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2019年3月10日 (日)

大河ドラマいだてん 東京オリムピック噺・(10)真夏の夜の夢 〜日本スポーツ海外初挑戦〜

明治45(1912)年6月3日、オリンピック開会式まで あと33日。
「もうすぐ夜の10時、太陽は沈みません」と
嘉納治五郎に宛てた手紙の中で、金栗四三はつづります。
そう、白夜なのです。

 

日露戦争に勝利したことで、日本人は注目を浴びておりまして
四三や弥彦は、オリンピックに関する質問ではなく
どうしてロシアと戦って勝てたのか、などという
一見無関係な質問を浴びます。

 

部屋の奥では、同じくオリンピック初参加のポルトガルから
マラソン選手としてラザロが取材を受けておりますが、
メダルを取ったら国から賞金が出るらしいと聞いて
四三は、自分は自腹で参加しているのに、と愕然。

 

世界記録保持者の四三がいると分かると、ラザロは
睨みつけながら近づき握手を求めます。
四三も敵対心いっぱいに睨みつけ、握手します。

六月四日、快晴、快便
しかし快眠とはいかず。

 

白夜という、時間では深夜になっても明るいままで
おかげで四三も弥彦も眠れていません。

 

まずは坂道を中心に、三里から四里を繰り返し走る。
気候、体の調子、共に良し。
ただ、目下、孤独が何よりの敵なり。

 

外国の選手の練習ぶりを見るに、
彼らは数名が一団となり、互いに批評を加え訂正する。
これをもって練習の効果を確実に上げることができる。
そもそも彼らとは体の造りが違う。

 

約束通り、午後三時にグラウンドへ。
しかし、三島氏、見当たらず。

 

6月5日、監督の兵蔵は体調がすぐれず、練習に出られないので
簡単に記した練習メニューを安仁子から弥彦に渡してもらいます。
しかしマラソンが専門ではない兵蔵は、四三には渡さず
安仁子は「走って走って走るのよ!」といい加減w

 

そして次の6日も、7日も……。

 

実に孤軍奮闘なり。
他人の力を借りず優勝を得し喜びを夢想し
ただ、奮闘するのみ。

 

8日。

 

アメリカ、フランス、ロシアなどの選手が現地入りし
練習、ますますにぎやかに。

 

先日顔合わせした、ポルトガルのラザロですが
四三が履いている足袋に興味を持ったようで
足袋は大工が履いているもの、と説明すると
自分も大工だったと教えてくれます。

 

電車に乗ることが出来ず、走っていたところをスカウトされたとかで
四三は自分と同じ境遇のラザロに親近感が沸いてきました。
せっかく日本から持って来た足袋をプレゼントする四三です。

 

一方、弥彦も短距離の練習を積んでいますが
いくぶんか顔色が険しいのが気になるところです。

 

更衣室に戻れば、新聞記者や他国の選手たちが
みな四三を囲み、足袋がほしい足袋がほしいともてはやされ
日本から送らせましょ、と四三は愛想を振りまき、
弥彦の中で、何かがプツリと切れるような音がしました。

 

 

六月十五日、白夜による不眠。
冷水浴のやり過ぎで水道止められる。

 

前略、もしこの手紙を
嘉納先生が読まれているとしたら、もう手遅れです。
練習を開始して十二日目、とうとう
誰も部屋から出て来なくなりました。

 

10秒台、11秒台は当たり前の西洋人との違いを
弥彦は毎日毎日見せつけられて、完全に自信を失っていました。
四三は、精一杯やりさえすればと励ましますが
弥彦は世界記録保持者である四三を妬み出します。

 

「期待されてないんだ、キミと違って!」
そういって閉じこもって泣く弥彦。
今や便器の高さまでもが恨まれてなりません。
つま先立ちをして用を足さないと届かないのですから。

 

そして、弥彦が精神的に参っていることで助けを求めた
兵蔵は、相変わらず咳き込んで病床にあります。

 

この度の大会は、日本人にとって
最初で最後のオリンピックになるでしょう。
黎明の鐘は、鳴りません。

 

弥彦が3階客室から飛び降りようとしたところを寸でで止め
足を折ったら走れなくて一生後悔する、と訴えます。
「我らの一歩は、日本人の一歩ばい!」

 

四三は弥彦の練習に付き合い、一緒に走ります。

 

監督の持病も回復の兆しを見せ
冷水浴も再開せり。

 

ちなみに、四三や弥彦のガイドを務める
ダニエルの父親がカメラマンでして、
オリンピックの記録映画が製作されたのは
このストックホルムが最初でした。

 

 

六月二十三日、とうとう夜が完全になくなる。
この季節、スウェーデン人は広場に柱を立てて踊り明かすという。
これが“夏至祭”。

 

オリンピック開会式まで あと8日。
我慢も限界に来た四三は、宿舎の広場で踊り明かす人々に
やめてもらおうと説得しますが、
逆に日本の歌を歌えと無茶ぶり。

 

困ったふたりは、君が代を歌います。
音楽をやめ、談笑をやめ、唖然とする人々。
しかし、後方から拍手が始まり、拍手の波と歓声が上がります。

 

その波とともに治五郎が到着しました。
治五郎は、俥屋から無数の足袋を預かっていて
それを四三に手渡します。

 

 

オリンピックの大会事務局から、
日本の名称をどうするか問い合わせが来ています。
やはりここは“JAPAN”で、というところ、
「“日本”でなければ、おるは出ません!」

 

意外なところからの横やりが入ります。

 

 

※この物語は史実を基にしたフィクションです※

 


 

作:宮藤 官九郎
音楽:大友 良英
題字:横尾 忠則
噺(古今亭志ん生):ビート たけし
──────────
[出演]
中村 勘九郎 (金栗四三)
生田 斗真 (三島弥彦)
山本 美月 (本庄)
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森山 未来 (美濃部孝蔵(語り))
神木 隆之介 (五りん)
峯田 和伸 (清さん)
松尾 スズキ (橘家円喬)
──────────
ピエール 瀧 (黒坂辛作)
シャーロット・ケイト・フォックス (大森安仁子)
竹野内 豊 (大森兵蔵)
役所 広司 (嘉納治五郎)
──────────
制作統括:訓覇 圭・清水 拓哉
プロデューサー:家富 未央・大越 大士
演出:西村 武五郎

 

 

◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

 

NHK大河ドラマ『いだてん』
第11回「百年の孤独」

 

デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜
BS4K:午前9時~

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