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2019年10月27日 (日)

大河ドラマいだてん 東京オリムピック噺・(40)バック・トゥ・ザ・フューチャー ~最終章スタート! いよいよ1964!へ~

古今亭志ん生が無事、退院となりました。
ただし、病院内で酒を飲ませていたことがばれた
小りんは、銭座に降格してしまいましたが(笑)。

 

昭和34(1959)年、東京は、オリンピック招致が
決まるかどうかの瀬戸際を迎えていました。
嘉納治五郎の主治医であった東 龍太郎が東京都知事に就任し、
その期待が大きく寄せられていました。

まーちゃんこと田畑政治は、
きたるIOC総会に向けて万全を期していましたが、
問題が起こっていました。
総会で演説する予定であった外交官の北原秀雄が
運動会でアキレス腱断裂の重傷!

アキレス腱を切っている人間がオリンピックをやりたいといっても
どうも説得力がなく格好がつかない。
というわけで、白羽の矢が立ったのが、平沢和重だったのです。

外交官を経て、NHKの解説委員となった平沢は
「もはや戦後ではない」この時期にオリンピックを開催しては
日本は世界に恥をさらしかねない、と
オリンピック反対の立場でした。

対アメリカ問題、スポーツ教育の遅れ、人材不足、
交通や宿泊施設の不備、開催国の選手としての実力不足、
平沢は、治五郎が目指したスポーツの祭典としても時期尚早だし
お金がかかるオリンピックは不要だと主張しているのです。

遡って昭和20(1945)年、終戦を迎え
焼け野原の中、まーちゃんが向かった先は
治五郎が作った明治神宮競技場でした。
そこも被害を受け、米軍に接収されていたのです。

まーちゃんは、ほこりの中から幾多のオリンピック資料を発見し
ポケットに手を突っ込めば、治五郎の遺品である
ストップウォッチがいまだにカチカチと動いています。

オリンピックは…やる!
そんな治五郎に、まーちゃんは食ってかかります。
「今の日本は、あなたが世界に見せたい日本ですか!?」

大いなる野望を胸に秘め、喫茶ローズに行ってみました。
東 龍太郎や松沢一鶴に再会したまーちゃんは、
自分の思いを打ち明けます。
「俺はこの東京で…オリンピックをやる!」

すぐに、生き残ったオリンピック関係者15名をバラックに集め
「日本体育協会」を立ち上げます。
体協再建のために、まーちゃんは水連理事長に就任、
東が体協会長に就任します。

やがて戦地に赴いていた元選手たちが無事に帰還し
物資不足の中、強化合宿を行います。
水泳の有望株・古橋廣之進が育ってきました。
通称「フジヤマのトビウオ」です。

浜松出身の古橋は、日本選手権で世界新記録をたたき出しますが
敗戦国・日本は国際水泳連盟から除名されていて
公式記録としては認めてもらえませんでした。

 

昭和23(1948)年、
12年ぶりのオリンピックがロンドンで開催されますが
敗戦国・日本はいまだに占領下にあり
オリンピックへの参加を認められませんでした。

怒ったまーちゃんは、
オリンピックの同日同時刻に同種目を競技するという
「裏オリンピック」なる日本選手権を行います。
GHQも、まーちゃんの熱意に押されて
4日間だけプールを使わせてくれました。

ロンドンの記録に勝る18分37秒を出した古橋です。
「よーっしゃ! 気持ちいいじゃんね!」

しかしこの裏オリンピックは、敗戦後めいっていた
日本人の心を明るくし、若者を鼓舞する結果に。
日本水連は国際競技連盟に復帰し、全米水泳選手権に招待されました。

占領下にあった時代、パスポートが発行されませんが
まーちゃんは、なんと連合国軍最高司令官の
ダグラス・マッカーサー元帥に直談判したのです。

戦前、選手団長としてオリンピックに参加した経験を持つ
マッカーサーの経歴をうまく利用したものです。
「アメリカと戦うとき、手心は加えるな。徹底的にやっつけてこい!
戦争に負けたからと言って卑屈になるな! 日本人の誇りを忘れるな!

全米水泳選手権では6種目中5種目でアメリカに勝利し
古橋は全勝利を世界新記録で飾ったのです。

 

昭和27(1952)年、ヘルシンキオリンピック。
日本は戦後初めてオリンピックへ参加を認められます。
まーちゃんは選手団長として
103人の選手や役員を率いました。

北欧の小都市での開催でしたが、市や国から一文の金ももらわず
入場料だけで賄ったというのが特筆すべき点でしょうか。
ヘルシンキの組織委員長・フレンケルは言っています。
「オリンピックは金もうけになる!」

敗戦国である日本が、文化国家として立ち上がるために
オリンピックを利用するのは恥ずかしいことではない!
「貧しいからこそオリンピック」という考えのもと、
まーちゃんと東は吉田 茂首相に直談判します。

