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2019年9月27日 (金)

連続テレビ小説おしん・太平洋戦争篇(223)~(225)

山形から帰ったおしんは、ひどく後悔していました。

もともと大した援助は期待できなかったわけですが、
それでも人に頼ろうとしたのがくやしかったのです。
戻ってきたおしんは、自力で何とかしてやろうと
担ぎ屋で稼いで家を出る決心を固めます。

雄が軍隊で仲間だった川村が、おしんを訪問します。
「自分は、田倉候補生の遺品をお届けに上がりました」

雄は昭和20(1945)年4月18日、
ルソン島で“名誉ある死”を遂げたとのことでした。
いろいろ持ち帰ろうとしたのですが、
日記だけになったことを詫びますが、

その実は、雄は餓死したのでした。
「あれは人間の世界じゃない!」
あんな戦場に送り出した軍隊も、
そうさせた戦争も憎い、と。

そして、力尽きて逃げられない雄を助けて
帰国させてやれなかったことを泣いて詫びる川村に
おしんはお礼を言います。

その日の夜、おしんは若かりし頃にもらった俊作兄のハーモニカを吹きます。
それは、戦争の犠牲となった竜三と雄の鎮魂歌でもあったのです。

おしんは初子と二人きりになったとき、話を切り出します。

雄がこんなことになっても初子は実の娘のつもりでいますが、
雄のことを思い出すのがつらいのだったら
いっそ雄のことを忘れて山形に帰って
初子を好きになった人と結婚するのも手だと伝えます。

翌朝、初子の姿が見当たりません。
お暇をいただくことにしました、という手紙を
初子の布団の下から発見しました。
田倉のためによく働いてくれたとつぶやきます。

 

東京から網元のひさが戻ってきました。
燃料の配給が始まり、再び船の仕事をやろうと
戻ってきたのです。

「あんたら、ウチに来えへんか?」
禎に事情を聞いたひさは、再会の喜びもそこそこに
おしんたちを住まわせることにします。

ひさへの家に無事に移ることができ、ほっと一息ついていると
おしんさん、という声が聞こえてきました。
杖をつく浩太です。

何も言わず抱きつき、今までの思いが
堰を切ってあふれ出したように号泣するおしんです。

昭和21(1946)年の夏、おしん46差の門出でした。

 

【太平洋戦争篇 完】

 

作:橋田 壽賀子
音楽:坂田 晃一
語り手:奈良岡 朋子
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[出演]
田中 裕子 (おしん)
乙羽 信子 (おしん)
ガッツ 石松 (健)
──────────
渡辺 美佐子 (たか)
赤木 春恵 (ひさ)
渡瀬 恒彦 (浩太)
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制作:岡本 由紀子
演出:小林 平八郎

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