抜かねばならない。
しかしそれを聞いた一蔵は、頷けません。
薩摩は幕府の中枢に入って政治の実権を握りたいのです。


日本全国を飛び回る西郷家の長男・吉之助に代わって、
西郷家を預かる吉二郎に園という妻が嫁いできておりました。
そしてそのお腹には赤ちゃんもいるようで、吉之助は大喜びです。

しかし妹の市来 琴は改まって、兄に妻を娶って欲しいと。

翌朝から、吉之助の嫁を公募(?)しまして
多数の女たちが西郷家に集まります。

吉之助の働きかけにより、
沖永良部島で一緒だった川口雪篷が
島から薩摩に戻され、西郷家の食客となります。


吉之助は急きょ城から呼び出しを受けます。
久光が幕府と掛け合って取りやめさせていた参勤交代を
幕府は3年ぶりに再開すると言い出したのです。

長州征伐の策が裏目に出てしまったと
吉之助は涙を流して久光に詫びます。
その涙に驚いた久光は、しどろもどろになり
一蔵に吉之助の尻拭いを命じることしかできません。

一蔵は、吉之助が久光に取り入ろうとしているのが分かりますが、
吉之助にとってそんなことが最も苦手であることも分かっております。

それを追及する一蔵に、吉之助は衝撃的な告白をします。
慶喜は近々、再び長州を征伐するに違いありません。
そうなれば薩摩に出陣命令が下されるのも予見されますが
「じゃっどん……薩摩は長州の味方につく」

薩摩と長州が手を組めば、他藩もどんどん味方になる。
そのために久光に媚びへつらって、
気持ちをそう向けさせなければなりません。


帰宅した一蔵に、琴と大久保満寿が
吉之助の嫁取りの話をしていますが、
一蔵は明朝京に発ち、吉之助もいずれ京に向かうため
嫁など選んでいる暇はなか、とご機嫌斜めなご様子。

しかし、琴が帰った後で、一蔵は満寿につぶやきます。
「ちょっ調べてほしか人がおる。海老原 糸じゃ」


満寿の仲介で、岩山直温と糸が西郷家を訪問します。

糸は吉之助とは幼なじみで、いろいろなエピソードを持つ女性ですが
糸は海老原家から離縁されて岩山家に戻ってきたのです。
周囲のノリから、糸の再婚話となるわけですが、
当の本人は当惑して遠慮しています。

ただ、満寿が伝えたかったことは、
吉之助が京や江戸に出向いている間も
貧乏ながらしっかりと西郷家を守る嫁御が必要だと。
それが糸だと見極めて、ふたりをめあわせたのだと。

そんな時、園が産気づいて、
足の速い糸が産婆さんを呼んできてくれまして
無事、女の子を産みました。

「私は……西郷家の嫁にはふさわしくありもはん」
糸が離縁されたのは、子どもができなかったからなのです。


吉之助は岩山家に糸を訪ねます。
まずは、みんなが吉之助の嫁取りの話で
寄ってたかって話を無理矢理仕向けたことを詫びますが、

「糸さあさえ良ければ……あん家に来てくれもはんか」
と思い切った告白です。

しかし何度も言うように、子どもができなくて離縁された糸です。
その運命を気張って背負っているようにも見えた吉之助は
そんなことは天に任せもんそ、と優しく笑うのです。

吉之助には、女を哀れんだり、恋をしたりという暇はありません。
しかし、天地がひっくり返るようなことをしようとする吉之助は
一蔵には分かってもらえませんでしたが、糸なら分かってくれそうな……
それだけで、どれだけ心強いか。

「すんもはん……」
糸に断られてしまいます。


そんな糸の気持ちを、父の直温はしっかりと見ていました。
自分が決めた縁談で無理矢理嫁がせ、傷ついて帰ってきた愛娘。
今度は糸自身が決めたらいい、と背中を押したのです。
「西郷殿は、今朝旅立つち。もう二度と会えぬかもしれんど」

吉之助を追いかけて、追いついた糸。

死んだらやっせん。待っちょいもす……。
「西郷吉之助の妻として、新しか国を一緒に見たか!」


慶応元(1865)年1月28日、
西郷吉之助が薩摩藩家臣として嫁取りを藩主父子から勧められ、
家老座書役の岩山直温の次女・イトと結婚する。

明治10(1877)年9月24日、
西南戦争で西郷隆盛が討ち死にするまで


あと12年7ヶ月──

(大河ドラマ『翔ぶが如く』では第24回「新たな契り」付近)
(大河ドラマ『篤姫』では第41回「薩長同盟」付近)


原作:林 真理子
脚本:中園 ミホ
脚本協力:三谷 昌登・小林 ミカ
音楽:富貴 晴美
タイトル映像・題字:L.S.W.F
語り:西田 敏行
──────────
[出演]
鈴木 亮平 (西郷吉之助)
瑛太 (大久保一蔵)
黒木 華 (岩山 糸)
桜庭 ななみ (市来 琴)
北村 有起哉 (大山格之助)
高橋 光臣 (海江田武次)
渡部 豪太 (西郷吉二郎)
柏木 由紀 (西郷 園)
──────────
井戸田 潤 (桂 久武)
塚地 武雅 (熊吉)
──────────
美村 里江 (大久保満寿)
松田 翔太 (一橋慶喜(回想))
塩野谷 正幸 (岩山直温)
青木 崇高 (島津久光)
──────────
石橋 蓮司 (川口雪篷)
──────────
制作統括:櫻井 賢
    :櫻井 壮一
プロデューサー:小西 千栄子
演出:堀内 裕介


◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『西郷どん』
第30回「怪人 岩倉具視」

デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜

|

« プレイバックいのち・(08)姉妹(あねいもうと) | トップページ | プレイバックいのち・(09)若者たち »

NHK大河2018・西郷どん」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« プレイバックいのち・(08)姉妹(あねいもうと) | トップページ | プレイバックいのち・(09)若者たち »