連続テレビ小説おしん・再起篇(244)~(249)
おしんは、仁の道子との結婚には大反対です。
どうしても一緒になるというのなら、
田倉家を出て行って、好きなところで暮らせと伝えます。
当然、道子の両親と会っても、お断りするつもりです。
希望は、仁と百合の関係を初めて知り、ショックを受けます。
と同時にどうしてそうなったのか仁を攻め立てます。
仁は、百合の自分への気持ちをもてあそんだことは悪いと思っていますが、
道子と結婚して田倉商店を大きくする資金を得られるのなら、
それが田倉商店にとっていいことであると、考えています。
つまり、仁と百合、仁と道子の結婚話は
そのまま、田倉商店の維持、田倉商店の拡大という話につながるようです。
翌朝から、さばのようなもうけの少ない魚は断れだの
売り切れた魚の代替の案内は電話代も稼いでないから断れだの、
そういう仁と、客先にもご都合があるのだから大切にしなさいというおしんと
対立からスタートする田倉商店ですが、
百合が、仁のことはもうきっぱり忘れてしまったのをいいことに
仁は、自分が考えていた夢に近づくために、
道子と結婚させてほしいと頭を下げて懇願します。
おしんは、仁が考える新しいセルフサービスの店舗を立ち上げるには
田倉商店のもうけだけではなんともならないことも分かっています。
仁は、自分を犠牲にして道子と結婚し、開業資金を得ようとしているのも
知ったうえで、道子の父母を待つことにします。
おしんは、田倉商店のありのままを見てもらう。
そのためにいつものかっぽう着からは着替えません。
何かおかしいことを言われたら、そのまま追い返してやるんだという
おしんなりの防御服なのです。
今から女房の実家に尻に敷かれるのは
先が思いやられるとため息もつきたくなりますが、
仁は仁なりにおしんの跡を継いで店を大きくしようとしてくれているので
少しはそのあたりを考えてやらねばなりません。
道子と父・仙造がやってきました。
このあたりのいい場所を持っているわりには
宝の持ち腐れだ、と仙造はガンガン営業をかけて
さすがのおしんも圧倒されっぱなしです。
道子と仙造が帰った後は、おしんの不満のオンパレードです。
設備投資から資金から、おまけに自社商品のコーナーを作れとか
田倉商店を乗っ取りかねない言動だし、
その資金目当てですっかり仁は腑抜けになってしまっているし、
道子は道子で、この家の嫁になるつもりなら
自分の汚れ物ぐらい運んでくれてもいいのに
一切を初子に任せて自らは何もしようとしません。
おしんは並木家の安田康太のところを訪ねます。
悠々自適に暮らす浩太を見て、おしんは羨ましがります。
そこで、おしんは浩太にセルフサービス方式についてのアドバイスを求めます。
「僕がもうちょっと若ければ、やったかもしれないなあ」
それを聞いたおしんは、思い切って方針転換することに決め、
銀行から設備投資の金銭を借りて
自分なりの店舗にしたいと設計担当も置いて広げたいと考えます。
仙造以来の設計士が、早く現場を見たいということで
突然、仙造が田倉商店に現れました。
お断りしておいて、と仁に言っていたのに、言っていないらしく
ちょうどよかった、とおしんはこの場でお断りすることにします。
赤っ恥を欠かされた形の仙造は、道子に
結婚はあきらめたほうがよさそうだ、と言い置きます。
「一筋縄ではいかんぞ、あのばあさん」
いよいよ起工式が迫ってきました。
形はどうあれ、仁は
母が若いころから苦労して続けてきた店を
つぶすわけにはいかないのです。
式典に来た希望にも、愚痴を言いたくなります。
仙造が、おしんが依頼した設計士に図面を見せてもらいます。
見ると、どこにも衣料品コーナーがありません。
それでは約束が違うと食ってかかります。
二階に予定していた仁と道子の部屋ですが、
そこも売場にすれば衣料品を置くことができます。
その代わり、店の近くに二人居住用の家を買うことも考える仙造です。
新しい店の開業と同時に、仁と道子は結婚する予定です。
しかしそれは、おしんと道子の嫁・姑戦争の始まりでもあったのです。
自宅二階の仁と道子の部屋を設計変更して売場にするという話は
おしんはまったくしりませんでした。
おしんは仁を問い詰めると同時に、
嫁として姑から話しておかなければならないことを
伝えるために田倉商店に呼び出します。
田倉の嫁になるつもりなら、別居は認めないこと、
今まで初子がやってきた、商店内のお世話も、
嫁である道子がすべきこと、
それが納得できないのであれば、無理に田倉の嫁になる必要はない、と。
黙って聞いていた道子は、田倉商店を飛び出していきます。
作:橋田 壽賀子
音楽:坂田 晃一
語り手:奈良岡 朋子
──────────
[出演]
乙羽 信子 (おしん)
田中 好子 (初子)
──────────
田中 美佐子 (道子)
長門 裕之 (仙造)
渡瀬 恒彦 (浩太)
──────────
制作:岡本 由紀子
演出:江口 浩之
| 固定リンク
「NHK朝ドラ1983・おしん」カテゴリの記事
- 連続テレビ小説おしん・アナザーストーリーズ『運命の分岐点』(後編)(2019.12.27)
- 連続テレビ小説おしん・アナザーストーリーズ『運命の分岐点』(前編)(2019.12.24)
- 連続テレビ小説おしん・完結篇(292)~(297) [終](2019.12.20)
- 連続テレビ小説おしん・完結篇(286)~(291)(2019.12.13)
- 連続テレビ小説おしん・完結篇(280)~(285)(2019.12.06)
コメント