« バス停について本気出して考えてみた(253) | トップページ | 大河ドラマ西郷どん・(38)傷だらけの維新 〜明治前夜の叫び〜 »

2018年10月12日 (金)

プレイバックいのち・(28)輝けるとき

高原未希の負担の要因となっているのが
精密機械であるレントゲン診療の設備を持ち運んで
村々各地に赴くことでありまして、

レントゲン機器を高原病院に設置できれば
みんな来たい時間に来てレントゲン診療することができ
輸送しての行き来が必要なくなるため、
未希の負担はうんと軽減されます。

未希と中川邦之は、診療所を立て直すことを考えます。

当人たちの希望をまとめ、簡単に図面に書き起こすと
建設費用とレントゲン機器その他医療設備費用を合わせて
ざっと400万円ほどです。
銀行などから借りた場合、何か担保にする必要があります。

この家と土地は父親名義なので、担保にはできません。
そう思っていた未希ですが、工藤清吉曰く
父・高原正道が亡くなったときに遺産相続することになり
清吉が諸費用を払って名義を未希と中川佐智に変えてておいてくれたのです。

お嬢さまのご自由に、お好きなように、と出された
この家と土地で、およそ150万円の価値があります。
そういう、かゆいところに手が届くような清吉の親切に
感謝する未希です。

建築費の融資は、未希たちの希望通りに無事受けられる見通しとなり
来春から着工できるように準備か始められることになりました。


それに先立ち、診療所や設備についてアドバイスをもらおうと
未希は東京に出向き、坂口一成や浜村直彦に教えを乞います。
診療所改築のことは2人にも大喜びしてもらえ、
何か手助けできることは手助けする、と言ってくれます。

当面の問題は、これだけ規模の大きな病院になると
医師2人だけというのは運営上問題があります。
看護婦を雇いたくても、こういう地方には働き手がおらず
遠方になって、どうしても敬遠されがちのようです。

いざとなれば佐智が手伝えばいい話ではありますが、
足を引きずったまま医療の手伝いは難しいと思います。
坂口は、いっそ足を手術で治してしまったら? と提案。
未希は、佐智を一度東京に来させる約束をします。

直彦は、未希がシアトルで会ったことがある
水田教授の娘・玲子と
来春3月に結婚することになったと報告します。
未希は一抹の寂しさを感じつつ、津軽に帰ってきました。


昭和33(1958)年、
雪解けを待って着工を始めた診療所が5月末に完成し、
坂口教授と直彦の尽力でレントゲンやその他医療器具も整い
新しい高原医院はスタートしました。

とはいえ、今までは近くまで出向いて診療してくれていたのですが
ここで診療と集約されてしまうと、
農家ではなかなか出向けない家庭もあります。

邦之は、ひとつの集まる材料として
待合室にテレビ置きましょう、と提案します。

昭和33(1958)年5月に、
テレビ受診契約台数が100万台を突破したというニュースが流れて
高原病院の待合室にもテレビが据え付けられ、たちまち評判になって
テレビが放送されている時間、村人たちが集まってきます。

高齢者たちには血圧を測って病気が潜んでいないか確認し、
子どもには耳の検査を行うなど、無料での医療活動も忘れません。
客寄せだと批判されながらも、テレビを置いたことは
未希や邦之が考えている以上に効果的なことでした。


津田平吉の娘・征子がお腹が痛いと学校を早退してきたそうで、
平吉は慌てて高原医院に運び込むのですが、
邦之が校医として学校に行き、未希は急患のために往診に出て
医師2人とも不在だったため、待たされることに。

しかし、呻き苦しむ征子を見て、平吉に懇願されて
佐智は鎮痛剤の注射を打ちます。

その鎮痛剤のおかげで、征子は落ち着き眠っています。

病院に戻った未希が診察し、特に異常は見つからなかったので
帰ってもいいのよ、と征子を帰すことにします。


後日、征子とともに
保健所の職員が診療所にやって来ます。

佐智が打った注射がすぐに効いたと征子がしゃべってしまい
看護婦免許を持たない人が注射という医療行為をしていいのかと
その情報が保健所に通報されたようなのです。

私のせいだ、と征子は泣きじゃくっていますが
佐智は、征子は何も悪くないんだよとなぐさめ
邦之は、完全な当方のミスなので、責任は取ります、と説明。
保健所職員は、厳重注意のみで帰っていきました。

集団検診と言っては病気をほじくり出して、
治療しようとする金儲け主義だと恨まれていたり、
農薬もそのまま使うのは危険だと注意喚起したり、
中学校を卒業する予定の生徒の問診カルテを
業者が見たがっているのに、個人情報だと見せなかったり、

もしかしたら、想像以上に未希は
周囲の人間の恨みを買っているのかもしれません。

気をつけてね、と笑う未希に、佐智は決意表明をします。
「私、看護婦資格を取る!」
佐智の足が悪いことを理由に看護婦になれなかった佐智は
手術をして足を治し、改めて看護婦刺客を取りたいと言い出します。

今回の騒動は、結果的に高原医院にとって
いい方向に進むことになりそうです。


作:橋田 壽賀子
音楽:坂田 晃一
語り:奈良岡 朋子
──────────
[出演]
三田 佳子 (岩田未希)
石野 真子 (中川佐智)
役所 広司 (浜村直彦)
渡辺 徹 (中川邦之)
──────────
大坂 志郎 (工藤清吉)
赤木 春恵 (工藤イネ)
菅井 きん (岩田テル)
小林 綾子 (征子)
──────────
伊武 雅刀 (岩田剛造)
野際 陽子 (坂口美代)
泉 ピン子 (村中ハル)
宇津井 健 (坂口一成)
──────────
制作:澁谷 康生
演出:伊豫田 静弘

|

« バス停について本気出して考えてみた(253) | トップページ | 大河ドラマ西郷どん・(38)傷だらけの維新 〜明治前夜の叫び〜 »

NHK大河1986・いのち」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« バス停について本気出して考えてみた(253) | トップページ | 大河ドラマ西郷どん・(38)傷だらけの維新 〜明治前夜の叫び〜 »