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2019年10月13日 (日)

大河ドラマいだてん 東京オリムピック噺・(39)懐かしの満州 ~~

古今亭志ん生がかつて
満州に行ったことがある、という話になりました。

あれは戦争が終わる3ヶ月前、
志ん生と圓生のふたりに、慰問として
1ヶ月間の予定で行くことになったのです。

5月、最初についたのは大連という都市でした。
戦時中だというのに空襲もなく、
みんなのんびり過ごしている大連で
志ん生と圓生は2ヶ月も過ごしていたのです。

そこにやってきたのが、
五りんの父・小松 勝でした。
勝は、演芸場の前で売っていた絵葉書を買うと、
志ん生を訪ねて演芸場の中に入っていきます。

勝は、志ん生の噺が聞きづらいと指摘し、
走るときの呼吸法まで教えてくれるのですが
志ん生には志ん生のやり方があるもんで、
「表へ出ろ!」と追い出してしまいます。

そのあと、奉天へ移動しますが、
奉天で出会った歌のうまい男性が森繁久彌。
圓生は、いい加減に日本に帰りたいというのですが
森繁曰く、燃料が足りなくて船が出ていないのだそうです。

「ついに、沖縄の日本軍は全滅したそうですよ」
そんな話を聞いて、神風日本が負けるわけないと思っていたら、
広島と長崎に原子爆弾が落とされた、という噂になりました。

やがて、奉天にソビエト軍が攻め込んでくるという話になり
圓生と志ん生は大連に戻ることにしますが、
そこで再会したのが、沖縄戦に出たであろう勝でした。

一緒に大連に連れて行ってほしい、と懇願する勝ですが、
圓生は、脱走兵は敵国からも日本からも追われている、と
同行を拒絶したのです。

しかし、中国人に鉄砲を向けられると身動き取れず
その中国人は、目の前にいる日本人が
絵葉書を買ってくれた人だとわかると
「次は殺す」と見逃してくれたのです。

 

結局3人で大連に戻った時、
日本は負けたことを聞かされます。
日本が負けたことが分かると、
たちまち中国人の仕返しが始まります。

それから演芸場にも100人ほどの日本人が集まり
志ん生はとりあえず、勝の助言を聞き入れて
「富久」をやってみました。

話は受けに受け、町中を走りたくなった勝は、
ちゅごくの街をすき用に走り始めたのです。
その時、背中からソビエト兵に声をかけられた勝は
問答無用でバンバンと…。

昭和21(1946)年1月、世の中がだいぶ落ち着いてきましたが、
志ん生と圓生は日本に引き上げることもできず、
食うや食わずで満州に居残っていました。

所帯持ちなら密航船に乗れるというので偽装結婚したら
とんでもない年増で、逃げ出した志ん生は
世の中をはいつくばって生きていきます。

引き上げ船が出始めたのが昭和22(1947)年1月、
そして帰国した志ん生は、
東京の家にひょっこり顔を出します。
「よっ」

また貧乏に逆戻りの生活となりますが、
今度は志ん生のところだけが、というのではなく
日本全部が貧乏なわけなので
上を向いて歩いていくしかない、と腹をくくります。

 

※このドラマは、史実を基にしたフィクションです。


作:宮藤 官九郎
音楽:大友 良英
題字:横尾 忠則
噺(古今亭志ん生):ビート たけし
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[出演]
阿部 サダヲ (田畑政治)
中村 勘九郎 (金栗四三)
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森山 未来 (美濃部孝蔵・語り)
神木 隆之介 (五りん)
坂井 真紀 (喜美子)
池波 志乃 (りん)
小泉 今日子 (美津子)
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松重 豊 (東 龍太郎)
中村 七之助 (三遊亭圓生)
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薬師丸 ひろ子 (マリー)
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制作統括:訓覇 圭・清水 拓哉
プロデューサー:岡本 信三・大越 大士
演出:大根 仁・渡辺 直樹

 

◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『いだてん』
第40回「バック・トゥ・ザ・フューチャー」

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