しかし、200億という予算を聞けば、重い腰は上がりません。
ならば自分が国会議員になって予算をぶんどってくる! と
まーちゃんは朝日新聞社を辞め、次の衆議院議員選挙に
自由党候補として静岡3区から立候補します。

公示前には本命視すらされていたまーちゃんでしたが、
オリンピックオリンピックと叫びすぎたか、
結果は次点にも届かず、まさかの落選…。

 

昭和31(1956)年、ついに聖火は南半球へ。メルボルンオリンピックです。
その会合に、まーちゃんは英語が堪能な秘書・岩ちんこと
岩田幸彰を引き連れて地道なロビー活動を行いますが
これが日本をアピールする大きなきっかけになります。

その効果があり、次のIOC総会は東京開催と決定。
まーちゃんは、治五郎の遺産とも言うべき神宮競技場を
「懐かしくても、古いものは古い」と建て替えることにします。

 

昭和33(1958)年・春、神宮競技場は
8万人収容可能な国立競技場として生まれ変わります。
IOC委員たちは、超短期間の工事と、その完成度の高さに驚き
賛辞を贈りました。

そして、力を尽くして迎えたIOC総会で
ブランデージ会長は、今の東京には
オリンピックを開催する資格が十分にあると
太鼓判を押しました。

オリンピック東京招致に向けて着実に歩んでいたまーちゃんが
最後に打った手は、東を東京都知事にすることです。
東京都知事、IOC委員、日本体育協会会長を兼務すれば、
ひとりでオリンピックができるという算段です。

 

昭和34(1959)年4月、東を都知事に担ぎ上げ
万策を尽くしてようやく迎えた2週間後のミュンヘン総会。
スピーチはフランス語が堪能な北原に依頼し、勝利目前! というところで
文字通り、転倒してしまいました。

ミュンヘンのIOC総会で、私は何をアピールすればいいんですか。
頭を下げるまーちゃんに平沢が尋ねます。
「そもそも、どうしてオリンピックに魅せられるのか、その理由が知りたい」

“La Paix”(ペ)=平和 我々は平和のためにやっている、と。
5年前(昭和29年)にフィリピンに遠征に行ったとき、
人殺し! と叫ばれながら地元民に投石されました。
「彼らにとって、戦争はまだ終わってなかったんだ」

「時期尚早? 冗談じゃない! 遅すぎるぐらいだよ」
水泳選手が泳ぐのを辞めれば何もなくなるけど
こんな時に泳げば、何かが変わるかもしれない。
俺たちは、面白いことをしなきゃいけないんだよ──。

そこだよ! そこ!
治五郎の声が、平沢の頭に降ってきました。
治五郎もまーちゃんと同じことを言っていましたっけ。
「面白いことなら、やらせていただきます」

 

昭和34年5月26日、IOC総会ミュンヘン会場──。

『ここに日本の小学校6年生の教科書があります。
「五輪の旗」という話が載せられています。
それは、このような記述で始まります。
“オリンピック、オリンピック。
こう聞いただけでも、わたしたちの心はおどります。
全世界からスポーツの選手が、それぞれの国旗をかざして集まるのです。
すべての選手が、同じ規則に従い、同じ条件のもとに力を競うのです。
遠く離れた国の人々が、勝利を争いながら仲良く親しみ合うのです。
オリンピックこそが、まことに世界最大の
平和の祭典ということができるでしょう”

ついにその時がきました。
五輪の紋章に表された“第五の大陸”、
オリンピックを導くべきではないでしょうか。
“アジア”に──』

 

得票の結果、東京34票、デトロイト10票、ウィーン9票、ブリュッセル5票。
これで、オリンピック大会の東京招致が決定しました。
いよいよ、東京にオリンピックがやって来ます。

 

※このドラマは、史実を基にしたフィクションです。


作:宮藤 官九郎
音楽:大友 良英
題字:横尾 忠則
噺(古今亭志ん生):ビート たけし
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[出演]
阿部 サダヲ (田畑政治)
中村 勘九郎 (金栗四三(回想))
綾瀬 はるか (池部スヤ(回想))
麻生 久美子 (田畑菊枝)
杉咲 花 (小松りく(回想))
仲野 太賀 (小松 勝(回想))
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森山 未来 (美濃部孝蔵・語り)
神木 隆之介 (五りん)
荒川 良々 (今松)
夏帆 (おりん)
池波 志乃 (りん)
小泉 今日子 (美津子)
──────────
星野 源 (平沢和重)
松坂 桃李 (岩田幸彰)
松重 豊 (東 龍太郎)
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三宅 弘城 (黒坂辛作)
皆川 猿時 (松澤一鶴)
根岸 季衣 (田畑うら)
薬師丸 ひろ子 (マリー)
役所 広司 (嘉納治五郎(回想))
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制作統括:訓覇 圭・清水 拓哉
プロデューサー:岡本 伸三・大越 大士
演出:井上 剛

 

◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『いだてん』
第41回「おれについてこい!」

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