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2019年6月28日 (金)

連続テレビ小説おしん・自立篇(151)~(156)

おしんのこころに、ようやく安らぎが感じられていました。

ちょうど寒い時期に始めた露天商の仕事も
決して楽なものではありませんでしたが、
佐賀での1年余りの毎日がつらかっただけに
おしんには天国のように思えました。

大正14(1925)年の春。
食べるものさえぜいたく言わなければ
貯金も少しずつでき始めたころ、
たかが様子を見に忙しい中をやって来てくれました。

露天商が軌道に乗って貯蓄も出来れば、
いずれは佐賀の田倉本家から竜三を呼んで
家族3人で暮らしたい、という願望があり、
それは手紙にもしたためているのですが、

竜三から手紙がきたためしがなく、
おしんはすこしがっかりしています。

佐賀では、清が竜三に見合い話を持ってきますが
おしんとは離別したわけではないのです。
そこは大五郎がしっかりと念押しするのですが
ただ、竜三はひたすらおしんからの手紙を待っています。


健の世話に甘えて、雄を預け
今日も一日無事に終えたおしんですが、
その様子を見張っている女がいました。
健の女房です。

女房はおしんの家に上がり込んで
健とおしんがまるで夫婦のように振る舞っていることが
全く許せなかったわけです。

いくらおしんのためとはいえ、露天商を始めるために
その借地の権利から店の道具、建物や開店準備に至るまで
さんざん酒を呑ませて遊ばせてかなりの大金をつぎ込んで
それもおしんに負担させずにきたというわけです。

自分の幸せのために、ひとりの女が
犠牲になっていたことなんて知らなかったし、
健のおしんへの気持ちを知ってしまった以上、
健の世話にはなれないと考えるおしんでした。


おしんはいったん、山形へ引き揚げることにしました。

父・作造の死以来、4年ぶりの帰郷ですが、
その間に、結婚、大震災、2度の出産と
何十年も生きたような苦労の連続でした。

その苦労に押しひしがれ、
故郷へのみじめな敗北の旅でもありました。


そんなとき、たかに宛てて竜三から手紙が届いていました。

こちらに世話になっていないかと問い合わせる内容で、
おしんからは梨のつぶてだとしたためられていましたが、
かつておしんは、たかにも健にも、
竜三に手紙を書いていると言っていたことがあります。

送っているはずの手紙が届いていない?
たかは疑問に思います。


兄の庄治は、意外にもおしんの帰郷を喜びますが
単なる里帰りではなく、もう佐賀には戻らない旅だと知ると
急に態度を硬化させ、食べ物も薪もなにもない、と突っぱねます。

ふじは、幼い頃のおしんが稼いだお金で
庄治の家族が住んでいる家の建築が出来たので
兄には気にせずデカイ顔をしてりゃいい、と言いますが、
だからこそ、庄治はおしんに辛く当たるのです。


翌朝から、所帯は別として暮らしを始めることにしました。

今までどおりご飯はとらが作って分配する方法をとると
庄治ととらが先にたらふく食って、わずかな余り物で
ふじとおしんが食べなければならないからです。

しかし、その初日から火花がバチバチと。

おしんは子守りをしてだらだら家で過ごすんだ、
と庄治が皮肉を言えば、
そんなことはとらにも野良仕事に出してから
言えよとふじが返すし、

とらが自分の子供に上げた菓子を雄がほしがって
泥棒が! とお尻をたたく折檻をすれば、
ふじは同じ年ぐらいの子供だったら
分けるということを教えるのが普通だ、と怒鳴り込むし、

それが通じないようであれば、庄治の貯蓄した米を
金に換えて、雄に菓子を買ってやると聞きません。
この米は庄治が作ったと同時に、
ふじが作った米でもあるのです。

しかし庄治は蔵に鍵をかけてしまいました。
今度から米を持って行くときにはとらに鍵を借りるように言われ
憎い思いのふじですが、自分が働きに出ればいい話だからと
おしんに諭されて、ことばを飲み込むふじです。

おしんは手の足らない畑に働きに出ることになりました。


佐賀では、おしんからの手紙を清が預かり
ひととおり読んでから
くしゃくしゃに破り捨てることが続いています。

つまり、竜三には伝わっていないのです。

くしゃくしゃにした手紙を見つめる恒子は
とても複雑な表情です。


おしんが田植えに出るというので、庄治は
少しは楽が出来ると朝から機嫌がいいのですが、
他の家の田植えの手伝いと知ると、たちまち不機嫌になります。

もしおしんが庄治とともに田植えをしたら、
その家がおしんにしはらうという給金と同額をおしんにくれるのか?
労働力だけ提供してもらって、得たものは独り占めではないのか?
おふじに言われたい放題の庄治は、とらを畑に出すことにしました。

そんなとき、りきが飛び込んできました。
加賀屋のくにが倒れたというのです。


その日は畑仕事を手伝い、翌日朝に酒田に発ったおしんは
意識不明のくにと対面します。

何度かの呼びかけにも反応せず、こんこんと眠り続けるくには
おしんにとって、大恩人であり人生の師でもありました。
もはやもの言わぬくにを見つめながら、おしんは
せめてもう一度だけ礼を言いたかったのです。


看病を続ける中で、くには意識を戻します。

加代にとってはおしんだけが頼りだから
力になってあげてほしい、と言われます。
「頼んだぞ」

燃え尽きる直前の炎が、
一瞬だけ赤々とてらすろうそくのように
くには一瞬だけ意識を取り戻していましたが、
その日の未明、76年の生涯を閉じました。

加賀屋は、くにが盛り立てて来た一つの時代が終わりました。
これからは加代たちの時代に入っていきますが、
くにが死ぬ間際まで望んでいたこと、つまり加代の跡継ぎについて
考える必要がでてきました。

しばらく家に戻って来ていない夫が帰ってきたというだけでも
加代には反発心が芽生えるほどだったのですが、
そこをなんとかこらえて、よりをもどしてもらわなければ
成仏しようにもできない、とおしんに諭されます。

一方で、佐賀から実家に帰っていたおしんは
どうしても自分をかばって母が兄夫婦と衝突すると聞いて、
酒田に残って商売を初めてみないかと勧めます。

おしんにとって商売は夢であり
簡単にできるものではないことは知っていますが、
一つの大きなターニングポイントで
ただ立ち尽くしていました。


作:橋田 壽賀子
音楽:坂田 晃一
語り手:奈良岡 朋子
──────────
[出演]
田中 裕子 (おしん)
泉 ピン子 (ふじ)
並木 史朗 (竜三)
ガッツ 石松 (健)
小林 千登勢 (みの)
東 てる美 (加代)
石田 太郎 (清太郎)
──────────
渡辺 富美子 (りき)
吉岡 祐一 (庄治)
渡辺 えり子 (とら)
──────────
渡辺 美佐子 (たか)
高森 和子 (清)
北村 和夫 (大五郎)
長岡 輝子 (くに)
──────────
制作:岡本 由紀子
演出:小林 平八郎・江端 二郎

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