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2018年9月23日 (日)

大河ドラマ西郷どん・(36)慶喜の首 〜激戦の行方・慶喜逃亡〜

薩摩を中心とする新政府軍は、
天皇の軍として京の守りを固めていました。
一方、都を追われた旧幕府軍は、
大坂城から御所へ向けて進軍を開始。

そして慶応4(1868)年1月2日、
両軍が鳥羽と伏見で相対したのです。

1月3日夕刻、鳥羽伏見の戦いが始まりました。

大砲の音が徐々に近づいているのではないか、と
御所内でうろたえる公家たちに迫られても、
まだまだや、と冷静に受け答えする岩倉具視。

大久保一蔵は岩倉の元にかけつけ、
戦況が不利であることを告げます。
兵力で勝る旧幕府軍の猛攻に対し、
新政府軍は劣勢を強いられていたのです。

あれの出番や、と岩倉に指示されて出されたものは錦の御旗でした。
500年以上も前に、後醍醐天皇が掲げた旗印で
誰も見たこともないこの旗を
岩倉の独断で新政府軍に掲げさせたのでした。

旧幕府軍は、その錦の御旗に恐れをなして戦場から逃亡。
西郷吉之助は、大坂まで追い討ちをかけて
大将の徳川慶喜の首を取るぞ、と命令します。

敵も味方も大勢倒れている現況で
追い打ちまでは必要ないと吉之助に提言する西郷信吾ですが
吉之助の中には、慶喜の首を上げてこそこの戦の目的だと
聞く耳を持ちません。

信吾は、それでも吉之助を必死に押しとどめていましたが
敵の銃弾に倒れます。


戦況は逐一、大坂の慶喜に伝えられていました。

士気を高めるため、陣頭にと求められますが、
周囲には目を背けたくなるほどの多くの戦傷者が横たわり、
慶喜はなかなか次の手を繰り出せません。

徳川方の津藩が新政府側に寝返り、攻撃を受けています。
まずは大坂で籠城し、食い止めている間に
江戸から兵を送り込めば、新政府軍は恐れるほどではありません。
余についてこい、と慶喜は叫びますが……。

1月6日の夜、慶喜は味方の兵を置き去りにして
ひそかに大坂城を抜け出したのでした。
戦が始まってわずか4日目のことでした。


「慶喜公が消えた!? 夜逃げか」
重臣とともに大坂城を抜け出し、
天保山の港から開陽丸に乗り込んで江戸に向かった模様。

フッと笑みをこぼした吉之助は、
戦に勝ったと喜ぶ薩摩兵たちを横目に
慶喜討伐の許可を得に御所に向かいます。


荒波の中、なんとか江戸に戻れた慶喜は
江戸前の鰻を取り寄せて食しています。

そこに現れた海舟 勝 安房守は
鰻など食っている場合じゃないと怒鳴りつけます。
「戦に負けたのも、徳川の名を地に貶めたのも
 みんなあんただ。あんたは徳川の恥だよ」

江戸までついてきたふきも、ため息まじりにこぼします。
「あなたは、西郷様が恐ろしいから逃げたんです」

慶喜は、消え失せろ! とふきに叫び
「いいんですね? 私、本当に行っちゃいますよ」と
ふきに猶予を与えられても、
プライドが許さないのか謝ることだけはしません。

これでは、いくら人情に厚く
謝ればきっと許してくれると思われた吉之助にも
慶喜は謝れないでしょう。
哀れだね、と言い残し、海舟も去って行きます。


薩摩兵が多く運び込まれている寺では
ウィリスというイギリス人医師が一蔵に連れられて来ていました。

当時の京では外国人は入ってはならないことになっていたので
初めて見る外国人に、まるで化け物を見るように脅え
妖怪を見るように気絶していた者もいましたが、

クロロホルムで麻酔をし、切開手術をするなど
ウィリスの技術は世界最高峰のもので
新政府軍の兵の命が大勢救われたのです。
生死の境をさまよっていた信吾は、麻酔から目を覚まします。

「兄さぁは……鬼になってしもた」
天井を見つめたままつぶやく信吾に、一蔵は首を横に振ります。

吉之助は、落命者を多数抱える部隊の中枢にいるせいで
最愛の弟すらも見舞えない心苦しさを押しとどめていましたが、
兵庫に腕のいいウィリスがいると知ると、御所に掛け合い
イギリス公使パークスに頼み込んでウィリスを京に呼び寄せたのです。

