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2019年6月14日 (金)

連続テレビ小説おしん・(139)~(144)自立篇

圭と旅行中のおしんおばあちゃん。

これまでの旅行で、確固たるものが見つかったことはありませんでしたが、

田倉本家はようやく見つかりました。

「田倉」という表札と、その門構えにはっきりとした記憶があったのです。

 

寄ってみる? という圭に、おしんは首を横に振ります。

良い思い出のあった家ではないし、これまで本家とは音信不通であったのに

自分のことを覚えてくれている人がいたところで、どうすればいいのか

おしんには分からなかったのです。

 

実は圭もおしんの旅行の目的が分からなくなってきていました。

おしんの過去を振り返る旅だと理解してついてきたつもりでしたが、

思い出したり行ったりする場所はすべて辛い思い出のところです。

今、幸せなのにそんなことをする必要があるのか?

 

「幸せ、ね」

おしんはすたすたと歩きだしていってしまいます。

畑仕事から帰ってきたおしんは、
言葉に反応できないほどにぐったりと疲れ果ててしまっています。
それを見た清は、またも言いたい放題でおしんをいびりますが、
今日ばかりはその言葉に反抗するほどの気持ちが起きません。
一方で篤子は、一日中畑にも出らず座敷の上で横になっています。
風邪引くよ、と清に言われて風呂に入るように勧められる篤子。
同じ産み月というのに、おしんとは大違いです。
そんな、いつもとは違う様子のおしんを見て
福太郎や大五郎はおしんを心配し、畑仕事は休んでいいよと声を掛けますが、
篤子は嫁ぎ先からの預かりもの、おしんは田倉の嫁、とはっきり線を引き
嫁だから家の思うように働かせていい、と主張します。
竜三は、もう父と母のごたごたを見るのはたくさんだと
おしんにもっと我慢するように言います。
おしんは、竜三の言いたいことは分かっていました。
やはり畑には出ろよ、と言いたいわけです。
翌朝、畑に向かおうとするおしんを大五郎は引き止め
家の中の仕事をさせようと清に配慮を求めますが、
奥の仕事は恒子がひとりで回しているし、
雄の世話もおしんにはさせません。
きついなら横になれと言われ、そうしていましたが
夕ご飯のうどんがあることを恒子に教えられ、作ろうとすると
清は、おしんに聞こえるように嫌味をたらたらと言われます。
「せっかくですけど、これいただけません」
おしんはもう何もかもが嫌になり、出ていこうとしますが
食べないものをなぜ作ったか、食べるなとは言ってないのにと
今度は早う食べろ早う食べろと言われる始末。
おしんは、この日以降一日も休まずに畑に出続けました。
篤子とおしんは産み月を迎えていました。
清はおしんを呼び出し、現在おしんが寝起きに使っている納屋を
篤子のお産に使わせる、と言い出します。
そしておしんは、裏の屋敷……
屋敷といっても倉庫をお産に使うようにするわけです。
これなら、一つの家で同じ産み月ではどちらかが欠くという
迷信も信じなくてもいいだろう、という清の判断です。
おしんはさっそく倉庫を見に行きますが、とてもひどい状態です。
しかしおしんは、お産の間だけだから、と手を入れ始めます。
おしんは、自分も篤子も元気な子供を埋めることだけを願っていました。

屋敷とは別棟の小屋に移されたおしん・田倉竜三は
夫婦で協力して小屋の片づけを行い、
どうにか家の形にはなりました。
清はご機嫌で様子を見に来て、満足げです。

産み月が近いからと自分に気を遣ってくれると言うおしんと
家を追い出したから気になっているのだ、と言う竜三と
どちらの姿が本当かと言われれば、恐らくどちらもでしょう。

そして福太郎の妻・恒子も、おしんに差し入れを持ってきます。
恒子は立場こそ違えども、おしんと似たような経験をしてきて
おしんのやるせなさは人一倍感じている、同士なのです。


やがて年に最も忙しい稲刈りの時期に突入しますが、
おしんは休んではいられませんでした。
田んぼから帰るころに篤子が産気づいたらしく、恒子は竜三に
産婆をこの家まで誘導して欲しいと別れ道まで案内させます。

おしんは田んぼしごとで忙しかったでしょうし。、
部屋でひとりでゆっくりしてもらうことにしました。

しかし、そんな時に陣痛が始まったのです。
こんな痛みではまだ産めない、そう自覚するおしんは
部屋に油紙と布を敷き、出産の準備に入ります。
そして母の匂いがする手ぬぐいに母を求めています。


篤子は難産で、頭は見えているもののなかなか出て来られません。
そばにつきっきりの清は、何度も意識を失いかけている篤子が
不憫で不憫で見ていられません。

福太郎も大五郎も、菓子ばかり与えて動かさなかったから
子供が大きくなりますが、それもこれもおしんが一緒でなかったら
経験せずに済んだことなのかもしれません。
清は、とんでもない女を連れてきたもんだ、と吐き捨てます。

