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2019年8月 4日 (日)

大河ドラマいだてん 東京オリムピック噺・(29)夢のカリフォルニア ~涙の選考会 ロス五輪~

五りんは、噺家の順位である「二つ目」について教わります。
一人前と認められた二つ目は、掃除やお茶汲み、寄席の雑用を
しなくてよくなることなのです。
ただし、自分の力で食べていく力量が問われます。

 

あんま好きじゃないんですよねー、と笑う五りん。
そもそもは「志ん生の『富久』は絶品」と書いてある
父親からの手紙を確認できたら、
志ん生の元からおいとましようと考えていたのですが、

 

オリムピツク噺としてはこのまま続くので、
五りんも居残って参加することにしました。
「古今亭五りんを、どうぞご贔屓に」

満州事変、五・一五事件など、
不穏な事件が相次いで起こった昭和7(1932)年。

 

こんな時だからこそ、スポーツ大国へと成長した日本を
世界に見せなければいけない──。
その夏、オリンピック壮行会で
大日本体育協会名誉会長の嘉納治五郎がスピーチします。

 

我らがまーちゃんこと田畑政治は、水泳総監督として
ロサンゼルスオリンピックに同行します。

 

6月23日、大型客船・龍田丸は、日本選手檀を乗せ出港します。
天皇陛下より贈られた恩賜の衣そろいのブレザーに身を包み
選手131名、開催国アメリカに次いで2番目に多い大選手団です。

 

一行はハワイ、サンフランシスコを経由し
7月9日、ロサンゼルスに到着。
ダウンタウンにある「リトルトーキョー」では
日系人から熱烈な歓迎を受けます。

 

歓迎パレードを終えた一行は、いざ選手村へ。

 

選手村という宿泊施設は、このロサンゼルス大会から本格的に導入され
世界37か国、2,000人がここで生活を共にします。
選手たちが国境や文化を越え、自由に交流できる
まさにスポーツの楽園!

 

 

まーちゃんによる国旗掲揚と、松澤一鶴による訓示。
デンマーク体操、朝食の後、選手は8時40分に
バスでプールへ移動。2時間の練習に入ります。

 

高石勝男キャプテンは、名前こそ名誉職ではありますが
「キミを試合には出さん、今のキミにはメダルを取れん」と
まーちゃんにきつく言われているので、まとめ役だけです。
それが本人のヤル気を失ってしまっている面があります。

 

しかしプールへのゲートは、9時を過ぎているにもかかわらず
日系人に食を奪われたからという嫌がらせで開けてくれないし

 

プールで練習しようとすると、日系人とは一緒に泳げないと
アメリカ人たちはプールサイドに上がってしまいますが、
まーちゃんは「貸切だ!」と存分に練習で使わせてもらいます。

 

日本代表の枠を懸けた最終選考会に向け、
1ヶ月の現地練習が始まりました。

 

昼食を兼ねて、リトルトーキョーの日本食レストランで
日系人主催の歓迎会が開かれます。
そして熱さを避け、午後の練習は夕方4時からです。

 

 

アメリカ海軍が太平洋で大艦隊による演習を始めたころ
東京の下町では、なめくじの艦隊が猛威を振るいます。
それが“なめ艦”こと「なめくじ艦隊」の由来なのです。

 

 

夕食の後は反省会で
撮影されたムービーを見返し、フォームを確認。

 

さすがに長旅の疲れが出ているのか、平泳ぎ選手の永田は
1分を切ったのが1回のみで、あとは切れていません。
とにかく今は練習量を減らすより、練習しながら回復させ
一番のピークが試合当日にくるように調整したいと話し合います。

 

 

7月18日、女子チームがロサンゼルスに到着。

 

日本では女子と男子は同じプールで泳げない環境にあり
ここでは、そんな女子の視線にも平常心で挑むことにしますが、
6分という時間をかけて流す泳ぎ方でも、ついつい全力で飛ばしてしまい
自己ベストをたたき出す選手もちらほらと……(笑)。

 

 

次第に、メダル至上主義のまーちゃんと
選手たちとの間に溝が出来始めていました。

 

高石や鶴田は門限を破ってでも夜遅くにプールで練習しているし
出場予定組からは、高石に花を持たせてやりたいと談判に来ます。
それでもまーちゃんは、記録が全てだという姿勢を崩しません。

 

五・一五事件の後、日本は非常に暗くなっています。
新聞もいよいよ軍の言論弾圧にかかろうとしています。
そんな中、オリンピックで日本がメダルをいくつも獲得し
アメリカに勝てば、その間だけでも笑顔を提供できるのです。

 

まーちゃんが欲しいのはメダルではないのです。
日本人の活躍による、日本人の笑顔が欲しいのです。

 

 

そして7月24日、運命の選考会です。
400m自由形で、高石は少しずつ宮崎から離されます。
思わず高石を応援していたまーちゃんも、
感極まるものがあったのでしょう。

 

「いけ勝っちゃん、いけ!
 勝っちゃん!! ありがとう……お疲れ……」

 

選考結果、高石の名が呼ばれることはありませんでした。

 

 

そのころ、IOC総会に出席するために
治五郎がロサンゼルスに到着します。

 

トーキョー ビー セレクテッド トゥ ホスト ザ ゲームス
イン ナインティーンフォーティ。

 

これで東京は正式に1940年のオリンピック招致に
名乗りを上げたことになります。

 

 

7月30日、105,000人の観衆が見守る中
ロサンゼルスオリンピックが華々しく開幕しました。

 

 

※このドラマは、史実を基にしたフィクションです。

 


 

作:宮藤 官九郎
音楽:大友 良英
題字:横尾 忠則
噺(古今亭志ん生):ビート たけし
──────────
[出演]
阿部 サダヲ (田畑政治)
麻生 久美子 (酒井菊枝)
斉藤 工 (高石勝男)
林 遣都 (大横田 勉)
三浦 貴大 (野田一雄)
大東 駿介 (鶴田義行)
上白石 萌歌 (前畑秀子)
──────────
森山 未来 (美濃部孝蔵)
神木 隆之介 (五りん)
荒川 良々 (今松)
川栄 李奈 (知恵)

 

夏帆 (おりん)
池波 志乃 (りん)
小泉 今日子 (美津子)
──────────
永山 絢斗 (野口源三郎)
トータス 松本 (河西三省)
イッセー 尾形 (永田秀次郎)

 

塩見 三省 (犬養 毅(回想))
──────────
皆川 猿時 (松澤一鶴)
古舘 寛治 (可児 徳)
岩松 了 (岸 清一)
役所 広司 (嘉納治五郎)
──────────
制作統括:訓覇 圭・清水 拓哉
プロデューサー:家富 未央・浅沼 利信
演出:西村 武五郎

 

 

◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

 

NHK大河ドラマ『いだてん』
第30回「黄金狂時代」

 

デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜
BS4K:午前9時〜

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