当然、岩倉ら公家たちは猛反発しますが、
何度も何度も頭を下げて説得を続けての実現だったわけです。
一蔵は信吾に、鬼は弟の為にそんなことまではしないと言うと
信吾の心に、そんな兄の愛情はほんの少しだけ届いたようです。


2月、吉之助たちは関東を征伐するため
江戸へ向け、京を出発することになりました。

駿府・新政府軍大総督府──。

上野寛永寺にいる徳川家茂未亡人の静寛院(和宮)、
そして尾張徳川慶勝から、新政府軍に対し
進軍を止めるようにと連日のように書状が届いています。
慶喜は、寛永寺で謹慎している、と。

しかし吉之助は、ここで情に負けて
手を緩めるわけにはいかない、と厳しい表情です。
本当に恭順を示しているなら、兵器、弾薬、軍艦の全てを引き渡し
慶喜自ら新政府軍の軍門に下るのが道理、と主張します。

西郷が一歩も折れなかった結果、
江戸城総攻撃は3月15日と決定しました。


慶喜がいる寛永寺に呼ばれた勝は、
精兵や軍艦を駆使して駿府の大総督府や京を砲撃すれば
こちらが今度は官軍となり、勝てると主張しますが、

なるほど、と納得しつつ、もしそうなったら日本は終わってしまうし
日本は外国の手に渡るから、それだけはしてはならないと言います。
徳川を世界の笑い者にしてなるものか、と悔し涙を浮かべます。

それを聞いた勝はニッコリ笑い、
戦を続ける意志がないことを確認します。
「後始末はまかせた。どんな沙汰でも甘んじて受けよう」
これでよいな、と亡き父・徳川斉昭に微笑みかけます。


勝の命を受けた山岡鉄太郎が吉之助の陣所に乗り込んできました。
勝の書状を手渡し、すぐに進軍を止めるように説得を試みますが
吉之助の主張は変わりません。
今ここで手を緩めれば、慶喜は必ず力を盛り返すからです。

説得不首尾、と山岡は切腹しようとしますが、
その死は無駄だ、という吉之助は、
山岡を止めるためにも勝と会うことにします。


新政府軍は、東海道・東山道・北陸道から江戸を目指します。
そして吉之助は、それらの兵をいったん止め、単身江戸に乗り込みます。

若かりしヒー様(慶喜)と遊んだ磯田屋に入る吉之助や村田新八たちは
彼らが薩摩の人間であることを知り、慌てて逃げ出す客を横目に
このまま江戸が空っぽになれば、と笑っていますが、
そこに現れたのは、天樟院付き元老女の幾島でした。

幾島に連れられて向かったところには、天樟院篤姫がいました。
実に12年ぶりの再会でした。


慶応4(1868)年1月3日、
戊辰戦争の緒戦となる鳥羽・伏見の戦いが始まる。

明治10(1877)年9月24日、
西南戦争で西郷隆盛が討ち死にするまで


あと9年8ヶ月──

(大河ドラマ『翔ぶが如く』では第28回「江戸開城」付近)
(大河ドラマ『篤姫』では第46回「慶喜救出」〜第47回「大奥の使者」付近)


原作:林 真理子
脚本:中園 ミホ
脚本協力:三谷 昌登・小林 ミカ
音楽:富貴 晴美
タイトル映像・題字:L.S.W.F
語り:西田 敏行
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[出演]
鈴木 亮平 (西郷吉之助)
瑛太 (大久保一蔵)
錦戸 亮 (西郷信吾)
堀井 新太 (村田新八)
泉澤 祐希 (川路利良)
大野 拓朗 (中村半次郎)
──────────
北川 景子 (天樟院)
松田 翔太 (徳川慶喜)
高梨 臨 (ふき)
近藤 春菜 (虎)
柏原 収史 (松平容保)
堀内 正美 (板倉勝静)
藤本 隆宏 (山岡鉄太郎)
内田 有紀 (ゆう)
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笑福亭 鶴瓶 (岩倉具視)
南野 陽子 (幾島)
遠藤 憲一 (勝 安房(海舟))
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制作統括:櫻井 賢
    :櫻井 壮一
プロデューサー:藤原 敬久
演出:堀内 裕介


◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『西郷どん』
第37回「江戸無血開城」

デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜

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