お産婆さんが、自分の手には負えないから
町の外科先生を呼んで来て欲しいと依頼があり、
大雨の中を走って行ってきます。
しかし、実はその時、おしんにも陣痛が始まっていたのです。

朝方、ようやく篤子が赤ん坊を産みました。

安堵ムードの中、竜三が小屋に戻ると
小屋前でおしんが倒れていました。
篤子たちには母子ともに健全で幸福な一日になりましたが、
おしんたちには、不幸せな一日となりました。

医師の診立てでは、今日峠を越せばなんとかなるとのことです。
竜三は、一日篤子につきっきりだったことを
おしんに詫びても詫びきれない、と肩を落とします。


清は、実子篤子が無事に出産したとのことで
お産を手伝ってくれた近所の女衆を招いてお祭り騒ぎです。
奥では、用意したものが無駄にならなかっただの
清がご機嫌で良かった、との声もあるほどです。

ようもああ大声で笑えるもんじゃね、と
恒子はご機嫌な清を後ろから睨みつけます。
清の気づかないうちに、おしんの食べるおかゆと
竜三のご飯を小屋に持っていってやります。

「食べんといかんよ。竜三さんまで参ったらどぎゃんすっと?」
義姉の言葉は、厳しくもとても愛情がこもっていて
オレが助けてやらないと、という気分にさせてくれます。

とはいえ、おしんが目を覚まし
赤ちゃんは? と言われると口ごもってしまいます。
いまおかゆを温め直しているから、と出てきましたが
何から話すべきか、迷っています。

そんな時に、祝いの席で大笑いの清たちを見ると
その怒りはその席に向いてしまいます。


本当のことを言えるわけがない、と竜三が言うので
大五郎が代わりにおしんに伝えることになりました。

おしんは軒下で倒れていて、竜三が見つけて大騒ぎになり
ちょうど医師が来ていたので見てもらうも、
生まれた子供は死産で、
あと数時間発見が遅ければおしんも命に関わっていた、と。

おしんは、もの言わぬ女になってしまいました。


一方、篤子はなかなか乳の出が良くなく
赤ん坊を泣かせてばかりおります。
清は、おしんに乳を飲ませようとしますが
そんなむごいことを、と竜三は反発します。

しかし、意外にも背中を押したのは恒子でした。
いまおしんはショックで何が起きているのか分かりません。
そんな時に、乳をやるということは慰めにもなりますし
状況として好転させることになるかもしれません。

おしんはただ黙ってお乳をやり
赤ん坊はおなかいっぱいになってすやすや眠っています。
あの子は私を母親だと想っている不憫な子だわ、とつぶやき
自分の乳でよかったらいつでも、と言います。

おしんは、自分の娘(おしんは「愛」と名づけていた)が産まれた時
本当に生きていたものの、泣けるだけの力がなく衰弱していて
それで命を落としていった、と理解しているのです。

一方で清も、おしんはあの子を自分の子だと想っている
不憫な母親だとつぶやき、おしんは命の恩人だと
恒子にはおしんに精のつくものを食べさせて
体を早く良くならせるように指示を出します。

そして、おしんにもし子供が出来たときには
もう二度と辛い思いはさせないと約束します。

少しは改心したようで、大五郎も黙ってしまいます。


篤子の子供の名づけ祝いとなりました。
おしんが自分の子供に「愛」と名づけていたことから
その愛に与えるべきお乳と、おしんの愛情の意味を込めて
「愛」の字をもらうことにしました。

篤子は死んだ子供に名づけたということで大反対なのですが
清が嫁ぎ先を回って説得したというところからも
おしんへの態度を改めた証しだと言えてるでしょう。


佐和から手紙が届きました。
今は東京の料亭で働いているのだそうです。

それに触発されたわけではないのですが、
もともとおしんに芽生え始めていた気持ちが
またむくむくともたげてきました。
「私、ここを出るわ」

おしんが佐賀にいたら、やりたいことは何一つ出来ない。
自分の子供さえ元気に産ませることができなかったのです。
「黙って行かせてください。私ここにいたらダメになる」

そして、義父大五郎と義母清のところにも挨拶に出向きます。
「今宵限りおいとま頂戴致します」

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作:橋田 壽賀子
音楽:坂田 晃一
語り手:奈良岡 朋子
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[出演]
田中 裕子 (おしん)
並木 史朗 (竜三)
長谷 直美 (篤子)
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高森 和子 (清)

北村 和夫 (大五郎)

大橋 吾郎 (圭)

乙羽 信子 (おしん)
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制作:岡本 由紀子
演出:竹本 稔

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