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2019年2月 3日 (日)

大河ドラマいだてん 東京オリムピック噺・(05)雨ニモマケズ

昭和35(1960)年、
酒を止められているはずの古今亭志ん生が
五りんや阿部千恵に止められるのも聞かず
落語の噺の練習だからと酒をあおり、そのまま高座に上がります。

志ん生が語り出したのは落語『芝浜』。
年末でもないのに魚河岸の芝浜だなんて珍しいね、と話していたら
場所は芝浜から品川、そしてアッという間に
羽田まで行ってしまいまして。

明治44(1911)年11月19日の
羽田競技場での予選会の日のことが語られます。

スポーツには金を出せない、と兄にきつく言われた三島弥彦は
オリンピック予選会には審判員として参加しますが
競技を見ていると、出場意欲がふつふつと沸き上がり
気がつくと共に並んで走っていました。


そしていよいよマラソン競技の予選会。
10里25マイルの競技です。
迷子になっていた金栗四三も
ギリギリで間に合い、参加できました。

競技開始に当たって、羽田の悲劇にならなければよいが、と
危惧する永井道明から諸注意があり
もしも不調になったら歩いてもいい、休んでもいい、
生きて帰って来てくれ、と伝えられます。

参加者19名、四三はゼッケン51番です。
しかしスタートと同時に横殴りの雨が降り出してきました。
それがにわか雨で雨が上がれば強い陽射しで落伍者が出始め
救護班が次々と運ばれる選手たちを診察しています。

四三の計画では、前半は多少ゆっくりめのペースで
徐々にペースを上げていくものです。
スタート時には最下位だった四三も、その計画で
折り返し地点を過ぎれば2位走者のすぐ後ろに。

2位もアッという間に追い越し、
1位の佐々木選手(北海道)まで600mが50mにまで近づき、

「韋駄天だ! 彼こそ韋駄天だ!」
トップでゴールしたのは四三でした。

2時間32分45秒──。
世界記録2時間59分と言われている時代だったので
世界新記録です!(参考記録)


永井の手配で水が運び込まれますが、
それに口をつける直前、よかです、と断ります。

「世界記録が、また夢になるといけねえ」
予選会について朗々と語った志ん生は
最後だけ『芝浜』に合わせてでその幕を閉じます。

弟子の今松からは、古典落語をあんなふうに
いじっちゃダメですよ、なんて言われちゃいますが、
「ウケたからいいじゃねえかー」と志ん生は気にもしていません。

それより、オリンピック予選会について
どうしてあんなに詳しく語れるのか? というと……、
車夫の清さんが予選会に出場するというので
志ん生、当時の美濃部孝蔵が代わりに俥屋で営業していたのです。

実は孝蔵には孝蔵で、感動的な出会いがあったのです。
なんと、孝蔵が落語に目覚めたきっかけとなる
橘家円喬が客として乗って来たのです。

「人形町までやっとくれ」という円喬が、
落語「鰍沢(かじかざわ)」の稽古に噺をつぶやいていると
歩をついつい止めて聞き入ったり、雨の描写の上手さに
ホントに雨が降って来たと思ってしまうほど惚れ込んでしまいます。


出場19名中、途中棄権者は13名。
完走者は、金栗四三、佐々木政清、井手伊吉、
野口源三郎、橋本三郎、能登利正の6名──。

宿舎に帰ると、顧問の可児 徳を筆頭に
徒歩部の仲間たちが祝勝会を開いてくれました。

酒を大量に飲んで生徒の前で醜態を晒す可児に
永井は目くじらを立てて注意しますが、
この時の可児には、まさに鬼に金棒です。
「やかましい永井道明! 肋木に掴まれいっ!」


その日の夜、四三は興奮して眠れず
兄・金栗実次に手紙をしたためようとして
「お前は何か思い違いをしておる」と言われたことを思い出し
便箋をくしゃくしゃにして捨ててしまいます。

机の引き出しから一冊のノートを取り出した四三は
すでにレースに勝って世界記録を出したのに
『勝つために』今回のレースの勝因を分析。
この経験を生かし、新しい日本のマラソンの道を開拓せん、と。

排便ヨシ。食事適量。服装は厚手のシャツと帽子。
課題は足袋、最後まで破れない足袋を作る。
……そうしているうちに、夜が開けてしまいました(笑)。

足袋を買った播磨屋に赴いた四三は、
走りづらかった場所、ボロボロになった距離などを
正直に黒坂辛作に報告し改良を依頼しますが、
辛作はプライドをズタズタにされ、激怒してしまいます。

追い出された結果の四三。

しかし落ち着いて考えてみると、1回のマラソンで
自慢の足袋がここまでボロボロになるというのはよくない。
頭を冷やした辛作は、改良を始めてみます。


人形町に無事に到着した孝蔵。
まぁ不満そうに下りていく円喬ですが
長屋の中に入っていく円喬に頭をすりつけて
弟子にしてください、と頼み込みます。

「じゃあ……明日も浅草から人形町まで、頼むよ」

来るはずねえ! とバカにする清さんと小梅ですが、
酒も博打もスパッとやめて円喬の弟子になったんです。
振り向くと、円喬がいました。
「人形町まで頼むよ」

表情が明るくなっています。


熊本では、春野スヤが
“世界記録を破りし金栗四三選手”の
写真付き記事を見て興奮しています。

はさみで切り取ってとっておきたいところですが、
嫁に行くのに……と父に言われ、スヤは意気消沈です。

ストックホルムオリンピックまで、あと半年──。


※この物語は史実を基にしたフィクションです※


作:宮藤 官九郎
音楽:大友 良英
題字:横尾 忠則
噺(古今亭志ん生):ビート たけし
──────────
[出演]
中村 勘九郎 (金栗四三)
綾瀬 はるか (春野スヤ)
生田 斗真 (三島弥彦)
杉咲 花 (シマ)
永山 絢斗 (野口源三郎)
勝地 涼 (美川秀信)
──────────
森山 未来 (美濃部孝蔵(語り))
神木 隆之介 (五りん)
橋本 愛 (小梅)
荒川 良々 (今松)
峯田 和伸 (清さん)
川栄 李奈 (知恵)
松尾 スズキ (橘家円喬)
小泉 今日子 (美津子)
──────────
中村 獅童 (金栗実次)
田口 トモロヲ (金栗信彦(回想))
──────────
杉本 哲太 (永井道明)
ピエール 瀧 (黒坂辛作)
小澤 征悦 (三島弥太郎)
古舘 寛治 (可児 徳)
白石 加代子 (三島和歌子)
竹野内 豊 (大森兵蔵)
役所 広司 (嘉納治五郎)
──────────
制作統括:訓覇 圭・清水 拓哉
プロデューサー:家富 未央・浅沼 利信
演出:井上 剛


◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『いだてん』
第6回「お江戸日本橋」

デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜
BS4K:午前9時〜

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