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2018年11月 6日 (火)

プレイバックいのち・(35)さらば津軽よ

昭和36(1961)年の11月から東京近郊に開院した岩田未希は
目的を果たして津軽へ帰る日を迎えていました。
しかし未希は、1年にわたり地域に根を下ろした医者としての
責任を思うとどうしても高原医院を閉める気にはなれず。

このまま東京で仕事を続けることを
岩田剛造やテルに理解してもらおうと津軽へ帰ります。
主婦の座を捨ててまで医者としての道を選ぼうとする
未希の無謀さを案じるハルとの2人旅でした。


未希は先に岩田家へ戻り、
その間に高原家へはハルだけが先回りして到着したのですが、
中川佐智も、工藤清吉・イネ夫婦も、
未希が出稼ぎから帰ってくるのを今か今かと待ちわびています。

それを思うと、ハルは未希の帰郷を心から喜べません。
「あたしがいけなかったんだ。よかれと思ったことが結局アダに」

うつむくハルの様子を見て、
高原家の面々は顔を見合わせてハルを見つめています。
ハルは、未希がこのまま東京で医者の仕事を続けたがっていると
正直に打ち明けます。

そこに岩田家から怒鳴り込んでくるテル、
そのテルを引き止める剛造と、
本人である未希が高原家にやってきました。

今までのどんなことに対しても、未希の味方であった清吉は
今回ばかりは反対だ、と未希にこんこんと説得を続けます。
医者である前に岩田の嫁、母であること。
どれだけ頭を下げても許されることと許されないことがある──。

津軽に無医村があったように、東京近郊でも無医村があり
自分の診療を心待ちにしている患者がたくさんいる。
そんな人たちの役に立ちたいだけだ、と言ったところで
であれば家庭を蔑ろにしていいのか、と言われるのがオチです。

未希が不在の間も高原医院を守ってきた中川邦之と佐智は
村の人たちに頼られる病院に再びしてきたのです。
邦之は、東京から戻った未希に後を任せて、
弘前に帰って開業するつもりでいると打ち明けます。

津軽に戻った未希が高原医院と岩田の両方に軸足を置けるように
邦之たちは微力ながらも取りはからって来たのです。
それは未希も知らないことでした。

清吉もテルも、どうしても東京に戻るというのなら、
母親の役目を果たせないというのであれば
岩田とは離婚して、縁を切って出て行くこと、と言われます。
諦めなさいよ、とハルも未希に頼み込みます。

しかし、剛造が初めて口を開きます。
剛造が東京の病院に行った時、
信じられないぐらいに忙しかったにも関わらず
未希の表情は生き生きしていた、と。

「おらは、未希さを東京さ帰してやりてえ」
未希の幸せを考えるなら、津軽よりも東京だと感じた剛造。
剛造は、邦之と佐智に頭を下げ
清吉とイネ、そしてハルに頭を下げて未希の勝手を許し請います。

未希は、どれだけ自分勝手に物事を考えていたかに気づきます。
自分の考えひとつで、周囲のことに配慮しなさすぎました。
しかしみんなは自分のことを思ってあれこれ考えてくれている。
未希はこれ以上、我がままを通すわけにはいかないと思います。

高原医院を津軽に開いた以上、その責任は自分にある。
ゆえに東京から津軽に戻って来なければならない。

剛造は、自分の気持ちを押し殺して岩田にいたとしても
それは自分のためにも未希のためにもならない、と諭します。
せめて東京で自由に羽ばたくことが、
未希が幸せになる唯一の方法だ、とつぶやきます。

邦之も、弘前で開業したくて出て行くのではなく
未希が帰郷したら邦之の津軽での役目は終わるわけで
未希が求められている場所があるのなら、邦之は
誠や力(つとむ)のためにも津軽に残りたいと言ってくれます。

「未希さん! あんた幸せもんだよ!」
ハルは未希に声をかけます。
今日ほど、みんなに感謝した一日はありません。


未希が東京に戻ることが決まると
剛造は、長男竜夫も東京の高校に進学させて
しっかりした教育を受けさせるつもりでいます。
これにはテルの悲鳴に近い驚きの声が出てきます。

それを聞いていた典子は、いたたまれなくなって
泣きじゃくって飛び出していきます。
未希、そして竜夫が東京に行くのは仕方ないとしても
テルや剛造はとても寂しそうだ、というのが典子の言い分です。

未希は、我がままな母親であることの許しを請い
待っててね、ということしかできません。


津軽から東京に戻った未希は、いよいよ本格的に
医療活動に打ち込むための設備の拡張に手をつけ始めます。

診療を続けながらの改装工事ではありましたが
昭和38(1963)年には新体制での高原医院が誕生し
3月のはじめに高校進学の竜夫が
剛造、テル、典子とともに上京してきました。

医大に合格した津田征子、それに昭子に絹子は村出身の娘なので
テルはたちまち顔が綻び、再会を大喜びします。

当直の外科医師の八田修二と当直看護婦の田所弘子を含め
医師3名、看護婦2名に昭子と絹子、事務1人、賄い6人もいて
そのトップに立つのが未希です。
もう立派な大病院です。

テルは当初、自分や家族の世話をするのがイヤで
津軽を飛び出したと解釈していたわけですが、病院を見てみて
未希が半端な気持ちで東京で
医師をやっているわけではないと分かった気がします。

「あんた大した女子だよ。思いきりやれ!」
昼も夜も働いたら身体壊すよ! と心配するテルに
東京に呼んでよかった、と涙を流す未希です。


東京オリンピックを翌年に控え
日本は国を挙げて高度経済成長への道を
上り詰めようとしていました。

未希もその波に乗ったひとりだったのです。


作:橋田 壽賀子
音楽:坂田 晃一
語り:奈良岡 朋子
──────────
[出演]
三田 佳子 (岩田未希)
岸本 加世子 (津田征子)
渡辺 徹 (中川邦之)
石野 真子 (中川佐智)
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大坂 志郎 (工藤清吉)
赤木 春恵 (工藤イネ)
菅井 きん (岩田テル)
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伊武 雅刀 (岩田剛造)
吉 幾三 (八木金太)
泉 ピン子 (村中ハル)
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制作:澁谷 康生
演出:伊豫田 静弘

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